情報収集衛星・光学のみの片系運用のマイナス点
情報収集衛星・光学4号機の打ち上げが成功し、光学4機、レーダーゼロ機体勢になりました。
「情報収集衛星 打ち上げ成功」(産経新聞11年9月23日)
情報収集衛星については、以前にも光学系のみになった時点で記事を書いてますが、本来は、光学2、レーダー2の予定です。
年内にも予定されるレーダー3号機が上がるまでは、光学系のみという片系運用が続くため、今回は片系運用のマイナス点について、補足を書いてみます。
光学系は、精度が高い反面、夜間は十分な観測ができないことが、マイナス点として、良く伝えられる点です。
ですが、光学系のみになることのマイナス点は、これだけに止まりません。
光学系は、偽装網などにより、レーダーに比べて偽装が比較的容易です。
特に最近の赤外線吸収偽装網などは、隠蔽される車両などが熱源として赤外線により探知されることも隠蔽できるため、ノドンのTEL(発射機)など、非常に重要なものは、隠そうと思えば隠せます。
それに対して、レーダーは偽装網等で欺瞞することが難しく、これらの隠された目標を見つけ出すことができます。
そして、両系統を運用し、そこから得られるデータを比較検討することで、相手が隠蔽したがっている非常に重要なものを、相手が隠したことで、逆に知ることができる可能性もあります。
レーダーや光学画像を必死に分析して、これは何(例えばノドンのTEL)だから
重要と判断するのではなく、相手が「意図的に」隠しているから重要なものだと分かったりする訳です。
片系運用となっている現在は、こういったことが独自の衛星データによっては分析できない(買えば手に入る)状態となっています。
早くレーダー3号機が上がって欲しいものです。
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