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« 対空母に空母しか浮かんでこない発想の貧困 | トップページ | BMDシステム総合検証の意義と妥当性 その1 »

2011年7月27日 (水)

海幕が統合を無視して独自輸送機を調達する?

記事の信憑性は定かではありませんが、もし本当だとしたら、ここ数年で最大の下策です。

海自輸送機を刷新 東シナ海での戦力強化 震災対応も教訓(産経新聞11年7月24日)

海自が、YS-11の後継として、ペイロード数十トン規模の軍用輸送機を、欧米の機体から機種選定するというニュースです。

まずもって、この統合の時代に、たった4機程度を運用するため、海自に独自部隊が今後も必要なのかが疑問です。
記事では、空自の輸送機は、主に空自の作戦背使用されるため、独自の輸送機能が必要だなどと書いていますが、有事では統合輸送体制となることが当然ですし、平時でも海自が部隊廃止するなら、空自輸送機の定期便を海自の基地も経由するようにすればいいだけです。
大体において、記事タイトルにもある東シナ海での戦力強化という点では、最大の拠点である那覇は、海空同じ基地に部隊が存在しています。それなのに、輸送は別なんて、ほとんどナンセンスです。

そして、それ以上に、わざわざ開発したC-2ではなく、欧米の機体を選定するというところが、疑問どころではなく、ほとんど狂気の沙汰に思えます。

記事をざっと見たところで、機体規模などの点で、C-2ではダメだとする理由をこじつけるのだろうと思いましたが、良く見てみると、後方へのカーゴドアを設け、数十トンのペイロードを持たせるなど、C-2が要求を満たさない理由が見当たりません。
海自は小規模飛行場でも運用すると言っても、C-2のSTOL性能は、C-130さえ上回る程です。
P-1と共用部品が多い点などを考慮しても、C-2を選択する方がメリットが大きいはずです。

どう考えても下策なので、この記事が本当だとは思えないのですが、もし本当に海幕がこんなことを考えているのであれば、米海軍とのインターオペラビリティを考える前に、自衛隊内のインターオペラビリティ(用語が変ですが)も少しは考えて欲しいものだと思います。

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後方・広報」カテゴリの記事

コメント

C-2以外の選択なら狂気というほかないですね。C-2採用もしくは輸送部隊の廃止(空自との共同)。素人目にもこれが常識でしょう。

こういう記事を書くところが、産経の防衛関連の記事の信頼性に?が付く
ところです。
欧米の輸送機って、何を想定してるのでしょうか?

毎年、今くらいから9月頃までの時期によくでるアドバルーン記事でしょう。背後に政治家・商社などの利権が絡んでいるのは間違いない。

まあ皆さん。海からナニひとつ正式なコメントが出ていない話しですので来年度予算の概算要求が出るまでホールド待機の話しです。
まあ意地悪い見方をすれば、「空がそれを望んでない」可能性がある話しはどうなの?という話しです。

わかりやすく言えば航空機による輸送に関して「統幕」に運用を委譲する腹が有るかないかの話しです。

海自側が運用しているエンジンの問題かもと愚考。

C-2のCF6-80C2はKC-767及びE-767と同じなので
空自内部では運用上の都合が良いのでしょうが、
P-1のF7-10しか使わないであろう海自にとっては
C-2は魅力的どころか面倒な機体なのかもしれません。

海自としては新規に大型ジェットエンジン運用を考えるよりも、
US-2と同エンジンのC-27JかC-130Jが魅力的に見えるのでしょう。

個人的には輸送機の運用は空自に任せて、
海自が利用する分C-2を増勢すべきと考えます。

はるばる 様
コスト意識はないのか?
と思うことは、昔から時々ありました。

やん 様
流し読みした時にはC-27Jかと思ったんですが、ペイロードに関する記事が正しければ、念頭にあるのはC-130Jでしょうね。

観測気球 様
概算要求のまとめが大詰めですから、観測気球ってことはあるでしょうね。
川重も、坐して見てないで、社員をサクラにしてネガティブキャンペーンをすればいいのに、と思います。

