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2011年9月17日 (土)

戦闘機になり損ねたP-1哨戒機

前回の記事、「ロシア爆撃機による日本周回飛行の軍事的意味」に対して、海族様から、P-1にAAM-5を積めば良いのでは、という、コメントをちょうだい致しました。

半ば冗談のコメントだったのですが、これは決して悪い案ではありません。
それどころか、一歩間違えば(?)実現していたかもしれない案です。

P-1のAESAレーダーHPS-106は、機体の前後左右に装備され、全周360°をカバーし、対空モードを持っています。
つまり、現状のP-1でも、簡易型早期警戒機としての潜在力を持っていることになります。

おまけに、現状でもマーベリックは搭載できる予定ですから、AAMを携行させることも機体的に無理があるとは思えませんし、必要な機内容積も余力があるでしょう。
AAMを搭載できるように改造することは、それほど難しくないと思われます。

そして実際にAAMを積むプランもあったそうです。それも、海族様に提案して頂いたAAM-5どころか、AAM-4をです。
情報元は、内部情報が豊富で、残念ながら閉鎖宣言が出てしまった、ミリタリー系ブログではメジャーな「keenedgeの湯治場」様です。
P-1恐るべしであります。

XP-1の初期のM社案には、AAM-4はおろか、M61A1やはてはJ/LAU-3を搭載した過激な案があったのですが、実際に海外のP-3Cやニムロッドには試験的にAIM-9を搭載した例があります。


もしこのP-1へのAAM-4搭載が実現し、同機での防空哨戒が行われていれば、前回記事で警戒した太平洋上を迂回してのTu-95によるミサイル攻撃は、単なる鴨ネギと化します。
速度が速いので、会合が難しくなりますが、AAM-4の射程ならTu-22Mでさえ迎撃できたかもしれません。

ロシアが、空中給油機と戦闘機を随伴させれば逃げざるを得ませんが、相手にそこまでの対応を強要できたなら、効果としては十分ですし、警報を出せるので、その際は迎撃機による迎撃を行えば良い訳です。

今後、ロシアと衝突する蓋然性はそれほど高くはないと思いますから、現状でP-1へのAAM-4搭載は必要なかったと思いますが、中国がTu-22Mを欲しがっていますから、もし中国が同機を手に入れるようにでもなれば、真面目に搭載改修を考えるべきかもしれません。

なお、前回記事で書いたTu-95による迂回攻撃ですが、警戒すべき作戦態様が分かりにくかったようなので、補足で簡単な図を載せておきます。
Ws000004
Tu-95の配備基地であるウクラインカから発進し、自衛隊の防空網を避けて東京を南東から突く攻撃経路です。日本から400km以遠を破線で表示しています。(地上レーダーは、地球の曲率のため、高高度でも400km程度が捜索限界になります)

この図でも、Tu-95の飛行距離は1万kmに及ばず、空中給油なしでも十分に飛行が可能な距離です。
早期警戒機を上げていれば、もっと遠くで捕捉できますが、それでも、地上からの迎撃では進出にABを使用しないと、射程が400kmを越えるKh-20(AS-3カンガルー)やKh-22(AS-4キッチン)と言ったミサイルの発射前に迎撃できないので、実際にはCAPを前方に上げておかないと、結構キツイです。前方というか、こんな側方にまでCAPを上げ続けることが、またキツイことですけど。

オマケ
ウクラインカにずらりと並ぶTu-95
Ws000005
グーグルより

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航空機一般」カテゴリの記事

コメント

P-1はとっても期待度の高い装備なのですけど、
残念ながら先日機体に不具合(ヒビ)が発見されてしまいましたよね・・・
構造強化で重くなるのかと思うと、気分が憂鬱になります(;一_一)

まずは相手方の動きへの継続的な情報収集が必要ではないでしょうか。
日本も中国沿岸や南北朝鮮沿岸、ロシア沿岸の公海上に、哨戒機や電子情報収集機を飛ばした方がいいかもしれませんね。
日本の情報収集衛星は彼らの動きをちゃんとフォローしているのでしょうか。不安です。

イヌザメ 様
不具合は痛いニュースでしたね。
何で今頃?、という感じです。
それほど重くならなければいいのですが、今頃というのが嫌な感じがしないでもありません。

だ 様
空自ではYS-11EB、海自はEP-3とOP-3を飛ばしてますよ。
先日も、EPとOPが中国のリアクションを受けてニュースになってました。普通のP-3は、それこそ毎日飛んでます。

