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2011年12月25日 (日)

管制官の指示は不適切ではなかったのか?_那覇のF-15滑走路逸脱事故

既にブログ「北大路機関」様が、「F-15戦闘機那覇空港滑走路逸脱事案、管制官の判断ミスが原因?」と題して、同種の記事をアップされてますが、こちらでも取り上げてみます。

今月19日、スクランブル発進しようとした2機のF-15の内の1機(ウイングマン)が、離陸を中止した際、滑走路右の緑地帯に逸脱し、ランウェイが閉鎖となりました。
この際、先に滑走していたリーダー機は、離陸完了しています。

逸脱事故の直接の原因は、離陸を中止しようとした際、パイロットが誤ってエンジンを停止させてしまい、油圧を失ったF-15が方向制御不能となって緑地帯に逸脱したようです。
F15逸脱:原因は操作ミス」(沖縄タイムス11年12月21日)

 航空自衛隊那覇基地は、原因は操縦士の操作ミスとする調査結果を発表した。事故機は、領空侵犯対応の緊急発進(スクランブル)のため先行機に続いて離陸する途中、那覇空港の管制官からの指示を受け離陸を中止した。その際に操縦士の2等空尉(28)が推力を落とそうと誤ってエンジンを停止させたのが事故の原因とされた。

 通常はエンジンを切らずに機体を制動して滑走路を離れるが、エンジンを切ったため電源が失われ油圧系統も働かなくなり、方向制御できず滑走路脇の草地に乗り上げたという。

(一部略)

直接的な原因は、確かにパイロットのミスなんでしょう。
緑地帯に突っ込んで、急激な制動がかかったとは言え、オーバーランエリアに入るでもなく、滑走路脇で停止したのですから、当該機は、それほど速度が出ていたとは思えません。正常な操作を行っていれば、逸脱事故は起らなかっただろうと推察されます。

ですが、この事故は、関門海峡でのくらま衝突事故において、韓国船に第1原因があったものの、管制にも不備があったことと同様に、那覇空港の管制を行うCAB側にも問題があったのではないか、と考えられます。

そもそも、当該編隊は、管制の指示を無視して離陸しようとした訳ではありません。少なくとも、一旦は管制から離陸許可を受けていたようです。

スクランブル発進する編隊は、その時の気象状況などで影響を受けますが、基本的に、2機が立て続けに離陸します。
那覇の管制も、その要領は熟知しているはずですし、飽きるほど見ているでしょう。

それが分かっていたはずなのですから、2機目だけ離陸を中止するような緊急事態が、着陸のために接近していた民間機にも発生していたなら、それ自体がニュースにならないというのは不自然です。
しかし、この逸脱事故で、民間機が危険な状態になったとの報道は、私が見た限りありません。

関係していた民間機は、おそらく嘉手納に降ろされた2機の内の1機ですが、嘉手納に"安全にダイバートできた"程度の状況だったはずなのです。

関係していた民間機は、その程度の状態だったのですから、スクランブル機に離陸許可を出していた以上、せいぜいゴーアラウンド(着陸復行)を指示していれば良かった状況だったはずなのです。

一義的には、パイロットのミスなんでしょうが、那覇管制にも責任はあったと思われます。

空自は弱い立場なので主張はしないでしょうが、正しい原因究明を行わなければ、いずれもっと重大な事故が起きるでしょう。

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事故」カテゴリの記事

コメント

事故は複数の要因があって発生するものです
今回の事故の直接の原因はパイロットの操作ミスであると思いますが、事故に至る過程でその他の原因も当然あります
自衛隊と国土交通省航空局や地元沖縄との関係、小松基地での燃料タンク落下事故など、今回の事故が発生してから調査結果が発表されるまで1週間足らずと短いことから、推して知るべしということなんでしょうかね。。。

>数多久遠様

 いつも読ませていただいています。F15のことは
全国紙では報道されません(多分)でしたので
詳細についてはともかく、貴方の最後の書き込み
「空自は弱い立場なので・・」を見たとき、つい数年前
の海自、イージス艦(あたご、でしたっけ)と千葉県
勝浦漁港の漁船との事故をすぐ思い出しました。
 あのときの海難審判庁の審決はイージス艦側の「全
過失?」でしたが今年初めだったかの横浜地裁での
一審では海自側」は無罪、漁協側は控訴しましたが
その後どうなったのでしょう?

 事故当時も「識者」の間では「海自は弱い立場だからと
言う雰囲気でした、大声では言われなかったけれど・・

当初は保険関係の方の意見としては過失は漁船側7
海自側3・とか・もありました。極端な意見としては
軍艦にむかってつっこんで来たら砲撃されたって
文句は言えないだろう・と。ま、それは日本は「戦時
状態」にはないから極端でしょうけれど・・

 中国の太平洋進出意図があからさまになっている
現在、海自は・というより自衛隊は「弱腰」であって
いいのでしようか。

 私は学校をでて4年ほど海自ではなく海保に在籍
船にもよく「乗せらされて」いましたので船の動き方は
多少は見知っています・・
 あの当時はまだ日本近海も今のような緊張状態には
なかったでしょうから、それこそ「世論」をおもんぱかって
の海難審判庁の審決だったのでしょうけれど・・「あれは
なかった」でしょう・・・

 

この映像ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Uglxm66rEE8

1番機は既に離陸上昇し、問題の2番機はアフター・バーナ(A/B)に点火して離陸開始後数秒で離陸中止させられているのが解ります。
F-15はブレーキ・リリース後15秒程度で離陸しますので、2番機はあと10秒ほどで離陸する状態であり、相当に機速もついてる状態でしょうし、A/B使用で強力なパワーがありますので、離陸中止は可能ではあるにしても、かなり危険度が高い行為になるでしょう。

那覇飛行場の航空管制は国交省の航空管制官が行っているようです。
「着陸しようとしていた民間機との距離を保つため離陸中止命令を出した」
とのことですが、F-15の離陸上昇スピードは民間機の着陸進入速度の比ではありませんし、離陸中止させればそのF-15は暫し滑走路に残ることになりますので、それで着陸する民間機がそのまま着陸してこれる状態になるのか?大変疑問です。
2番機も其の侭離陸させたほうが、寧ろ民間機との距離は保てた可能性があると思います。

那覇の管制官は一体何をしようと考えていたのか?

