ブログランキング&ツイッター

  • 軍事・防衛 ブログランキング
  • ツイッター

« 馬毛島の集結拠点化には防空上の懸念が | トップページ | 地震兵器・津波兵器は実用化されている? »

2011年7月12日 (火)

那覇のF-15墜落原因について

今月5日、那覇のF-15が墜落しました。

地元紙では電子号外も出ています。

既に墜落から一週間が経過していますが、パイロットは未だ発見されていません。
この時期の沖縄近海は暖かく、いくら生存可能時間は長いと言っても、さすがにもう難しいでしょう。

空自発表では、事故発生から8時間あまりが経過した同日1820分現在で、墜落が断定されましたが、その後は正式な発表はありません。
那覇基地所属F-15Jの飛行訓練中の墜落について(第3報)

あまり情報が無く、憶測めいたことを書いても良くないので記事にはしていなかったのですが、こうなると機体の引き上げがされない限りは、あらたな情報が出てこない可能性が高いので、現時点での情報を整理して、可能性のある事故原因を考えてみます。

事故の概要は次の通りです。(空自発表に報道での情報を加えてます)
09時59分頃 4機編隊の1番機として戦闘機戦闘訓練のため、那覇を離陸
10時29分頃 那覇から北西 約185Kmにおいて、当該機と思われる戦闘中止のボイス「ノック・イット・オフ」があり、その後僚機から緊急状態(エマー)宣言の通信があった。当該機が緩やかに高度を下げていったとの別のパイロットからの目撃証言あり。ベイルアウトした形跡は未確認
10時33分頃 レーダーからの機影消失確認
10時46分頃 僚機が破片らしきものを確認

その他の情報
・事故時は、機体同士が300メートルまで接近することもある戦闘訓練中
・訓練の難易度としては基本的な訓練
・4機とも実弾は搭載しておらず、ほかの戦闘機による誤射の可能性はない。

この事故、最初聞いたときには、空対空の戦闘訓練中だったとのことでしたので、G-LOCとかバーティゴとか、あるいはフレームアウトからの再始動失敗とかだろうかと思ったのですが、訓練中止は自分で宣言しながらエマーは宣言していないなど、ちょっと変った状況のようです。

事故原因が不明で、機体の不具合の可能性もあるため、空自は対領侵任務に就けている以外のF-15は飛行を一時停止していましたが、機体の不具合ではなさそうに思えます。
(飛行訓練は本日より再開)

今回の事故発生場所は、入間川河川敷に墜落したT-33の事故のように、市街地に近い訳でもなく、それどころか海のど真ん中ですから、地上の被害を考慮してベイルアウトを遅らせる必要は考え難いです。
何とか機体を持ち帰ろうとして無理をした可能性はないこともないですが、エマー宣言さえないことと矛盾します。
翼の破断とかが発生し、急激な姿勢変化によるGや頭を強打して気を失ったとすれば、ノック・イット・オフを宣言できたことと矛盾しますし、意識はあっても回復操作に手一杯だったとしても、やはりエマー宣言くらいはできたと思われます。
それに、緩やかに高度を下げていったとの情報とも矛盾します。

とすると、可能性としては一部報道でも言われていたパイロットの身体的な不具合が発生したのではないか、という気がします。
搭乗していた川久保3佐は、まだ37歳で、しかも健康には問題なかったはずですから、可能性としては低いのですが、ありえない話ではありません。
なにより、目撃証言を含めた状況と矛盾しません。
もし、「ノック・イット・オフ」を告げたボイスが苦しげだったりした場合は、その可能性が高いのではないかと思います。

なにぶん情報が少ないので、推測とまで言える話ではありませんが、考えてみました。

最後に、ほんの一部ですが、腹の立つ報道もあったので紹介しておきます。
F15墜落 漁業者・首長に不安」(沖縄タイムス11年7月6日)
F15戦闘機墜落事故 那覇市長が空自に申し入れ」(琉球新報11年7月7日)

7/13追記 救難信号を海自が受信という情報を失念してました。この情報の「救難信号」というのがELTであれば、ベイルアウトできている可能性が高いですが、ELTが出ていれば海自から通報の前に11管でも受信できていた可能性が高く、またELTが出せるならパイロットは浮いているはずで、未だに発見されないというのは、ちと不自然です。エマーの通報が、誤伝達でそのように報道されているのかもしれません。

また、機体か操縦士に異常があったとして、「ノック・イット・オフ」の宣言後60秒以内に墜落したとの情報も出てきています。

« 馬毛島の集結拠点化には防空上の懸念が | トップページ | 地震兵器・津波兵器は実用化されている? »

事故」カテゴリの記事

コメント

本当に心配なのですが、続報が無いので若干イライラしてます。
ベイルアウトしてないと、救難信号も出ないのでしょうか?

