ブログランキング&ツイッター

  • 軍事・防衛 ブログランキング
  • ツイッター

« これはやってみたい!_陸自高射学校の対空戦闘シミュレータ | トップページ | 先島のPAC-3展開予想地と防護範囲_2012北朝鮮「衛星」発射 »

2012年3月17日 (土)

北朝鮮が4月に予定する弾道ミサイル発射の意味と沖縄の反応

北朝鮮が自称「人工衛星」の発射を予告し、政府が対応策を検討しています。

北朝鮮、「地球観測衛星」の打ち上げ予告 長距離弾道ミサイルか」(産経新聞12年3月16日)
2009年の自称「人工衛星」が光明星2号だったので今回は、光明星3号になるのでしょう。
光明星2号は、北朝鮮が発射成功を報じたにもかかわらず、海没したので、3号も潜水機能を備えているかも知れません……

と冗談はさておき、今回の「光明星3号」の発射等について、ざっと探してみたところ、日本での報道は、今のところ産経が一番詳しいですが、朝鮮日報日本語版が、「衛星」でありながら、射程4000kmと記載するなど、日本語記事としては、一番詳しく報じています。
北朝鮮「打ち上げ」予告 首相「安保理決議違反」」(産経新聞12年3月16日)
ミサイル:北朝鮮が10年かけて建設した東倉里発射台」(朝鮮日報12年3月16日)

両紙の予測情報等を整理してみます。
北朝鮮による発射関連
 ・発射は、西海衛星発射場(北朝鮮呼称、日本では東倉里)
Ws000012
グーグルマップより
 ・飛翔経路は、全羅北道辺山半島の西方約140キロの公海上空を経由して東シナ海を通過、フィリピン東方海上へ
 ・第2段ロケットの落下地点は、2500~3000km離れたフィリピン東方の海上
 ・射程は、4000km(フィリピンのミンダナオ島南東付近)
Ws000014
今回の予想飛翔経路(地図はグーグルより)

日本の対応関連
 ・首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置
 ・田中防衛相は、情報収集と警戒監視に万全を期すよう指示
 ・当面は海上自衛隊のEP3など電子偵察機による情報収集を強化
 ・政府は「弾道ミサイル等に対する破壊措置」命令を検討(イージス&PAC-3)

産経は、今回の発射について

日米韓をそろって牽制(けんせい)する意味合いが強いという。

と報じています。

ですが、発射場が、燃料注入設備等が自動化・地下化されておらず、情報の秘匿が困難な舞水端里ではなく、設備が自動化・地下化され、北朝鮮側からアナウンスしなければ、4月の発射について、まだ発射兆候が補足されなかった可能性も高いにもかかわらず、現時点で北朝鮮側がアナウンスを行った理由と、朝鮮日報が報じる発射諸元を考えると、北朝鮮の意図はアメリカへの恫喝だと思われます。

なお、2009年の発射時には、舞水端里で発射準備を行い、アメリカの補足されニュースになったため、北朝鮮は慌ててアナウンスを行っています。
北朝鮮が弾道ミサイル発射を「予告」…テポドン2号か」(読売新聞09年2月16日)

北朝鮮の意図を、単なる牽制ではなく、アメリカへの明確な恫喝だと考える点は次の通りです。
・今積極的にアナウンスをすることで、アメリカは万全の観測態勢がとれることから、北朝鮮は、能力の秘匿よりも誇示を意図
・射程4000kmは、グアム攻撃を可能とする飛距離
Ws000016
今回の予想飛翔経路とグアムの位置関係

2009年の発射でも、飛翔体は3200km程度飛翔されたと見られていますが、これがアメリカへの恫喝となるためには、飛翔距離だけではなく、核を搭載できるだけのペイロード(搭載重量)がなければ意味がありません。
今回は、アメリカに観測させることにより、グアムに到達可能な飛翔距離と核を搭載可能なペイロード(落下時の速度減速の観測により推定可能)を見せつけるつもりなのだろうと思われます。
おそらくミンダナオ島南東付近には、オブザベーション・アイランド等のミサイル観測支援艦か、イージスが展開して観測態勢を敷くことになるでしょう。

