沖縄防衛局長の「講話」について
沖縄防衛局長が宜野湾市長選に向けて「講話」を行った問題について、思うところがあったので書いてみます。
事案の概要としては、親族を含めて職員のリストを作り、そのリストを対象者として立候補者予定者の名前と主張について「講話」し、選挙に行くよう呼び掛けたとのこと。
以前の記事「参院選総評」で書いた通り、(航空)自衛隊では、選挙前になると、教育(ミーティング)が行われることは良くありましたが、リストを作って特定隊員に対してだけ教育を行うようなことは聞いたこともありません。
教育内容についても、菓子折をもらってはいけないとか、とにかく「政治に関わるな」というスタンスの教育で、候補者の名前や主張に言及するようなことはありませんでした。ただし、選挙には行くようには指導してましたけど。
そのため、今回の事案は、「考えられない」、というのが正直な所です。
内局と制服には、文化の違いがあることは確かなのですが、上記のような「政治に関わるな」という教育を行っていた理由も、そもそも内局から「政治に関わらせるな」という通達が出ていたからです。
ですから、真部局長は否定していますが、今回の事案には、防衛省・自衛隊外からの関与があったのではないか……という邪推をしてしまうのです。
一報を聞いたときは、まさにそう思いました。
民主党政権になってから、非常に自衛官の思想的締め付けを行っていたことも、そう思った背景になってます。政権が、自衛官の(政治)思想を統制することに違和感がなくなっているのではないか……と。
真部局長を更迭していない理由は、いろいろと言われてますが、ケツまくられるのが怖いだけなのではないのか……と思えてなりません。
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コメント
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下名、新聞やニュースをよく読んでないのかも知れませんが、
何が問題なのか分かりません。。。。(汗)
特定候補者への投票を呼び掛けたのであれば、問題なのですが、
それも無いようです。 また宜野湾市の投票権を持つ人のリスト
を作ったということも、投票権を持たない人に講和をしても無駄
ですから、当然のような気がします。
候補者二人とも、基地の県外移設を主張しています。。。
選挙へ行こうと呼び掛けることが、何故問題になるのか分かり
ません。。(汗)
投稿: やん | 2012年2月 9日 (木) 01時01分
う~ん…正直私も、ニュースになること自体に驚きを感じましたね。
自衛隊で、講話対象者のリスト作るのも普通だし、選挙啓発も普通だし……
ひょっとして、これって自衛官の中だけの常識なんですかねぇ。
投稿: アルフォンス | 2012年2月 9日 (木) 22時49分
やん 様
今回の事象で特異なのは、投票権を持つ親族がいるかどうかをリストアップしたことではないでしょうか。
現地採用の職員が多い沖縄防衛局ならではの事例でしょうね。
アルフォンス 様
海自の場合、親族を含めてリストを作っているのでしょうか。
空自の場合は、あくまで全体の集合教育で、隊員の住所を含めてリスト化はしていた事例は私は知りません。
あくまで、私が知り得た範囲ですけど。
投稿: 数多久遠 | 2012年2月11日 (土) 21時35分
数多様
親族含めたリストとなると、地方選の場合、部隊によりけりなんじゃないでしょうか。
あまり詳しく言うと差し障りがあるほど、問題化してしまいましたので、詳細は述べませんが、珍しい話ではないと感じました。
幹部自衛官だと、全国に転勤しますし、地方選の場合、選挙権がなかったり、単身赴任だったりと、選挙啓発の講話対象として無意味な場合もあるし、そういう意図以上のものはなかったんじゃないかな、というのが、私の感想です。
投稿: アルフォンス | 2012年2月12日 (日) 22時02分
数多様
なるほど。 親族のことまで調査するというのは行き過ぎで
あったということですネ。
現在の報道の仕方は、何かとんでもないことをやらかしたと
いう感じになっていますね。
投稿: やん | 2012年2月13日 (月) 23時35分
アルフォンス 様
そうでしたか。
海空で、大分差がありますね。
言いにくいこと聞いてしまい、申し訳ありません。
やん 様
騒ぎ始めたのが沖縄メディアでしたし……
投稿: 数多久遠 | 2012年2月14日 (火) 21時18分
少なくとも、特定の政治目的や政治家を当選させるために、「講話」をしたり、対象を「リスト化」することは海空自衛隊はしてないと思います・・・(陸はちょっと・・怪しい)
かつては、地方自治体や地元の選挙管理委員会から・・、あからさまに「投票率」向上のために協力を求められ、そして選挙に行っていない隊員の情報が流れた来たといいます(都市伝説かも)・・・もっとも現在では絶対有り得ない話で有りますが・・・
今回の一件で、自衛隊で選挙の話を出すこと自体が禁句になるような気がしてしょうがないです。
投稿: 海族 | 2012年2月14日 (火) 22時18分
海族 様
陸はちょっと怪しいですか……
まあ、そう言う雰囲気はありますよね。
選挙管理委員会から協力を求められたという話は知りませんでしたが、小さい町だと自衛隊票の取り合いは熾烈なので、首長選などで、相当圧力があったケースは耳にしたことはあります。
これからは、選挙がタブー化しそうですね。
OB議員の送り込みもむずかしくなってしまうんでしょうか。
投稿: 数多久遠 | 2012年2月17日 (金) 21時56分
コメント欄の流れだと、誤解を受けるやも、と思い、蛇足ではありますが、補足致します。
海族様がおっしゃるように、自衛隊で特定の政治目的や政治家を当選させるために、講話するということはあり得ません。
ですが、選挙啓発のため、(投票率向上や、親族を含めて選挙違反に巻き込まれないように)訓育の一環として、講話などをすることは珍しくないという主旨であります。
今回の件を問題化することに何らかの政治的意図があるように感じてなりません。
投稿: アルフォンス | 2012年2月19日 (日) 10時25分
アルフォンス 様
選挙啓発の件、やはり、そうですよね。
指摘したのが共産党ですから、調査隊(当時)の件を指摘したように、防衛省・自衛隊が違法行為を行っていると、難癖つけたいだけなのでしょう。
沖縄でなければ、それほど大きなニュースにならなかった事案なんでしょうね。
投稿: 数多久遠 | 2012年2月19日 (日) 20時40分