事故が起こると、待ってましたとばかりに騒ぎ立てますネ(苦笑)

やん 様
救難信号の件、失念してました。
ELTかどうかハッキリませんが、リンクを貼った電子号外にも救難信号を受信とありますね。

ELTであれば、ベイルアウトできている可能性も高いですが、海自から通報の前に、11管でも受信していておかしくないので、ちょっと疑問でもあります。

この機体欠損はF-Xで穴埋めされますよね?
何か財務省辺りが、
「良い機会だから戦闘機定数を削減しよう」
とか言い出しそうで怖いです・・・

イヌザメ 様
残念ながら、損耗予備分として確保されている機数がありますから、FXで穴埋めされることはないです。

数多様
ベイルアウトできていれば、しつこいくらいの救難信号が発信される仕組み
になっていますので、今日現在でも発見されていないということは、現実的
に考えるとかなり厳しい状況だと思います。 非常に残念なのですが・・・・

沖縄タイムズか報道しているオスプレイ反対決議ですが、沖縄県民の方々
は部品供給にも困っているCH-46を飛ばし続けることを望んでいらっしゃる
ということになりますが、普通に考えれば最新鋭のオスプレイの方が安全性
は高いと思います。「 沖縄タイムズ大丈夫か?」と思ってしまいます。
しかし、自衛隊が大嫌いな沖縄タイムズの方が、事実は正しく報道している
のかも知れません。

名無し 様
ELTの件は、仰るとおりですから、未だ発見されてないことからみても、当初報道の「救難信号」というのがELTではない可能性が高いと思います。

沖縄タイムスと琉球新報は、事実とは関係なく、米軍のやることに反対したいだけですから、あんまり気にしなくていいかと。

お正月番組の「さんたく」で、キムタクがブルーインパルスに乗りましたが、
入間の教育の時に「救難信号出し過ぎ!」と、さんまが言ってました。
あれだけ信号出せるなら、パイロットはすぐに発見されても良いはずですネ。
戦闘機乗りの宿命とは言え、非常に辛いことです。

やん 様
ユーチューブで番組を見ましたが、救難信号の下りは出てきませんでした。ユーチューブにUPされる時に編集でカットされたのかもしれません。

ベイルアウトして発信されたのならば、一旦発信されれば、その後沈むとかは、余程のことが無い限りありえませんし、発信されていれば、発見できないこともないと思いますから、やはり、ELTではなかったのではないかと思います。
海面に突っ込んだ拍子に、何かのはずみで作動したという可能性も0ではないでしょうけど。

数多様
こちらにアップされてました。

http://www.youtube.com/watch?v=Hpm2BAQUJHc&feature=related

何度見ても、ブルーは凄いと思ってしまいます。 編集なのかも知れませんが、
ブルーに乗って気絶しなかったキムタクも凄いです。

ベイルアウトせずに、海面に突っ込んだとしても救難信号は発信されるので
しょうか? かなり生存の可能性が低くなっていますが、最後まで生存を
信じていたいです。

すいません! 名前が載っていませんでした。
↑のコメントは下名のものです。

や(やん?) 様
ベイルアウトしてなければ、発信されることはないと思いますが、海面に突っ込んだ衝撃で、あるいは、ということは無いとは言えない、という程度じゃないでしょうか。

また名前が中途半端になり、大変失礼しました。 少し酔っ払っていました(汗)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 那覇のF-15墜落原因について:

« 馬毛島の集結拠点化には防空上の懸念が | トップページ | 地震兵器・津波兵器は実用化されている? »

アマゾン

  • 航空自衛隊 副官 怜於奈4
  • ようこそ、自衛隊地方協力本部へ 航空自衛隊篇
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈3
  • ルーシ・コネクション 青年外交官 芦沢行人
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈2
  • 機巧のテロリスト
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈
  • 北方領土秘録 外交という名の戦場
  • 深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃 (文庫)
  • 半島へ 陸自山岳連隊

最近のトラックバック

ブックマーク、RSS