海族 様
確かに、この時点で海幕を責めてもってのはありますが、概算要求に載れば、ほぼ既定路線になっちゃうんですよね。

たとえ空がそれを望んでいなくても、「やらせる」必要があるでしょう。
統合の時代に、と書いた通り、輸送機による輸送も、輸送艦による輸送も、運用は統幕がやるべきだと考えます。

トーリスガリー 様
エンジンの件、だからこそ、海自が運用する必要ないと思います。

仰るとおり、海自の輸送ニーズ分、空自の機数を増やして、対応すべきですね。場合によっては、隊員の所属替えも必要かも知れません。

空幕の大英断を期待したいですね。

ちなみに空の定期輸送便に陸の隊員が便乗するようになっただけで不満タラタラ(陸さん遠慮なし)の空自が海も引き受ける度量があれば良いのですが・・・今のところ空のネガティブキャンペーンと言うか反発の話しがないのはナニかを表しているような気がします・・・・

更に言えば、仮に統合化が成功して、その先に控えるであろう空自輸送ヘリ部隊の陸への統合や大型航空機の教育課程の海への統合というか返還。更に言えば、ペトリ部隊の所管など様々な問題と向き合う度胸が空幕にあれば良いのですが・・・

意地悪く言って申し訳ありません・・・私は海幕が正しい集団ではないのと同時に空幕も必ずしも正しいとは言えないと言いたいだけですので・・・
ちなみに海が他幕との相互運用や協調より、米海軍とのパートナーシップに力を入れることに関して批判を受けることもありますが、私は批判を恐れず言えば「それは正しい」と思っています。

それが日本の為であり国益に繋がると信じて・・・・

数多様
なるほど! 慧眼です。 下名は何も考えず、A-400Mかと思いましたが。。。。
しかしC-130Jなら、わざわざ余分な予算を使って導入する必要性は感じません。
海自も、素直にC-2を導入すれば良いかと思います。
時代は、垣根を越えた統合運用と防衛省も防衛大綱で述べている訳ですから、
効率的な予算を執行してもらいたいです。

この件を報道したのは今のところアノ産経新聞一社だけというのが引っかかるところではあります。産経新聞の記事で機雷投下の話も触れられてはいますが、あくまであれは試作に止まっていますし。
C-2が候補機種になっていないのはオーバースペックだと判断しているのかもしれませんね。そうだとしますとそれよりワンランク下の機体となりますが、そうなりますと南鳥島までのノンストップで飛行可能な航続距離と数十トンのペイロードを有する機体ということであればC-130Jしかないのですよね。

海自そんなに輸送機欲しいなら、空自からC-130移譲してもらえばいいのではないでしょうか?

海族 様
定期便への陸自搭乗は、昔からたま~にありましたが、今は頻繁なんでしょうか。
度量という点では、やって当然でしょう。ただし、海自の輸送所要分、機数と人員を増やすべきですね。(あるいは移管する)

空自輸送ヘリ部隊の陸への統合は考えるべき仮題だと思います。大型航空機の教育課程は、海ではなく空に統合すべきだと思いますが。
あと、航空救難部隊も統合されるべきでしょう。

高射部隊についても検討されてしかるべきですが、この点では私は結論は逆に中SAMを空自移管すべきだと思います。陸自戦力のあり方が変って行くことを考えても、なおさらでしょう。

私も海幕ばかりを責めるつもりはありませんし、今までも空幕の提灯記事を書いてきたつもりはありません。(結構批判的に書いていると思います)ただ、視点はどうしても空寄りにはなっていると思いますが。

海が、良く言われる第7艦隊対潜部隊として、米軍と連携することは、戦力の総合発揮を考えれば当然悪いことだとは思ってません。
問題は、他幕軽視の度合いによるだけかと。
最近は変ってきてくれていると信じておりますが。

名無し 様
A-400Mは、スペック通りなら良い機体だと思います。
と言うかC-2の方向性が誤ってる。

アシナガバチ 様
記事が正しければ、私もC-130Jが最有力だと思いますが、そうなると批判が怖くて観測記事を流させた、というのが、事の真相かもしれませんね。

ぽち 様
記事が真実なら、米国製機体の新規購入という実績を作りたいという考えもあると思います。

>定期便

陸の便乗は以前より増えたそうです(空の輸送職談)。当然、空の隊員で乗れない者が出てくる訳でして、そういう意味ではより大型の輸送機が望まれるのでしょうね。

>より人員と機数を増やす

それをしたかったら、その予算で購入した機体は海自専用機にするくらいでないと海は納得しないでしょうね・・・
輸送は部隊運用の根幹に関わる部分です。特に海は車両輸送力や大型輸送ヘリのような代わるモノをほとんど持っていないのでイザという時に使えないと意味がない・・・結局この手の統合の最後の問題はそこですから・・

