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2012年4月20日 (金)

「衛星」情報開示不手際から透けて見える日米の不平等_2012北朝鮮「衛星」発射

防衛に絡む情報に関連して、「衛星」発射に伴う情報開示態勢の不手際から読み取れる重要な問題があります。

それは、日米間における情報提供の不平等です。

今回、米側からはDSP衛星を情報ソースとしが早期警戒警報(SEW)は入手できていました。
ですが、その後の事実確認に自衛隊が混乱したことを踏まえれば、それ以外の米軍情報がほとんど入手できていなかったことが分かります。

今回、「衛星」を捕捉していただろう米軍の情報収集手段(レーダー等の航跡として確認できる手段のみ)を列記してみます。
・智異山等にある韓国国内のレーダーサイト
・米イージス艦及び弾道ミサイル観測支援艦(黄海に展開していたかは不明)
・嘉手納から運用されたコブラボール(3機)
嘉手納から運用された国防総省ミサイル防衛局のガルフストリーム・エアロスペースG1159B型機(1機)

これら、全てが捕捉していた訳ではないと思います。
ですが、これら全てが捕捉していなかったとは考えられません。
実際、アメリカは北朝鮮による発射失敗を迅速に公表しているのですから、これらのどれかが捕捉していたことは間違いありません。

そして、それが日本側に提供されていれば、政府が情報の公表に関して失態を演じることもなかったハズです。

国家間の情報交換は、全てバーターで、有用な情報を得るためには、それなりの情報を与えなければなりません。

日本側は、FPS-5等の固定レーダーやイージス艦の情報も、JADGEを通じて米軍に提供しているものと思われます。
しかし、その対価として、SEWしか得られていない可能性が高いでしょう。

日本の情報は、アメリカが持つ、広範で詳細な情報には、到底匹敵しえないでしょう。
ですが、対価がSEWだけだとしたら、あまりにも格差がありすぎます。
もはや、不平等と言っていいレベルでしょう。

日本が独自の情報収集能力を高めることも必要ですが、アメリカに対する交渉能力も高める必要があるのではないでしょうか。

少なくとも、北朝鮮からアメリカに向かうICBMを常時監視できる大湊のFPS-5のデータ等は、SEW以上の価値はあると思います。

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情報・防諜」カテゴリの記事

コメント

このあたりの情報は本当のことを知ってる人は人に言えないでしょうし、知らない人は推測するしかないのですが
米海軍のイージス艦の情報は日本側でも共有されていたのではないでしょうか?

数多様の以前の記事にも引用されている官房長官の会見での『防衛省の出向者が受けた。そしてレーダーを見ていたら(飛翔体が)1分何秒かで消え、「わが国の安全を脅かすような事態はないと判断している」と聞いた。』という話にあった『レーダー』が米海軍のイージス艦の情報だったと私は考えています。

FPS-5の性能は、アメリカMDAの担当官も相当注目している
という記事を、どこかの雑誌で見た記憶があります。

実際に電機メーカーの方も、FPS-5、SM-3、PAC-3のBMD網があれば、
北朝鮮の時代遅れの弾道ミサイル程度であれば、ハエ叩きでハエを
落とすくらい簡単だとおっしゃっていました。
「本当に怖いのは、もっと別の弾道ミサイルだ」ともおっしゃっていましたが、
下名の知識ではサッパリ分かりませんでした。。。

せっかく優秀な装備があるのですから、上手く活用して、その情報を
交渉のエースカードにできる力量が無ければ、税金の無駄遣いです

hiro 様
「衛星」は10分ほどは飛んでいたそうなので、1分あまりしか捕捉できていなかったレーダーは、それは日本のレーダーだろうと思っております。

また、米軍イージスの情報を得ていたというような趣旨の情報もありますが、レーダー航跡情報ではなく、せいぜいが「どのあたりでロストした」というような要約の情報だろうと思います。

でなければ、今回の不手際はマヌケ過ぎます。

また、詳細書けないので申し訳ありませんが、レーダー航跡を得ていたとしたら、何某かのリンクでつながっていたハズですが、リンクで情報を貰えていたとは、思えないです。
私が知っている頃と比べると、米軍・自衛隊の連携は相当強固でしょうから、断言はできませんが。

やん 様
FPS-5の情報は、買い叩かれている状態だと思います。

嫌なのは、中国の弾道ミサイルでしょうね。
特に、FPS-5の警戒方位外から撃たれる可能性のあるJL-1・2の巨浪シリーズは、もし潜水艦に追跡を振り切られると、まずいでしょう。

いろいろな弾道ミサイルがあるんですね!(驚)
潜水艦から弾道ミサイルが打てるとは知りませんでした。

やん 様
中国の弾道ミサイル開発は、歴史が長いですし、軍事に限らず技術力が上がっているので、これからどんどんやっかいになって行くでしょうね……。
日本は、国力全体が上向かないと、じり貧でしょう。

少ない予算をやりくりして、将来警戒管制レーダーの開発等の
努力を行っていますが、まだまだいろいろな脅威に対応する
には不十分ですね。
巡航ミサイルへの対応も遅れているみたいですし。。。

早くデフレを脱却し、税収を増やして、脅威に対応できるだけ
の予算を付けてもらいたいと思います。
安易に増税して、デフレを呼び込んでいる場合ではありません。

>やんさん

>安易に増税して、デフレを呼び込んでいる場合ではありません

現状で問題を先送りしたり、法人税を引き上げたりするよりマシでは?

>メリッサさん

問題の解決方法と優先順位がメチャクチャですよ。

民主党の政策は国外にもバラマキじゃありませんか。これではいくら増税してもムダというものです。

それに中小企業の法人税負担は重くなるのでは?

>メリッサさん

問題の解決方法と優先順位がメチャクチャですよ。

民主党の政策は国外にもバラマキじゃありませんか。これではいくら増税してもムダというものです。

それに中小企業の法人税負担は重くなるのでは?

>メリッサさん
経済論のブログではありませんので差し控えますが、
一言だけ、「デフレ時に増税すると、税収は減ります。」

やん 様
巡航ミサイル対処は、弾道ミサイル対処ほど特殊なものが必要な訳ではないですが、問題は態勢の維持などのソフト面でしょうね。

メリッサ 様
みやとん 様
やん 様
個人的には、累進率を上げて金持ちから取って欲しいです。

数多様
短SAM改IIでは、巡航ミサイルを撃墜する絵が載っていましたが、
眉つばモノだと思っていました(汗)

やん 様
巡航ミサイルは、ほとんど機動しませんし、速度も速くないものが多いので、トラック(捕捉・追随)さえしてしまえば、迎撃自体はそんなに難しくないですね。
その、捕捉のための監視網の構築が大変ですが。

下名まだまだ勉強不足です(汗)

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