弾道ミサイル等破壊措置の統合任務部隊指揮所は横田
北朝鮮による「衛星」に対して編成された弾道ミサイル等破壊措置のための統合任務部隊ですが、指揮所は、航空総隊司令部の移転に伴い、ギリギリで横田になりました。
「総隊司令部 横田移転を完了 「同盟のシンボル」 日米共催で"同居"祝う」(朝雲新聞12年3月29日)
航空総隊司令部の府中から横田への移動は、今回の「衛星」発射とは関係無く予定されていたものですが、ちょうどギリギリになって間に合った形です。
これで、米軍との共同もスムーズに進むでしょう。
ちなみに、以前の記事「BJOCC」で、今回のニュースで共同調整所と報じられているBJOCC(ビージョック、Bilateral and Jpint Operations Cordination Center、(日米)共同統合運用調整所)での共同のイメージが分かる記事(今回は、航空作戦ではなく、弾道ミサイル対処なので、少し違いますが)を書いているので、ご覧下さい。
今回の破壊措置では、日本としては、米軍が持つ、コブラボールやU-2、オブザベーションアイランド等のミサイル観測支援艦や多数のイージス艦から得られる、広範で詳細な情報が得やすくなるでしょうし、アメリカとすれば、北朝鮮に不意を衝かれ、これらの偵察手段の展開等が間に合わないケースにおいても、FPS-5等の固定レーダーからJADGEを通じてデータが得られます。(米軍の持つ固定的な観測手段は、青森県車力におかれている半固定のFBX-Tくらいしかありません)
日米双方にとって、どれだけの情報が貰えるのか、検証する機会にもなるでしょう。
もっとも、まるで航空総隊の横田移駐に合せたかのようなタイミングなので、沖縄タイムス等が陰謀論を展開するネタになりそうな気もしますが、災いをうまく転じさせて欲しいものです。
オマケとして、以前の記事にも載せた航空総隊司令部の写真を載せておきます。
昨年の横田フレンドシップデーの際、エプロンから撮ったものです。
今回の件で報道された建物全景写真と照合しても、この建物の上部がエプロンから見えていたことが分かります。
防衛ホームより
これで総隊司令部の位置が分かりますが、何のことはない、朝雲新聞の記事では、バッチリ「米空軍374輸送航空団司令部の隣」と書かれていました。
しかし、並んでいるはずの二つの司令部ですが、ナゼ374輸送航空団司令部庁舎が西向き(のはず)なのに、航空総隊司令部が東向きなのかは、謎です。
まあ、総隊とすれば、374輸送航空団とは基地業務以外では縁がなく、5空軍と地下の共同調整所で繋がっていさえすればOKなんでしょうけど……やっぱりカッコ悪い気がします。
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