>大型航空機教育課程
もともと海自に空が人員を派出した上で教育を委託していた歴史的経緯を忘れてはなりません(現状でも海保員の教育を実施)。

ついでに言えば、海の教育航空集団の最近の動きを見ると、今までヘリ要員が固定翼機材で行っていた計器飛行課程を新練習ヘリの導入に合わせ、教育課程をヘリのみ1本化されることになり、計器飛行訓練機に余裕が出てくる予定です。つまり・・・なんと空の訓練生を受け入れる環境が整いつつある訳です。もともと海のそれは空の大型機課程に比べシュミレーター設備を含めて質量共に充実した整備をされているのですから、今更空自が取る理由はないですね。
良いじゃないですか戦闘機の教育課程が残れば。またヘリの教育課程も海自で統合すれば良いですよ。今度の海自の新練習ヘリのTH135はなかなか良いらしいですので、ヘリパイの計器飛行・事業手免許取得まで海自に任せたら良いじゃないですか。

>航空救難部隊統合
これは統合というより(運用面のゆるやかな統合は昔から行われている)、海自の救難部隊が陸上からの救難から撤退して空自が専任するだけの話しです。

海は浮いた機材と人員を持って拡大する任務に対応することになるでしょう・・・だから空の人には海から金と人を分捕れると期待しないでくださいとしか現状は言えないですね。
とりあえず、その方向性がハッキリするのは海自次期救難ヘリの選定が行われる時です。

海族 様
定期便への搭乗余力がない分は、民間機やJR利用とすべきです。定期便は、建前も本音も、物資輸送の余りスペースに人員を詰め込んでいるだけですから。

人員、機数、教育課程、部隊統合の問題等、それらの考え方はセクショナリズムではないでしょうか。それを廃してこその統合による効率化のはずです。
過去の経緯にとらわれず、全体のために最適を追求することが、今行うべき事のはずです。
だからこそ、空自定期便にも陸自を乗せているのでしょう。

どうやら、米軍から中古のC-130を6機購入して
YS-11を代替するとのことです。

kuro 様
情報ありがとうございます。
C-130なら、まあいいですかね。
わざわざ中古にしたというのは、空自機と補給の融通性をはかるためでしょうか。自衛隊が中古を買うなんて、ちょっと驚きです。

震災対応を名目に第3次補正予算に突っ込めるということと
現物がすぐに手に入るということが狙いのようです。
ジブチへの足を自前で確保できますし、渡りに舟なんでしょう。

中古と言えば、ナッチャン購入話のその後も気になります。

kuro 様
130では、ジブチも飛び石なんですから、ジブチこそKC-767を行かせればいいと思いますね。C-2が稼働すればC-2で。

6機の中古C-130が120億円。
ナッチャンの建造当時の価格が90億円

空輸は空自に押しつけて、ナッチャンを買うべきだと思います。

C-130ってのは、本当に優秀な機体ですネ。
今後もC-130は、使用され続けるのでしょうか?
個人的には、C-2に換装されていくと思っていたのですが、
今後もC-130は使用されていくのでしょうか?

空のC-130が退役していくと、海が導入するC-130も運用
経費が高騰していくのではないかと思います。

よく分かりませんのでご教示下さい。

やん 様
C-2は、C-1の置き換えですし、空自は1機種にすることを嫌がるでしょうから、今後もC-130は使い続けられるでしょうね。
長距離はC-2で、短距離はC-130でという棲み分けになると思われます。

130は空海とも、いずれ最新型に換装されてゆくと思いますので、コスト増はそれほど気にしなくても良いかと思います。

ご教示ありがとうございました。
C-1の置き換えですか。 
であれば、海自がC-130を導入することは理解できます。

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