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2012年1月22日 (日)

総額3億円の小型衛星_防衛省も検討してみたら?

総額3億円の小型衛星が打ち上げられるそうです。
最先端の衛星は「ヘリ感覚」で 大学発VBが任務絞り小型化 総額3億円で9月打ち上げ」(日経新聞12年1月17日)

 大きさわずか27センチメートル四方、重さ10キログラム。北極海周辺を漂う海氷の観測に、任務を特化した衛星だ。重さ1トンを超す大型衛星に比べれば、撮影画像の鮮明さは劣るが、海氷を観測するだけなら十分な性能だ。


24年度政府予算案における防衛省の宇宙・情報通信関連事業費は、Xバンド衛星通信の整備・運営事業(1,224億円)を含め、総額1908億円です。

まだまだ決して大規模に宇宙利用をしている訳ではない自衛隊でも、年間1900億を使っています。

前記記事のように、機能は限られるとしても総額3億円で運用できるとすれば、小型特定機能衛生は十分に検討すべき衛星利用形態ではないでしょうか。

解像度が低くても利用価値のありそうな情報としては、海表面の温度測定とかがありそうです。

それに1基3億なら、日本が独自に早期警戒衛星を持つことも、それほど困難ではなくなってくる可能性があります。
これに関しては、以前の記事「日本独自の早期警戒衛星は不要だ!」で、日本が独自に早期警戒衛星を持つことに、主としてコスト面から反対しました。
ですが、弾道ミサイルの赤外線を検知して警報を出すだけなら、センサー機能は大したことないのですから、今回紹介したような小型衛星でも載せられる可能性があります。
そうなると、仮に北朝鮮の監視に10基が必要だとしても30億で実現できることになります。
全世界をカバーする米軍STSSからの情報を貰うよりも、むしろ安く(直接に金を要求されはしていないでしょうが、「タダより高いものはない」状態です)つきそうです。

防衛省も、採用を検討してみては?

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情報・防諜」カテゴリの記事

コメント

日本が独自に早期警戒衛星を保有するとなると、米国の逆鱗に
触れることになりませんか?(汗)

保守系の方々が目指す真の独立国家になる為には、ぜひとも
必要なことなのですが、まだまだ時間が掛かりそうです。

XF-5も米国に気を遣って、推力を押さえていますし(汗)

 国家としてのプレゼンスを考えた場合、情報収集機能を他国に頼るべきではありません。
 情報収集を他国に依存すると言うことは、その情報に基づいた自国の判断を他国に依存すると言うことに他ならず、つまりは単なる属国に等しく見られてしまうと言うことです。イランの核開発問題で日本がお呼び出ないのは何故か、ドイツがP5に伍してプレイヤー足りえるのは何故かを見ても明らかです。国際社会で国家としてプレゼンスを求めるのなら、自力の情報収集は不可欠なのです。
 そしてこの情報収集機能の費用対効果は非常に見えにくいもので、安易に目先のコストだけ見て判断すべきではありません。早期警戒衛星があれば、早期に情報を把握できる優位は勿論、その情報を他国に提供することで他国への影響力を保有することも可能となります。日本は自国の技術優位分野を活用すべきです。

やん 様
アメリカとして、早期警戒衛星の共同運用を持ちかけてきている状態ではないですから、逆鱗に触れるってことはないと思います。
日本が対米での運用を考えいる訳ではないことも重々分かっているでしょうし。

XF-5も、アメリカに気を使った訳ではないと思っています。
エンジンは、一筋縄にはいきませんよ。

だ 様
早期警戒衛星は、情報収集としては、ほぼ使えません。
一方で、今回の低価格衛星は、一般的な情報収集用途としては能力が低すぎます。

情報収集用としては、情報収集衛星の能力向上と追加打ち上げをして行くしかないと思います。

数多様
IHIの技術者の方に聞いたことがあるのですが、推力10トンまでなら
予算を付けてくれれば、完成させる自信があるとおっしゃっていました。
それを、5トンに抑えているということは、やはり米国に気を遣っている
のかと邪推しています。

確かにエンジンは、一筋縄ではいかないのですが。。。。。
しかも、もの凄い予算が掛かりそうですし。。。。

近ごろは複数衛星による機能分散型システムなども研究が進んでいるようです。
またコストを下げるための空中発射システムなども検討されています。もし本格的な開発が始まれば、F-15が発射母体として候補の1つに上がるでしょうから、防衛省が利用だけでなく開発でも協力する展開もあるかもしれませんね。
いずれにせよマイクロ衛星はなかなか夢のある分野です。

もっとも現状でいえば、打ち上げ手段が海外の安いロケット(特に弾道ミサイル転用モノ)にほぼ限られてしまうのが残念なところですが。H-2Aへの便乗でもいけますが、軌道と打ち上げ時期の選択自由度が狭まるのが欠点です。


>やん様

米国に気を使わなければ10t用エンジンの開発予算がつくほど財務に余裕ありましたっけ?

数多久遠 様
 情報収集衛星が扱うような諜報を念頭に「情報収集」と書いたつもりはなく、漠然と、より広い意味での情報を指すつもりで「情報収集」と書いたつもりだったのですが、伝わらなかったようです。C3Iで必要になるような警戒情報も念頭においていたのですが、・・・適切な言葉が思い浮かばずスミマセン。

やん 様
事情は知らないのですが、防衛省サイドで、信頼性等の観点から、冒険はしなかった、というところじゃないかな~、と思っております。
技術開発では、あってしかるべきだと思いますが、自衛隊の場合、「できなかった」は許されませんから。

名無し 様
空中発射システムがコスト削減に繋がるのか否かについては、私は正直なところ懐疑的です。
衛星攻撃衛星のように、発射地点を随時変更したいという事情でもなければ、戦闘機側にも対応システムを改造したりしなければなりませんから、通常の衛星であれば、普通にロケットで打ち上げた方が安いのではないでしょうか。

もし、コスト的に見合うのであれば、NASDAがF-15を運用する、なんて時代も来るかも知れませんね。

だ 様
誤解して申し訳ありません。
例えば、北朝鮮から出航する、全船舶の監視とかは、やってゆくべきでしょうね。

名無し様
おっしゃる通り、予算に余裕はありませんが、10トンクラスの
エンジンの開発が可能になれば、将来的に旅客機向けに
大量の受注が期待できます。 (F-2の複合材料のように)
そうなれば、税金収入が増加が期待できます。
したがって多少の困難があっても、新技術の開発は継続的
に行っていかなければならないと思います。

数多様
やはり、ここでも失敗に対する寛容性を持たなければ、最先端
の技術開発が不可能となります。

やん 様
おっしゃるとおり、失敗に対する寛容性は、開発案件では必須なはずなんですが、残念ながら自衛隊にそれは皆無です……
お役所体質と言ってもいいかと思います。

突き上げるジャーナリストとかもいますし……

数多様
やたらと最初から失敗だと決めつける、ジャーナリスト
がいますしねぇ~ 

やん 様
誰とは言えませんが、確かにいますね。

詳細を忘れてしまったので、アレなんですが…
防衛省でも、技本研究で、極超低軌道衛星の研究っていう、廉価衛星の研究やってたと思いますよ。
まぁ、装備化するかどうかは別として、そういう方面に全くアンテナ張ってないってことはないと思います。

アルフォンス 様
極超低軌道というと、返回式衛星の高級版って感じでしょうか。
技本も、いろいろと、手は伸ばしてるんですね。

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