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2012年1月11日 (水)

書評「ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり」

自衛隊関係の小説をネットで漁っていると、度々ヒットしたのがこの本(シリーズ)です。



ヒット率が高いので、以前から気になってはいたのですが、解説などを見ると異世界ファンタジーもののライトノベルと言った感じで、ちょっと手を出すには至らずにおりました。

ですが、「自衛官が書いた自衛隊が出てくる作品だし、まあ一巻くらいは読んでみるか」と思って手をだしたのですが、結果、4巻まで一気に読んでしまいました。
(最近になって、最終刊となる5巻が出たようですが、未読です)

ジャンルとしては、印象どおり異世界ファンタジーもののライトノベルです。主人公は、青年と中年の中間と言った年齢設定ですけど。

内容は、銀座に異世界への「門」が突如として現れ、そこから出現した軍勢を撃退、門の向こう側を確保した自衛隊が異世界で奮闘するというものです。
タイムスリップものSFだった「戦国自衛隊」のファンタジーバージョンと言ったところでしょうか。

さて、なぜこの本を紹介したかと言いますと、本書に描かれている自衛官(の考え方)が、非常に”自衛官らしい”からです。
冒険活劇的ファンタジーなので、戦闘能力はちょっと過剰に書かれてる気もしますが……

自衛官が”自衛官らしい”小説は、他にもあると思う方も多いと思います(浅田次郎の「歩兵の本領」とかは、別として)が、それらの多くは、ステロタイプな自衛官然とした自衛官であって、本当の自衛官像とは、結構異なります。
もっと明確に言えば、それらは”一般の方がイメージする自衛官らしい”自衛官です。

その点、本書の自衛官は、かなり自衛官臭い自衛官です。
それは、前述のとおり、おそらく本書の筆者が、実際に自衛官だったからでしょう。
また、異世界に放り込まれた自衛官が、周囲の状況が分からない中、行動規範を「意図的に」自分達の慣れ親しんだ行動規範にそって行動しようとしていることから、尚のこと強く印象付けられているのかもしれません。

という理屈はさておき、タイムスリップもののSFでも無い限りは、自衛隊が活躍する創作作品が、なかなか作り得ない中で(その点、世界中で暴れ回っている米軍であれば、いくらでも創作できるんでしょうけど)、自衛隊が痛快に暴れ回る小説を読みたい方には、お勧めできる作品です。

ただし、フリルだらけの女の子とかまで出てくる小説に抵抗がなければ、……ですが。

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コメント

これはなかなか面白い小説ですよ。

可能なら婦人自衛官の方ももう少し描写していただければ、とは思いますが--。(今まで婦人自衛官の活躍するのは読んだ事がありません。パイロットなどは少し違うとおもいますので---)

戦闘能力に関しては、こんなもんじゃないか、と思います。
というのも、火薬以前の戦闘距離(範囲)はかなり狭いですから、砲撃だけでも戦闘範囲をカバーする事が可能でしょう。
また、有刺鉄線を張り巡らせるだけでも、馬や歩兵の行動力をかなり削ぐ事が出来るでしょう。
それに、中世以前(というより塹壕戦以前)の戦闘では、ほとんど数日でかたがつくようなものですから、よほど相手が怪獣や魔法使い出ない限りコレで良いのじゃないでしょうか。

読んではずれはない。と私も思います。

みやとん 様
読まれた方もいらっしゃったみたいですね。

有刺鉄線うんぬんとかは、わたしも違和感を感じている部分ではありません。

ただ、期待感をもっていただいている女性自衛官の活躍が、銃剣格闘での奮闘だったりするので、その当たりがちょっと書き過ぎかなと思ってたりします。
あれって、相当に体力勝負ですから。

あれはライトノベルでは定番でしょう。

強い(というか強過ぎる)女性が出てくるのは、ラノべで猫耳やメイドが出てくるのより多いでしょう。

みやとん 様
確かにそうですね。
体力がない技巧派、とかにしてくれると、リアリティは増すんですが。

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