情報収集衛星も、やっと穴埋めされそうです。

それでも、収集機も衛星も、もう少し欲しい気がします。

>PーX M社案

あれですか・・4発10座戦闘機にしか見えない・・・戦闘機メーカーの面目躍如の・・・

ただ元々、国産開発に番狂わせは殆どないので、技術者さんのネタにしか感じません・・(M社も本気で取れると思ってないでしょうし)。

>大型哨戒機にAAM搭載
使えるものなのでしょうか?英国のニムロッドという先例はありますが・・あれは自衛用というよりはフォークランド紛争の頃、アルゼンチン軍の哨戒機と遭遇したニムロッドがお互い手を出せなくて、悔しくて急遽付けた代物ですから。実際自衛に使えるものなのか・・・?
あんまり技術系の方とかが集まるサイト等で良い言われかたしてないので私も冗談混じりで書き込んでます。
無論、Pー1のセンサー類や誘導弾の性能は格段に向上してますので、一昔前とは違うのかもしれませんが・・・
ちなみにPー1のレーダーは多目的に使えるアクティブ・フェーズドアレイレーダーですが、あくまで対空は二の次で第一は「潜望鏡の探知」を目的としております(メーカーさんが早期警戒機寄りのプレゼンしたら、コンセプトがおかしいと担当官から叱責されたとか・・・


まあ、技術的なことは私は存じませんが、哨戒機に、もし戦闘機ばりの有効なミサイル運用能力があれば太平洋側に飛行する敵性航空機に対する有効な手段となるだけではなく・・・際どい空域を飛ぶことが多いので自衛能力も確保できますし、艦隊の防空能力の向上にもなるでしょう・・・って考えたら昔、Pー3にAWG9積んでフェニックスミサイル撃たせようとしてましたね(もちろんボツ)。

P-1レーダーの詳細な性能は、もちろん外部には不明ですが、
かなり欲張りな内容だったと聞いています。
対空ミサイルを誘導できたとしても不思議ではありません。
某電機メーカーの技術者が、「欲張り過ぎ!」とかなりボヤい
てました。

C-2 ELINTでも、かなり欲張っているそうです(汗)

海族 様
今は違うみたいですが、日本のメーカーの場合、防衛に限らず、マーケティングよりも開発や生産が強かったりするので、取れる取れないというよりも、「ウチだったらこんなの作れます」というような提案をしてましたね。
私も、それこそ目が点なプレゼンをしてもらったこともあります。

哨戒機にAAMは、この記事に書いたような特異な用途用に限られるでしょうね。
自衛用に搭載するのも間違ってると思います。反撃なんか考えるよりは逃げるべきですから。
ニムロッドにしても自衛用ではなく、対哨戒機用だった訳でしょうし。

Pー1のレーダーが対空は二の次なのは、哨戒機なんですから当たり前の話ですね。
ただ、対空バージョンを空自に提案するのはありだと思います。

パッシブホーミングAAM運用能力を持たせるのは難しいですが、アクティブホーミングAAM運用能力を持たせることは、技術的にはずっと容易です。だからM社もAAM-4を提案したんでしょう。
それに、私は考えませんでしたが、おっしゃるとおり、対艦ミサイル迎撃にも使えそうですね。装弾数次第かもしれませんが。

名無し 様
YSの更新も待ったなしでしょうから、ぜひC-2ELINTは取って欲しいところですね。あの高速性が、欲張り過ぎのコスト高にならなければいいのですが……
MRJあたりに掠め取られる気がしないでも……

素晴しいお話、勉強になります。

果たして日本は、どの程度電子装備をオリジナルかしているのですか?
現在日本の装備でアメリカの艦戦、航空機に自衛隊が発砲すれば?本当に撃墜できますか?

人工衛星などから撃墜不能にされたりとか?日本政府専用機は盗聴器でアメリカに筒抜けとか?思います。
政府専用機は、このままでいいとして海上自衛隊五十六専用機をP-1で儲けていただきたく思います。

ys111 様
日本の電子装備国産化率は、非常に高いです。
アメリカが売ってくれないからですけど……

対米戦をする上で、日本の電子装備が役に立つか?というご質問でしたら、おそらくほとんど役に立たないんじゃないかなと思います。
ハード面ではなく、ソフト面で積み上げてきたものが違いすぎますし、総務省の電波監理行政が防衛への配慮が少なすぎるので……フリーハンドで戦える米軍とはハンデがありすぎます。

VIP機は、航続距離さえあればいいので、U-4で十分じゃないでしょうか。

P-1恐るべしに、期待するで有ります。

3式戦以来の夢を、

土井先生!   敬礼!

ys111 様
P-1は、土壇場になってクラックの件で、随分遅延してしまっているのが残念です。
あれさえなければ、来年度予算にも入っていたでしょう。

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