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2011年7月10日 (日)

馬毛島の集結拠点化には防空上の懸念が

馬毛島を南西諸島防衛の集結拠点にするというニュースが出ています。

自衛隊、馬毛島に集結拠点…南西地域の防衛強化」(読売新聞11年7月2日)

 在日米軍の空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移転候補地として日米共同文書に明記された鹿児島県西之表市・馬毛島(まげしま)について、防衛省は2日、南西地域の防衛態勢充実に向けて同島に整備する自衛隊施設の概要やFCLPの飛行ルートなどを明らかにした。

 南北方向に滑走路を造成し、離島侵攻に対応した訓練場も設置。大災害や離島侵攻が起きた場合、全国の陸海空自衛隊が集結・展開する拠点とする。

 小川勝也副大臣によると、自衛隊施設では、エアクッション型揚陸艇や輸送ヘリでの上陸のほか、空挺(くうてい)部隊の降下などの訓練を日常的に行う。陸海空自衛隊の拠点として活用し、支援物資などを備蓄する。自衛隊員が常駐し、宿舎を種子島に整備。米兵の宿舎は馬毛島内に整備する。
(一部省略)


先日も、この馬毛島利用による南西諸島防衛への寄与には疑問を付ける記事を書きましたが、この報道に見られるような大規模な基地化を馬毛島で行う場合、大きな懸念があります。

それは、余りにも小さな島過ぎて、防空能力の確保に疑念を持たざるを得ないからです。

防空火器の配備には、それなりの用地が必要ですが、馬毛島でそれ以上に心配なのは、防空火器間でのレーダー干渉及び航空機への電磁波による影響です。
どちらも、防空火器の配置にあたっては、馬毛島以外でも考慮すべき事項ですが、この島は余りにも小さすぎます。

レーダー干渉は、複数のレーダーが近接した位置にあることで、一方の電波がもう一方のレーダーにとって妨害電波になってしまうことで発生します。
周波数をずらせば良いことになりますが、防空火器は分解能を高めるため比較的高い周波数を使用していますし、対妨害能力を高めるため、広い周波数帯を使用するため、干渉を避けるためには結構苦労が必要です。近接して設置せざるを得なければ、その分対妨害能力は犠牲にせざるを得なかったりします。

また、航空機への電磁波による影響は、離発着する飛行機の機内で、電子機器の使用が制限されることからも、レーダーが悪影響を及ぼすと言うことは、想像出来ると思います。
近距離で浴びれば人が死ぬような強力な電波を、離発着の航空機に当てれば、当然支障がでる訳です。

拠点化するなら、もう少し大きな島を選ばないと、これらの影響は軽視できません。
それに、先日の記事でも書いたとおり、あまり狭い範囲に集約していると、ちょっとした攻撃でアボーンしかねません。

民主党政権は、何とか口実を付けて普天間をここに移したいのでしょうが、軍事的合理性にあまりに疑問の付く施策は、防衛力を低める結果にもなりかねません。

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コメント

「宿舎を種子島に整備」という部分から、馬毛島は訓練施設のみで基地は種子島本島という観測もあるようですね。

う~ん、自分はミンスがこの島に普天間を移設しようと考えているように思えないのですが…。本気でこの島に移す気ならわざわざ普天間移設を名護で行く事を日米で再確認なんて事するでしょうか?(適当にお茶を濁すような事言っとけばいいですし。)
給油施設の建築は単なる訓練の便宜を図る為だと思うのですが…。
ただ、今回の防空の件はどうするのでしょうか?米軍も噛んでますからその辺の事は解ると思うのですが、日米共に気にしてないのでしょうか…。

種子島紫 様
そう言う話もあるみたいですね。
被訓練者としても当然その方が嬉しいです。

ファッツ 様
民主は、基本分かってないんだと思います。
海兵隊の必要性や配備の要件、防空もFLCPも
政権を取るために沖縄県民であろうがアメリカであろうが、受けの良さそうなことを言ってるだけじゃないでしょうか。

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