下地島が無人機運用拠点に
以前の記事「離島有事に無人偵察機」において、自衛隊が作戦基盤として下地島の利用を意図している可能に触れると共に、無人機運用の適地は下地島以外にありえないと断言しましたが、北沢防衛相が裏付け発言をしてくれました。
「2プラス2 南西諸島を災害拠点 下地島想定」(琉球新報11年6月21日)
「「南西諸島に災害拠点」防衛相表明へ」(沖縄タイムス11年6月21日)
リンクの記事から、北沢防衛相の発言を拾ってみます。
「無人機やロボットの訓練基地を整備し、日本だけでなく東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国にも開放したい」
「無人機、ロボットの継続的な運用は自衛隊のような組織でなければ維持できない」
以前の記事で詳しく書きましたが、下地島を利用しないと、無人機、特に防衛省が開発を進める無人機研究システムの実戦配備は困難です。
無人機研究システム(技本HPより)
災害拠点という、これまた耳障りの良い詭弁を弄していることには賛成できませんが、南西諸島防衛という観点では、下地島の利用は欠かせませんし、尖閣諸島を強行偵察する能力確保のために、無人機とそれを運用する適地の確保も必須です。
幸い、甚大な災害となった津波被害のためか、この話に対して沖縄世論の反発もほとんどないようです。
となれば、粛々と進めて欲しいところです。
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コメント
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下地島を自衛隊が利用できるようになるのは喜ばしいのですが、
かように日本の防衛力を向上させる提案を、
周辺国や国内左翼の皆様が見過ごしてくれるとは思えません。
必ずや一波乱二波乱が巻き起こることでしょう。
「無人機は事故率が高いから危険やで!」
みたいな・・・
投稿: イヌザメ | 2011年7月 7日 (木) 22時30分
災害拠点という言葉には、少しズルいニュアンスを感じてしまいます。
しかし、このような時でもないと国内左翼の皆様が騒いでうるさいのでしょう。
平時の日本.では、今だにまともな防衛議論ができない。。。。。
朝日新聞などの国内左翼の皆様は、美麗字句に弱いですねぇ~~
李登輝前総統の来日に、あれほど神経過敏に反対してたのに、李登輝前総統
の病気治療という美麗字句の前に、ひれ伏してしまった朝日新聞は。。。。。
投稿: | 2011年7月 8日 (金) 00時36分
災害支援は、今や世界中で軍事予算獲得の口実として多用
されてますね。
現に、自衛隊の地位向上は阪神大震災がきっかけでしたし
東日本大震災でも輸送網が寸断された場合の支援手段として
強襲揚陸艦と空母の使い勝手の良さが実証されましたし。
海自のひゅうがやおおすみ型も想定通りの活躍をしましたので
今後は災害支援を名目にした自衛隊の運用構想に反対する
勢力はほぼ見当たらないと見ていいでしょう。
「詭弁を弄す」というのは言い過ぎではないでしょうか。
所詮、軍隊もツールですから使う者の考え方次第ということです。
戦争であれ災害であれ、生活基盤が大規模に破壊される有事
であることには変わりませんから。
投稿: kuro | 2011年7月 8日 (金) 06時03分
「うそはついていない。だが本当のことも話していない」というのは詭弁でよろしいかと。
まぁ多少ニュアンスが悪いかもしれないとは思いますが。「方便」とすればもう少しやわらかくなりますかね? 国会戦術上仕方のないことではありますが、原理原則を明確にしない軍備が、実際の有事運用に悪影響を与えはしないかと心配になります。
投稿: | 2011年7月10日 (日) 09時06分
>「方便」とすればもう少しやわらかくなりますかね?
どのみち、防衛に関する決定の是非が綺麗ごとや言葉の綾に
振り回されるのは戴けないですね。
正面切って「中国への牽制」と言い切ることが外交上の下策
になる現状では、こういう物言いになるほかないでしょう。
まさか「正直に言わないから下地島は使わせない」だなんて
話は無いわけですから。
投稿: kuro | 2011年7月10日 (日) 10時28分
防衛省としてはたとえ軍事上ベストではないと分かっていても、現状取り得るもっともベターな手段を講じる以外に方法がありませんからね。それが方便や詭弁の類であったとしても。
彼らがベストを選べる環境を築くのは、どちらかといえば政治家や有権者の仕事になります。
投稿: | 2011年7月10日 (日) 11時33分
イヌザメ 様
無人機は安全性に疑問があるからこその下地島です。
下地島は、空港の関係者以外、ほとんど人が住んでいません。
事実上一体の伊良部島側には多少いますが、事故があった際に影響のありそうな民間人がほとんどいないということが下地島の大きなメリットです。
名無し 様
まあ、本音と建て前の国だからかもしれませんね。
私が指摘するまでもなく、本音が災害派遣にないことは明白ですが、新聞もどこも何もいいませんから。
「お前は災害派遣に反対するのか?」と言われかねない今の状況だからかもしれませんが。
kuro 様
名無し 様
本音は災害派遣ではないので、やっぱり詭弁じゃないでしょうか。
私も、制服を着ていたときには同じ詭弁を使っていた(災害派遣の可能性がありますから、現地を見せて下さいとか)ので、防衛省を責められる立場ではないのですが……
やはり、責められるべきは有権者ですよね。
投稿: 数多久遠 | 2011年7月10日 (日) 21時29分
数多様
正に有権者の責任です。 高学歴社会になっているはずなのに、
大学で軍事学を教えていない教育の問題でもあります。
何回でも申し上げますが、日教組のバカな教育のお蔭です。
投稿: | 2011年7月11日 (月) 00時41分
まあ軍事音痴大国、日本ですから詭弁を弄するのは致し方ないかと。
それでも下地島が使えるようになるのは良いことですよね。
投稿: 藤宮 直樹 | 2011年7月11日 (月) 13時24分
そりゃ日本国民からして、
「自衛隊は軍隊ではございません!」
という凄まじい詭弁をカマしているわけですから、
自衛隊にだけ誠実性を求めるのはおかしな話ですよね・・・
投稿: イヌザメ | 2011年7月11日 (月) 19時17分
名無し 様
大学もそうですが、高校の公民に防衛問題がほとんど無いことは問題ですよね。
藤宮 直樹 様
確かに詭弁を弄してでも実を取がとれれば良いのですが、結果国民が軍事音痴なままになってしまうんですよね。
民主主義国である以上、国民自身が学ばないといけないんですが……
イヌザメ 様
そう言えば、それが最大の詭弁でしたね。
投稿: 数多久遠 | 2011年7月11日 (月) 22時02分