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2012年3月24日 (土)

「衛星」による被害_2012北朝鮮「衛星」発射

脅威を煽るような内容になってしまうため気が引けるのですが、北朝鮮が予告した光明星3号(のロケット)が落下し、日本(沖縄)に被害をあたえる場合の可能性と被害について書いてみます。

北朝鮮「衛星」:破壊命令を検討 PAC3、イージス艦で」(毎日新聞12年3月19日)
まず、何が落ちてくるのかですが、この毎日の記事に掲載された図表では、「トラブルで部品などが落下」と書かれており、一部の部品しか落ちないような印象を与えますが、実際には、第2段ロケット以上の部分の全てに、落下の可能性があります。

というか、むしろ落下するとしたら、第2段ロケット以上の部分が、全て落ちてくるでしょう。
それは、先島付近に落下するとしたら、何らかの原因で、第2段ロケットの燃焼中に燃焼が止まった場合だからです。
ただし、ロケットが予定軌道を外れた場合は、通常であれば指令爆破されるため、第2段以上が一つにまとまったまま落下してくる可能性は高くありません。指令爆破さえ受け付けない場合は、そうなります。その場合でも、空気との摩擦で分離する可能性が高いですが。

そして落下が起った際、何が怖いかと言えば、それはロケット本体ではなく、燃焼が止まったため、ロケット本体内に残った燃料です。

先島に落下する場合、第2段ロケット内の燃料は、半分程度は使用済みとなっているはずです。
それは、国際民間航空機関(ICAO)や国際海事機関(IMO)に通報した資料によると、第1段が韓国西方に、第2段がフィリピン東方に落下することになっているためです。
韓国・フィリピン沖に落下予測 北朝鮮ロケット」(朝日新聞12年3月19日)
また、ロケットが3段式の場合、3段目の燃料も、また同様に落下してくる可能性があります。
ただし、前述のとおり、通常は指令爆破されるので、燃料が落下してくる可能性は、決して高くありません。ですが、前回の「衛星」も北朝鮮が意図したとおりには飛びませんでしたから、今回だって怪しいモノです。

さて、その燃料が落下するとなぜ危険なのかと言えば、可燃性の高い燃料が火災を起こすことは勿論ですが、北朝鮮のロケットが、燃料として毒性の強い非対象ジメチルヒドラジンを使用していると見られているからです。
これは、日本のH2などと異なり、北朝鮮のロケットが、基本的に弾道ミサイル用であるため、ロケット内に燃料を注入したまま保存できる必要があるからです。

ただし、前回2009年のミサイル騒ぎの後、軍事評論家の野木恵一氏は、軍事研究誌2009年6月号において、ロケットの炎が明るいオレンジ色だったことから、燃料はヒドラジン系ではなく、ケロシン(灯油)とガソリンの混合物ではないかと分析しています。

このように、燃料については異論もありますが、ここではまだ一般的にはヒドラジンが定説ですので、ヒドラジンを前提に書きます。

さて、その非対象ジメチルヒドラジンですが、化学に明るい方は、次に張ったリンクを見て下さい。
非対象ジメチルヒドラジン(1,1-ジメチルヒドラン)

そうでない方(私もですが)用に説明すると、毒性の強い燃料であるため、アメリカ同時多発テロ事件の際、旅客機が突っ込んだワールドトレードセンターの被害とサリンを撒かれた地下鉄の被害が重複して発生すると思えば、一番近いと思われます。

被害想定としては、2009年の弾道ミサイル騒ぎの際、FNNが政府による被害予測(政府による公式発表は無かったと思うので真偽不明)を報じているので、そちらが参考になります。
既にネットからも記事は消えていますが、ネット間で転載されていた記事の一部を転載すると次の通りです。

政府は最悪の状況を考え、ある政府機関にシミュレートさせていた。
それは、ミサイルの2段目、3段目が日本国内に落下した場合の影響予測だった。
まず、ミサイルの2段目が燃料を満載の状態で地表にしたときの物理的な影響。
爆発ととともに生じる炎の影響で、半径およそ700メートルの範囲で家屋や人体に影響が及び、さらに爆風や破片などの影響は半径900メートルにも及ぶとしている。
岡部氏は「ここで忘れてならないのは、非対称ジメチルヒドラジンという非常に毒性の強い物質です。これが地面の近くで拡散した場合が怖いんです」と語った。
分析によると、30分以内に救出されないと、有毒ガスにより元の健康状態に戻れない危険な範囲は、中心からおよそ900メートル。
さらに、30分以上吸い込んだ場合に健康被害が生じる有毒ガスの影響範囲は、半径9kmにも及ぶとしている。
そうした墜落の危険について、今回の分析では「非常に低い」としている。
しかし、中国で1996年2月、ロケット「長征」が打ち上げ直後、コントロールを失い、市街地に落下した。
犠牲者の数は500人ともいわれ、宇宙開発史上、最悪の事故となった。
この時、長征に積まれていた燃料が、非対称ジメチルヒドラジンとみられている。


2段目の燃料が満載状態での被害予測なので、今回もそこまでは行かないハズではありますが、有毒ガスによる健康被害は、最悪9kmもの範囲に被害が及ぶとの分析ですから、甘く見ることはできません。

前述のように発射に失敗しても、北朝鮮が指令爆破させれば、このヒドラジンは宇宙空間で拡散して被害がでる可能性は低いと思われます。
ですが、指令爆破に失敗すれば、イージスのSM-3、あるいはパトリオットPAC-3によって、破壊拡散させなければ、地上に甚大な被害が及ぶ可能性があります。

政府が検討する弾道ミサイル等の破壊措置命令は、先島の人々にとって必要な処置です。

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コメント

そのような脅威があるとは想像していませんでした(汗)
バラバラになった第二段ロケットの落下物を危惧していました。
PAC-3は、そのような落下物を想定してないですよね(汗)

ケロシンであれば、通常の航空燃料だと記憶していますので、
問題は無いと思いますが、有毒性の高い化学物質であれば、
心配ですね。
しかし、残念な在沖マスコミは、その事実を隠してしまうので
しょうね(苦笑)
今回は、北○鮮の発射実験の成功を祈るしかないのでしょうね。
うーむ。。。 複雑です。

やん 様
PAC-3は相対速度も高いですし、直撃する重量もあるので、破片に関しても、迎撃する意義はあると思います。

沖縄の手前で落ちるか、飛び越してから落ちてくれればOKかと。

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