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2011年6月26日 (日)

自衛隊における「強姦」

現役自衛官時代、常習犯という訳ではありませんが、なんどかやりました。
その都度、随分と怒られたんですが……

怒られて済む話じゃないだろ、と思うでしょうが、自衛隊用語の「強姦」は、なんとか怒られれば済みました。(後述しますが、怒られて済む話でもないのですが……)

たぶんこのブログを読んで下さっている方には、現役、元自衛官も多いと思いますが、自衛隊用語の「強姦」なんて知らない、という方も多いと思います。
と言うのも、これは幹部、それも司令部勤務をするような幹部でないと、あまり使う機会がないのです。

さて、この「強姦」は、文書を起案する幕僚に対して、次のように使います。
「次の訓練の実施般命(はんめい)は、まだ決裁受けに行ってないのか。お前、強姦するつもりか?」
「強姦」の意味は、これ以上文書の決裁が遅れると、実施に支障が生じるようなギリギリの時期になって、始めて決裁を受けようとすることで、指揮官に、決裁印を押させることを強要することを言います。
決裁に赴きながら、何度もダメ出しをくらったようなケースでは、普通使いません。

ですので、部隊の動きを指揮官がほぼ把握できているような規模の部隊、具体的に言うと指揮官が1佐までの部隊ですと、決裁が遅れている段階で、「オイ、あの件はどうなってるんだ?」という話になって、「強姦」が起るようなケースはあまりありません。
自ずと、「強姦」が行われるのは、指揮官が記憶だけで全部を動かすようなことが難しく、多くの幕僚がいる大きな部隊で、指揮官は将官であるような司令部、ということになります。

そうなると、「強姦」の対象は、多くは初老の男ということになりますから、改めて考えてみると気色の悪い話です。
品も良くありませんね。

この「強姦」をやらかす幕僚は、私の記憶では、まじめで几帳面な、いわゆる血液型で言う(これってエセ科学らしいですが)ところのA型人間に多いような気がします。
各方面に綿密な調整を行い、しっかりした文書を作ろうとした結果、ズルズルと〆切りに近づいてしまい、「強姦」することになってしまうのです。
「適当に作って指導を受ければいいさ」と考えている人間は、「強姦」はしません。

冒頭で書きましたが、「強姦」やらかすと、当然に怒られます。
ただ、本当に怖いのは、激怒するタイプの指揮官ではなく、仕方ないと思いつつも決裁印を押してくれるような指揮官です。
例えると、田母神元空幕長のようなタイプです。
「強姦」の文書を持っていった時、こう言う方が、渋い顔をしたときは、訓練などの時期の変更や中止を考えている時ですから、調整した隷下の幕僚になんと言ってお詫びをするか、また休暇の時期をずらさなければならなくなる隊員のことを考えると、背筋に冷や汗が流れます。
対して、怒るタイプの指揮官は、ここをこのように直して文書を発簡しろ、という方が多いので、隷下部隊にも「司令官がこのように言いました」と言えばいいので、気分的には楽です。

最後に、真面目な話を。
さて、この「強姦」ですが、司令官の意図に反するような決裁をさせることもある訳ですから、これは「幕僚統制」そのもので、言うまでもなく、指揮統制上、非常によろしくありません。
もしかすると、旧軍では結構多かったのかも知れません。

なお、最近は、司令部に勤務するような女性自衛官も増えてきているので、この用語も、セクハラだということで、使えなくなってきているかも知れません。

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コメント

下名の業界では、見積納期を完全に無視して短納期発注されることを「強姦」と
言っています。(笑)

こういう時、米軍の方がマシなスラングを思いつきそうですね。

そう言えば去年かな、航空自衛隊の教育部隊に女性司令官が誕生しましたね。確か教育部隊の教育基地だった防府南基地の基地司令も兼ねていたような。
「強姦」ですか、こりゃちょっとしゃれにならないかもね。

やん 様
業界が違うと意味も変ってきますね。
そっちもマズそうですが……

空 様
アメちゃんは、スラングの数もハンパないです。
自衛隊なんか大人しい方かと……

防府太郎 様
そう言えばいらっしゃいましたね。
確かに、あそこでは使えませんね。

もっとも、教育は、やること同じでも毎年違った人間が入ってきます。そのため、命令とかはそんなに変えなくてもOKなので、「強姦」は少ないと思います。(変えずにいようと思っても、嫌でも想像を絶することが起きます)

サヨクの方々が知ったら発狂するかも・・・

イヌザメ 様
大目に見てやって下さい。
昔は男ばっかり社会だったから、こう言う用語もできたんでしょうね。

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