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2012年2月 5日 (日)

琉球新報が誤ったオスプレイ欠陥機キャンペーン

琉球新報が、またぞろオスプレイ欠陥機キャンペーンを展開しました。

パイロット発言に基づく事実報道
オスプレイ緊急着陸 固定翼のみ 米軍操縦士が説明」(琉球新報12年1月21日)

前日の事実報道を受けての可能性の指摘報道
オスプレイ 緊急着陸時、回転翼飛散の恐れ」(琉球新報12年1月21日)

可能性を人命軽視として社説掲載
オスプレイ 欠陥機容認は人命軽視だ」(琉球新報12年1月21日)

キャンペーンの展開は、事実報道→可能性の指摘→反対社説の掲載、となかなか良く考えられています。(誉めてません)

キャンペーンの趣旨は、オスプレイのエンジン停止した際の緊急着陸が固定翼モードでの滑空となるため、その際に地面を打った回転翼が離脱し、基地周辺に飛散するのではないか、とするものです。

エンジン停止した際の回転翼モードでのオートローテーション機能が無いことにも言及してますが、記事は、ここにはフォーカスしてません。
回転翼でのオートローテーションより、固定翼での滑空の方が安全だということくらいは認識しており、下手なキャンペーンは、むしろ私のような者から叩かれるだけだと言うことを認識しているのかもしれません。

話を戻します。
オスプレイは、固定翼モードでは、ローター下端が、機体下面よりも、かなり下になります。
M133608076
Navair_aerial_41_375x300
共に、ボーイング社V-22ページより
固定翼モードで滑空着陸すれば、当然ローターが地面と接触してしまう訳です。琉球新報の記者は、ギアが出ない状態で着陸したプロペラ機のペラが、地面を激しく叩くような状態を想定したのでしょう。
その際に、ローターが離脱するように設計されているとなれば、ローターブレードが遠心力で基地外に飛散するかも、と考えたのだろうと思われます。

と言う訳で、記事は、一見「確かに危険かも」と思われる書きぶりになってます。
ですが、これは杞憂というよりも、ただの無知による誤解、あるいは悪意による曲解です。

固定翼機がエンジン停止で着陸する際、プロペラは、通常、空気抵抗を少なくするため、プロペラの翼面を進行方向と同方向(プロペラ回転面に垂直)にするフェザー状態にします。
フェザー状態にすると、プロペラの翼面は揚力を発生しないので、回転は停止するか、非常にゆっくりと回る状態になります。
一部エンジンが故障した状態のプロペラ機の写真で、故障したプロペラが停止したように写っているのは、故障しただけではなく、フェザー状態にしたからです。

オスプレイがエンジン停止し、固定翼モードで滑空する際も、当然そうするでしょう。
回転していないローターが地面を打って、プロペラから離脱しても、せいぜい数十m程度しか飛散しないと思われます。
当然、その程度であれば基地内です。

琉球新報の記者は、知ってか知らずか、この点を、間違った認識で記事を書いたようです。

一方で、通常反オスプレイネタがあれば追従するはずの沖縄タイムスは、この件に対しては沈黙しています。
琉球新報の記事が、間違っていると認識していたからかもしれません。

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在日米軍」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰しております、

回転翼飛散の件についてですが、下の動画にオスプレイ試作機が墜落し、ブレードが地面を叩く様子が映っています。

http://www.youtube.com/watch?v=hn-Ssbs0x3g&feature=player_embedded

これを見ると
11秒頃-左の回転翼が地面を叩き破片がパラパラと飛び散るものの機体の近傍に落下。
16秒頃-右の回転翼が接地するが、破断したブレードらしいものが飛び散る様子はなし。

そして
http://bellhelicopter.com/MungoBlobs/212/888/V-22%2021010%20Guidebook.pdf
の52ページ目
The proprotors are designed to fray or “broomstraw” rather than splinter on impact with the ground.

回転翼が地面を叩いても箒のようにばらけるだけで、破片が飛散しないとの事です(乗員や地上クルーの安全を考慮?)。従って上の琉球新報の記事は誤報と言ってよいでしょう。

最近・・ふと疑問に思うんですが・・・普天間基地は本当に世界一危険なんでしょうか・・・

基地の近接に人口密集地帯が有るというのが論拠ではあるんですが、そんな自衛隊の航空機の基地なんていくらでもあるような・・・(基地警備で悩みの元になるフェンス外に並ぶ民間住居は幾らでも)

またオスプレイの配備に反対するのは良いのですが・・・現行のCHー46の老朽は・・・

この手のマスコミにありがちですが、事実はどうでも良く、
少しでも文句が言えれば良いと考えます。

海族様のおっしゃる通り、老朽化したCH-46を飛ばす方が、
よほど危険だと思います。
46が墜落したら、「こんな老朽化した機体を飛ばしていた!」
と騒ぎ立てるでしょう。

レベルの低い三流紙の記事には、毎回笑わせてもらってます(嗤)

日本の安全保障の要とも言える沖縄県に、琉球新報のような、こんな欠陥報道機関が存在してよいものだろうか?

正直、この手の新聞記事には辟易してます。確たる検証もなしによくこんな記事が書けたものです。沖縄のジャーナリストは、ただ反対すれば良いとでも思っていらっしゃるんでしょうか?

matsuzay 様
紹介して頂いた動画(配線ミスで落ちた最初の墜落時の動画ですね)を見ると、例え地面を叩いても、大して飛散しないことは一目瞭然ですね。
やはり、意図的な誤報だと思います。

海族 様
普天間並に住宅地が隣接している基地は、それこそいくらでもあると思います。
問題は、沖縄の方が、普天間だけが危険だと思わされていることだろうと思います。

CH-46は、自衛隊が米軍より先に退役させたレアケースですからね。

やん 様
おっさん 様
啄木鳥 様
これが、沖縄メディアですから……
地元2紙の売り上げが下がらないと、沖縄の世論がまともになることも難しいでしょうね。


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