また、今回、MD迎撃(弾道ミサイル等に対する破壊措置)により、PAC-3による迎撃も検討される可能性がありますが、飛翔経路を考えると、対象地域は沖縄・那覇になります。
沖縄(県民とメディア)がどんな反応を示すのか、楽しみです。
自衛隊の行動に反対するのか、自分達の安全確保を主張するのか……、在沖メディアは苦悩するでしょうね。
今のところは、北朝鮮によるアナウンスの事実報道のみのようです。

なお、産経は長距離弾道ミサイルかと報じていますが、射程4000kmは、中距離弾道ミサイルです。

« これはやってみたい!_陸自高射学校の対空戦闘シミュレータ | トップページ | 先島のPAC-3展開予想地と防護範囲_2012北朝鮮「衛星」発射 »

MD」カテゴリの記事

コメント

4000kmは2段目のロケットで、3段目はもっと遠くへ届きますよ。

私もアメリカへの恫喝だと思いました。麻生首相時代にも北朝鮮から中距離ミサイルが放たれました。
アメリカ本土への到達はまず不可能ですのでおそらくハワイあたりを目指したつもりなのでしょうけど
距離的には無理でしたね。

そして今度は距離的に近そうなグアムを狙えるということを示したいのでしょう。
MDの良い訓練になるので自衛隊の方にはぜひ頑張っていただきたいところです。

野田さん、支持率上げたかったら、
撃ち落としちゃえば良いんじゃないんでしょうか?

目的は十中八九アメリカへの恫喝で間違いないでしょう。ついでに言えば、若すぎる新指導者の実力の誇示も含まれるのでは、とも思います。
件のミサイル(ロケット?)は沖縄付近を飛んでいくようですね。在日米軍も動くのでしょうか。以前読んだ本の中で、沖縄にはPAC-3が比較的集中しているとありましたので、動くとすれば心強いのでは、と思います。沖縄のメディアの方々には皮肉な話でしょうけど。

名無し 様
数字については、報道を前提に書いています。
機密情報にアクセスできないいちブロガーとしては、ロケットの性能に言及することは無理ですから。

ナオ 様
北朝鮮とすれば、いずれは大陸間弾道弾にしたいんでしょうね。

命令が出ること自体は間違いなさそうですから、自衛隊には頑張って欲しいモノですね。

イヌザメ 様
さすがにそれは……。
自民にも無理でしょう。

啄木鳥 様
金正恩とすれば、強硬姿勢で誇示したいんでしょうね。
若さ故という点は、確かにあるかもしれませんね。

嘉手納にはPAC-3がありますが、政府とすれば、動かさないように米国と調整するのではないでしょうか。
法的には、迎撃を依頼する方法もあると思いますが、沖縄の米軍はいろいろと機微ですから。

>数字については、報道を前提に書いています。
>機密情報にアクセスできないいちブロガーとしては、ロケットの性能に言及することは無理ですから。

いえ機密でも何でもありません、その報道の4000kmとは「第二段が落下する海域」であって、射程ではないんです。テポドン2号改は6000~8000km飛ぶと推定されています。あと、弾道ミサイルとして発射した軌道と宇宙ロケットとして発射した軌道は別物です。宇宙ロケットは弾道飛行しません。

名無し 様
本当に朝鮮日報の記事を見てますか?
同記事では、第2段ロケットの落下地点を「およそ2500-3000キロ離れたフィリピン東方の海上」と書いてます。

勉強になりました。いろいろ教えて下さい

たかウッズ 様
これからも覗きに来て下さい。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 北朝鮮が4月に予定する弾道ミサイル発射の意味と沖縄の反応:

« これはやってみたい!_陸自高射学校の対空戦闘シミュレータ | トップページ | 先島のPAC-3展開予想地と防護範囲_2012北朝鮮「衛星」発射 »

アマゾン

  • 航空自衛隊 副官 怜於奈3
  • ルーシ・コネクション 青年外交官 芦沢行人
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈2
  • 機巧のテロリスト
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈
  • 北方領土秘録 外交という名の戦場
  • 深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃 (文庫)
  • 半島へ 陸自山岳連隊
  • 黎明の笛 陸自特殊部隊「竹島」奪還 (文庫)
  • 深淵の覇者

最近のトラックバック

ブックマーク、RSS