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2011年9月27日 (火)

情報収集衛星・光学のみの片系運用のマイナス点

情報収集衛星・光学4号機の打ち上げが成功し、光学4機、レーダーゼロ機体勢になりました。

情報収集衛星 打ち上げ成功」(産経新聞11年9月23日)

情報収集衛星については、以前にも光学系のみになった時点で記事を書いてますが、本来は、光学2、レーダー2の予定です。
年内にも予定されるレーダー3号機が上がるまでは、光学系のみという片系運用が続くため、今回は片系運用のマイナス点について、補足を書いてみます。

光学系は、精度が高い反面、夜間は十分な観測ができないことが、マイナス点として、良く伝えられる点です。
ですが、光学系のみになることのマイナス点は、これだけに止まりません。

光学系は、偽装網などにより、レーダーに比べて偽装が比較的容易です。
特に最近の赤外線吸収偽装網などは、隠蔽される車両などが熱源として赤外線により探知されることも隠蔽できるため、ノドンのTEL(発射機)など、非常に重要なものは、隠そうと思えば隠せます。

それに対して、レーダーは偽装網等で欺瞞することが難しく、これらの隠された目標を見つけ出すことができます。

そして、両系統を運用し、そこから得られるデータを比較検討することで、相手が隠蔽したがっている非常に重要なものを、相手が隠したことで、逆に知ることができる可能性もあります。
レーダーや光学画像を必死に分析して、これは何(例えばノドンのTEL)だから
重要と判断するのではなく、相手が「意図的に」隠しているから重要なものだと分かったりする訳です。

片系運用となっている現在は、こういったことが独自の衛星データによっては分析できない(買えば手に入る)状態となっています。

早くレーダー3号機が上がって欲しいものです。

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コメント

H-2Aが安定的に打ち上げ成功するようになった点には喜びを覚えます。宇宙戦力の独自構築も、信頼性の高い国産ロケットあってこそです。レーダー3号機もまた、無事軌道に投入されることを祈りたいものです。

レーダー衛星はどっちも電源系のトラブルで早逝したんでしたっけ。
元よりレーダー衛星は電源系の負担が大きいので致し方ないのかもしれませんが、レーダー衛星に限らず、近年の日本の衛星は電源トラブルがあまりに多発しています。正直技術力が疑われるようなレベルです。次のレーダー衛星が光学衛星同様新設計になるのならば、是非その辺を改善してほしいと思います(失敗そのものは構わないので、そこからきちんと学んで欲しいです)。
追伸:情報収集衛星は地上の解析スタッフがあまりに少ないですね。東アジアの露・中・朝・韓を継続的に監視するには10倍の人数が必要だと思います。今のままでは宝の持ち腐れです。

衛星の電源トラブルに関しては、太陽の活動も関係しているんじゃないでしょうか?
また以前の衛星に比べてコンピュータの容量も大きくなっているでしょうから、その点でも宇宙空間の放射線等の影響を受け易くなっているのでしょう。

それにギリギリの設計ではなく、枯れた技術をある程度以上は使って欲しいですね。

解析スタッフが少なすぎるのには、まったく同感です。ある程度の情報は外に出して人員を養成する必要があると思います。このままでは技術の継承にも支障が生じるのではないでしょうか。

名無し 様
初期のマイナスを回復して、ようやく95%になったみたいですね。

だ 様
レーダー衛星のトラブルは、確かそうです。
地上のレーダーでも、電源系トラブルは結構多いので、衛星だと過酷な条件なんでしょうね。

解析スタッフは、情報本部の中では大所帯みたいです。
日本の場合、それだけ情報全体が貧弱なことが問題でしょうね。

みやとん 様
さすがに遮蔽はできているとは思いますが、機能を欲張り過ぎてギリギリの設計にはなってるんでしょうね。スペック至上主義は日本人の風土病です。
解析スタッフを外国に出して養成できれば、それに越したことはないと思いますが、さすがに厳しいのではないかと・・・

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