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2012年5月 7日 (月)

新多用途へり(UHX)国産開発決定と要求性能

陸自の新多用途ヘリ(UHX)が、川重が受注しての国産開発で決まったそうです。

陸自の新多用途ヘリ 川崎重工業が受注 OH―1を母機に開発」(朝雲新聞12年4月5日)
Uhx
同記事より

UHXは、陸自が現在でも140機あまりも使用し、多用途ヘリの主力としているUH-1の後継となるものです。

UH-1以外の多用途ヘリは、UH-60JAですが、価格が高価であるため、現在でも30機あまりの配備に止まっています。
UH-1は、累計では350機を越える機数が納入されており、この後継とされるということは、必然的に陸自のこれからの動的防衛力実現のための必須のプラットフォームと言えます。

 川崎重工業では、同社が開発したOH1観測ヘリをUHXの改造母機とし、これまで蓄積した同機の技術・製造基盤を活用、開発に当たっては技術リスクを抑えると同時に機体のライフサイクルコストの低減を実現させたいとしている。


UH-60の配備が30機で頓挫している理由も、コストです。
十分なコストパフォーマンスを示し、価格が安くならなければ、結果的に十分な数をそろえることもままならず、動的防衛力の実現にも赤信号が灯るでしょう。

そのためにも、どの程度の要求性能を設定するかは、重要な問題です。

搭載力や速度なども、決して軽視できる要素ではありませんが、最も重要なのは足の長さ、航続性能でしょう。

 技本によるとUHXは重量約5トンで、最高速度140ノット(約260キロ)以上、行動半径230キロ以上で、各種作戦、災害派遣活動、国際平和維持活動などに活用できる機体を目指す。
 エンジンも国産で、UH1では難しかった洋上長距離飛行も可能となり、島嶼防衛のような離島の作戦でも中心的な役割を果たすことができる。


朝雲の記事では、行動半径230kmで、洋上長距離飛行が可能とあります。

この性能は、宮古島(および下地島空港)と魚釣島間の距離およそ200kmを念頭に置いた要求性能でしょう。
宮古空港あるいは下地島空港から飛び立ち、リペリング等で隊員を降下させ、問題なく帰って来られる性能ということです。

現有のUH-1は、航続距離が512km(by wiki)しかなく、同じ事を行った場合、何らかのトラブル(中国軍機に追われて慌てて逃げる、天候不良で迂回経路をとる等)があった場合には、燃料がなくなって洋上に墜落しかねません。
現有のもう1機種、UH-60JAは、航続距離が1295km(by wiki)もあり、性能的には十分ですが、宮古・下地からの運用を考えればオーバースペックです。(だから価格も高い)

言うなれば、UHXは、島嶼防衛におけるベストバランスを狙ったモノと言えます。

先にも述べましたがUHXの開発・配備がうまく行かなければ、動的防衛力の実現が危うくなります。
それに、防衛産業界も危機に陥ります。

性能・価格ともに、良いモノができることを期待します。

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コメント

素人的には、OH-1を母機とするUHというのが、どうしても
結びつきません(汗)
業界的には、ぜひとも成功してもらいたいと思いますが、
UH-1J以下の価格が実現するのかが疑問です。

またいじめられるのかなぁ~(汗)

http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/22/jizen/honbun/15.pdf
「現有機と同等以下の価格で、現有機より高性能(現有機以上の搭載能力を確保した上で、高温・高標高領域での超低空飛行及び長距離洋上飛行での安全性、速度性能、航続性能等の大幅な向上)な装備を取得する」
また矛盾した要求ではありますかね・・・

そもそも、国産の新規開発なんかして、安価に調達しようなんてできる訳がない。
全く学習能力がないのか?
そんなに国産にこだわるならば、BK-117をベースに所要の改良を加えたもの採用すればいいのでは?

やん 様
アシナガバチ 様
より良いものを、より安くが消費者の変らぬ欲求ではありますが、答えることを要求されるサプライヤーにとっては、厳しいところでしょうね。

どこでも言及されていませんが、UHになりうる機体は、民間転用も可能な機体になるはずですから、これも将来的には3原則の適用外となるのだろうと思います。
政府は、消費者となるだけでなく、販社としても活躍して欲しいところですよね。

なお 様
素材技術や生産技術も上がってますから、「現有機より」安価・高性能は無理ではないと思います。
ただし、「競合機種より」安価・高性能は難しいだろうとは思ってますが……。
ですから、防衛省の言いぶりは”ウソ”ではないと思ってます。(詐欺っぽいですが)

さほど詳しい話題ではないですが、BK-117だと、原型が古すぎ(初飛行から30年以上)て、改良するにも無理があるのではないでしょうか。

ウーン・・・UHー1の後継機の計画ですので・・・富士重工から川崎重工に担当が変更ですね・・・こりゃ・・富士重工「防衛から撤退」の流れでしょうか?

>既存機改良
性能も大事ですが、陸自の「数が物を言う」装備ですので、「こっちの方が安全策じゃないの?」と言ってしまうのは大きなお世話かもしれませんが・・・ただ米国でも同じような用途に既存機の改良型を採用しましたのでどうなんでしょ?

また空自の次期救難ヘリに引き続き60J系が採用されたことも考慮に入れてもとは思いましたが(高価なセンサー類を廃止した低コスト型を空自と足並みを揃えて導入)・・・

海族 様
アパッチの件で、富士とは険悪化してますし、富士とすれば、ケンカすると決めた時点でいずれは撤退あるいは事情売却する腹づもりは決めていたのだろうと思います。
UHXも、この方針を承知しての選択なんでしょうね。

ヘリについては、その原理上、速度性能なんかは、もうほとんど上がる余地がないですから、コストが下がりさえすれば、既存機改修で用をなすのだろうと思います。

UH-60にすることも、当然選択肢の一つだったろうと思いますが、空自が複数の戦闘機機種を持ちたがることと同じで、単一機種にしたくはないのではないでしょか。

海族様 数多様
富士重は、事業売却するつもりなんですかね?
確かに、富士重の大株主のトヨタが利益率が低い防衛事業を継続
させるとは思えませんが。。。(汗)
無人機技術と複合材技術は、MHIあたりに売却されるのかな?

飛行機が大好きな技術者の方々が、たくさんいらっしゃるので、
防衛事業も継続してもらいたいと思っているのですが。。。

やん 様
やはり、売却するつもりなのではないでしょうか。
企業としては、儲からなければ続けられませんから。

私は、撤退ではなく、売却なら、いいだろうと思ってます。

なんかこのヘリアメリカB社とユーロのへりをあわせた様なセンスないヘリですね!!
日本独自のアイデアがないんですかね?
自衛隊の技術屋も川崎も富士重もセンスがないね!!

まんぼう 様
固定翼機でも、ジェットが登場するまでは、さして代わり映えのしないデザインでしたから、形態を大きくかえるようなアイデアを盛り込むことは難しいと思われます。
いっそティルトローターという手はありますが……

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