大変危険な管制行為に見えますし、人身こそ無事なものの、事実事故が発生しています。
だtれの立場が弱い云々でなく、安全に関することですので、事実の究明を徹底して行い、安全確保のしっかりとした対策を講じるべきことでしょう。

直接関係することではないと思いたいですが、こんなニュースも最近ありました。
「管制官が居眠り 未明の那覇空港」
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-09-13_23389/

そもそも軍民共用空港で国土交通省の航空管制官が管制を担うって、どうなんでしょうね?今回のような緊急出動時の対処を考えると、自衛隊に任せたほうがいいように思えます。世界的に見ても、非軍人に任せるなんてそうそうあるとは思えません(日本でも那覇空港だけ?)。『沖縄の特殊性』なんて言い訳で甘えを許すべき事柄ではありません。自衛隊に移管すべきです。

 19日は、正午に北朝鮮が特別放送を始め、それを受けて韓国軍が非常警戒態勢に入る。まもなく官邸対策室が設置され、1210には「不測の事態に備え万全の態勢をとる」との首相指示が出る。そして1230過ぎに那覇空港の滑走路が閉鎖され、1406に滑走路再開されるまで45本の民間機が欠航や引返しとなり、那覇空域がクリアされた。

 管制かパイロットのどちらかの不手際が原因の事故だとうが、時系列だけを見ていると「もしかして、我が国の危機管理体制もナカナカのものでは内科医?」と思えたりもする。著名劇画の主人公なら、800m離れた空港敷地外から滑走路脇の消火栓を狙撃し、噴水によって滑走路を一時閉鎖させるのかも(誰もが事故だと思うように)。純粋な事故なのか、非常時のコードなのか、想像するだけでwkwk。

この件の原因調査は防衛省所管となるのでしょうね
運輸安全委員会が調査する場合とどう変わってくるでしょうかね

初めてコメントさせて頂きます。
今回の事例、一旦離陸許可を出した
管制官に責任が有ると言いたいです。
飛行機の離陸は簡単に止められるものではないし、着陸機との間隔は
パイロットの責任ではなく
明らかに管制ミスです。
それにスクランブルは、警察の犯人
追跡と同じです。
それを記事の理由で止め空港を
混乱させとは!
防衛省は厳しく抗議すべきで
公務執行妨害と同じ行為です。

エド 様
空自としては、とにかく早期に、穏便に、収めたかった……という判断があったのではないかと思います。

JI 様
私は船については、素人ですが、裁判の結果を見ると、イージスと漁船の事故についても、自衛隊批判を押えるために、一部隊員を切り捨てたと言えるんでしょうね。

こう食うじえいたい 様
動画のリンク、ありがとうございます。
探しても見つからなかったんです。

疑問を持たれている件については、補足記事を書かせて頂きます。

だ 様
私も、管制は自衛隊に任せて欲しいと思いますが、沖縄メディアを見ると、自衛隊が那覇から出て行けという論調です……

nni 様
確かに19日は、微妙な日でしたね。
もっとも、政府がもっと動くつもりなら、自衛隊にもっとおおっぴらな指示が出ていたとおもいますが。

ちなみに、800で消火栓くらいでしたら、某劇画主人公でなくとも当てられるかと思います。

SUS 様
この件くらいでは、事故調査委員会は設けられないのではないかと思います。
防衛省が国交省に抗議でもしないかぎりは、もうこれでお終いではないでしょうか。

shootingstar 様
那覇管制は、スクランブルを軽視しているのではないかと思われてなりません。
確かに、犯人を追跡中のパトカーを止めたようなものですね。

すいません・・・流石に・・・800メートルの射撃は誰でもっというのは・・・一般的狙撃銃の射程700メートル外ですので・・・

それに陸自の射撃検定距離○○○メートルの大分外です。一般的射撃場の長さを勘案しても
その射撃距離を経験している隊員自体が少ないのではないでしょうか?

海族さま

 ご丁寧な解説、ありがとうございます。五輪メダリストにも負けないはずのデューク東郷氏の名誉が、これで回復されました(^^)。ゴルゴが故障に見せかけて滑走路脇の消火栓をヒットし、噴水で滑走路が閉鎖されれば、空港管理者に100%の責任がかかります。しかしながら本件では、管制官(国交省)とパイロット(防衛省)のどちらかが「100%黒」とは言い切れない微妙な按配となりました。

 「北朝鮮の特別放送の直後の数時間だけでも、那覇空域から民間機が排除されていたこと」は、偶然だとしても、それなりに評価されるべきではないでしょうか。旅客は不満不平タラタラでしょうが、少なくともパニックは発生しませんでした。1210に出された首相指示「不測の事態に備え万全の態勢をとる」には、当然「パニックを誘発しないように」との付帯条件が付いていたはず。

海族 様
800は、もちろんスコープを使ってそれなりに訓練すればの話です。
それに誰でも、というつもりもありませんし。

長射程での実射は、国内だと東富士の射場とか、極めて一部になってしまいますね。
国外だと、一般人が入れる射場でも結構あるんですが。

nni 様
那覇よりも、小松の重要性が高かったと思いますが、あちらは特に変ったことはなかったようですし、那覇も事故ではないでしょうか。

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