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2012年3月13日 (火)

自衛隊施設の防災対策と抗たん化・欺瞞施策

「これって、ありなの?」
Photo
松島基地の変電設備(朝雲新聞より)

と写真を見て考えたのは、自衛隊施設の防災対策と抗たん化・欺瞞施策についてです。

写真の元記事は、震災から1周年で朝雲が載せた次の記事。
3.11被災の自衛隊施設 いまだ癒えぬ傷跡 異なる被害 冠水でダメージ 多賀城駐 松島基地 揺れで倉庫類が損壊 仙台駐」(朝雲新聞12年3月8日)

東日本大震災に伴う津波で、松島基地は、ほぼ全域が水没し、機能が麻痺しました。
電源関係も軒並み被害を受けたようです。
ですから、写真にあるような電源設備の津波を含む防災対策は、必要な措置だと思います。
重要な設備ですから。

ですが、自衛隊にとって重要な設備が、「これがターゲットですよ」と言っているような丸裸な状態でいいんでしょうか。

松島の第4航空団は、戦闘部隊ではなく、飛行教育を行う訓練部隊です。だから、抗たん化や欺瞞施策は必要ないという論理はあるでしょう。
しかし、松島基地は、有事には三沢や百里の代替飛行場になります。敵に狙われる可能性は、当然あるのです。

また、商用電源の受け入れ設備は、商用電源自体が遮断(送電鉄塔の破壊等)される可能性があるのだし、自衛隊は自家発動発電機を備えてるんだから、抗たん化等を考える必要は無いという考え方もあると思います。
しかし、自家発を常続的に運転することは、無理がありますし、効率(燃料確保、コスト両面)もよくありません。

昨年夏には、百里が東電の電力供給制限を受けて、訓練を小松に移転させたことを見ても、空自は電気がないと活動に支障を来たすという証左でしょう。

そのための商用電源の受け入れ設備は、防災対策を施すだけでなく、ある程度の抗たん化と、せめてこれが電源設備だと外見からは判断できない程度の偽装は必要だと思います。

恐らく、写真の設備は、松島の復旧のためについた補正予算での措置なんでしょうけど、もう少しなんとかならないものかと思います。

もっとも、松島だけの状況ではありませんが……

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コメント

まあ・・・件の電源設備も、もっと凝った造りにしたかったかもしれませんが。

あまり特殊な造りにすると仕様が一般的でないモノになり、コストだけでなく、仕様決定などの部内作業も含めて工期が延びる可能性があるので、早急に基地機能を取り戻す必要もあり、津波対策を施した上で通常の造りにしたのかもしれませんね。

また余り変わったことするとスグ会計検査の標的となりますので、そっち方面の方々そういうのを嫌がりますね。 

確かに破壊してくれと言わんばかりですねw
今回は災害復旧・防災目的の予算だったので、軍事的側面は考慮する事は許されなかったのかもしれませんね

海族 様
SUS 様
今回の処置については、補正で早急に処置したから、という事情があるんだろうということは、理解しているつもりです。
自分が担当者であっても、別の処置が出来たかどうかは……

しかし、それなら朝雲に対しても、コソコソして欲しいもんだと思うんですよ。
「これは載せないで下さい!」とか

>コソコソして欲しい・・・

まあその辺が自衛隊内でも温度差が激しい「ミリタリーセンス」の差ではあると思います。

まあ各担当者の方は本当に一生懸命やって・・・電源設備を作り上げたり・・・朝雲にアピールしたんだと思いますが・・・

でも、それってミリタリー組織としてどう? というのは今回だけでなく自衛隊を見回せば結構ありますよね。
ちなみに海自は航空基地で飛行場地区で使う車両類を黄色に塗装しているのは、いつ見ても悩んでしまいます・・・

海族 様
ミリタリーセンスですか。
あるいは常在戦場の危機感とでも言うべきところでしょうか。
おそらく他意はなかったんでしょうね……

確かに、この件だけでなく、同様なモノは多いですね。
黄色の車両は、空自も似たようなものです。
救難ヘリが、つい最近まで黄色でしたから……

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