NATOのマニュアルを使って何が悪い?
時事通信が、空自がNATOのマニュアルを使用していることに対して、まるで憲法違反だとでも言いたげな記事を書いてます。
「NATO軍マニュアルを使用=空自給油機、相互運用で-湾岸戦争教訓に・米国防総省」(時事通信11年10月6日)
日本の航空自衛隊が空中給油機KC767を運用するに当たり、北大西洋条約機構(NATO)軍の給油手順マニュアルを使用していることが5日、国防総省筋の話で分かった。自衛隊は米軍以外のNATO軍機とも将来、物品役務相互提供協定(ACSA)や覚書などを締結すれば、国際貢献活動などで給油することが可能になる。
自衛隊とNATO軍との相互運用性は高まるが、先に判明した米国との空中給油の覚書締結と同様、制服組レベルで決められていた。自衛隊機から米軍などNATO軍機への空中給油は憲法解釈上禁じられている集団的自衛権の行使に当たるとの懸念もあり、国会の審議を経ずに覚書を交したことは今後議論を呼びそうだ。
空自が使用しているのは、NATO軍間で空中給油をやりとりする際にも用いられる「ATP56」と呼ばれる給油手順書。
NATO軍の作戦に対して、実際に空中給油を行うのであれば、それは確かに法的には問題でしょう。
ですが、NATOのマニュアルを使う事の何が問題だとでも言うのでしょうか。
海自の補給艦が、給油活動をしていましたが、空中給油機があれば、同じ事を空でする可能性だってあります。
あるかもしれない可能性に備えて、インターオペラビリティを確保しておくことは何のマイナスにもならない話のハズです。
これを批判したがる頭の中が理解できません。
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これを書いた記者さんに質問するとしたら、「他に参考にすべきモノって何かありますか?」ってトコロでしょうか・・・・ 米軍での教育もおそらく同様のがモノでしょうから・・・・
投稿: 海族 | 2011年10月15日 (土) 22時34分
敵味方識別装置の規約表関係もNATOを含む西側軍隊で共通化してたりするのも問題なんですかね…痔事通信は?西側の航空機が敵中に落ちた時に一斉に破棄更新されたり。
投稿: さば | 2011年10月15日 (土) 23時55分
日米同盟が強化されると、
中共軍による「日本革命」が、
遅れちゃいますからねェ・・・(笑)
投稿: イヌザメ | 2011年10月16日 (日) 01時36分
海族 様
記者が、こう言う方向性で記事を書くことが、マスコミとして正しいと信じているっぽいところが腹立たしいです。
さば 様
記者は、IFFがそういうものだってことも知らないんでしょう。
日米間で、専用のものが使われるべきとでも考えているに違いません。
もしそんな状態(米韓間では、日米と違う規約を使用)だったら、在韓米軍機が日本にダイバートして来た時に、自衛隊機が米軍機を撃墜するかもしれませんね。
イヌザメ 様
昔から左よりだった共同が書くのだったらまだ理解もできたのですが、「時事よ、お前もか」って感じですね。
中国に、取材上の便宜でも図って貰ってるのかも知れません。
投稿: 数多久遠 | 2011年10月16日 (日) 23時17分
私は逆に時事通信の批判は予想されうる批判であり、何故それに備えていなかったのか?と思います。
数多様も覚えておられると思いますが、空自は元々空中給油ができませんでした。
今でこそKC-767が配備されて”健全化”していますが、我が国にとっては空中給油が政治的にセンシティブな問題であることは変わらないのではないでしょうか。
NATOのマニュアルを使うに当たって、政治家への根回しが足りなかったのだと思います。
投稿: 藤宮 直樹 | 2011年10月17日 (月) 16時40分
藤宮 直樹 様
法的にも何ら問題のないものを根回しする必要はないのではないでしょうか。
これがダメならば、NATO装備カタログ制度への加入なんか、もっと悪いことのように思います。
http://www.asagumo-news.com/news/201105/110526/11052613.html
投稿: 数多久遠 | 2011年10月17日 (月) 19時43分
これ、時事の記事が良くないですね。私が読み違えていました。すみません。
今現在覚書きを締結し、今後議論を呼びそうとされているのは米軍相手ですよね。
ACSAを結んでいるのですから当然のことなのですが、それでも各方面からイチャモンを付けられています。
この記事だとNATOとも将来締結することもあり得ると予測で書いています。
NATOのマニュアルを使っているから、将来NATOともACSAに署名すればNATO軍機に給油できるようになる、だからダメだ、と言うたらればの話です。実際の所、米国相手以外にも日豪物品役務相互提供協定などを結んでいますからあり得ない話ではないのですが。
まるでNATOとも既に覚書を交わしたかのような書き方は悪質ですね。
そういったノイズを除去して考えると、当然将来的に空中給油による支援活動も視野に入れていると言うことなんでしょうね。
本来は何のマイナスにもならないはずなのですが、我が国はそれが批判されるという特殊事情がありますから。
何とも理不尽な話ですが。
投稿: 藤宮 直樹 | 2011年10月18日 (火) 12時56分
藤宮 直樹 様
おっしゃるとおり、NATOとACSAを結ぶことを考えれば、当然やってあってしかるべき話だと思うのですが、そのACSAを封じたいのか?、と思えてしまいます。
投稿: 数多久遠 | 2011年10月20日 (木) 21時09分