空自基地の脆弱度
空自の基地は、2つの点で、脆弱度が増加しています。
軍事板常見問題&良レス回収機構に時期不明なミクシィからの転載らしいやり取りが乗っていました。
気になったのは、「よく「空自基地は堅固なシェルターがないので,開戦と同時に巡航ミサイル飽和攻撃で飛行機アボンだよ」と言われているのですが,これはどの程度事実なのでしょうか?」という質問だったのですが、この点に関して、状況は以前より悪化していると言っていいでしょう。
シェルター(えん体)は、千歳と三沢および小松にそれなりの数を備えているものの、他はほとんどありません。
特に、衝突の可能性が高くなっている南西方面に至っては、那覇はゼロという状態です。
これは、自衛隊が長らく北方偏重で来たためです。
那覇など、これから整備を考えたとしても、周囲の海を埋め立てるのでもなければ、場所さえありません。
下地島は、全面的に使えるのであれば、シェルターを作る用地も十分にあります。
最近の動きを見てると馬毛島を基地化する動きもありますが、何にせよどこを使うのかはっきりさせてシェルターは整備しないといけません。
また、前述の質問に対して、巡航ミサイルはVADSで迎撃できると言っている方がいましたが、これは間違いです。
確かに撃てば当たる可能性がないことはないですが、射手がゴルゴ13だったら、というレベルです。
以前の記事「GUN派が息を吹き返すか?」で書いたとおり、巡航ミサイルを迎撃可能なGUNシステムはあり、実際売り込みもありましたが、空自はVADS後継の調達には動いていませんので、巡航ミサイルの迎撃手段は、パトリオットと陸自の中SAM、そして今年から調達が開始された短SAM(改Ⅱ)だけです。
ここでも問題がいくつかあります。一つにはパトリオットが弾道弾迎撃用として、都市部の防護などで取られてしまうことがほぼ確実なこと。そして、陸自が空自の基地防空支援をしてくれるかどうかが怪しいことと短SAM(改Ⅱ)の今後の調達数及びペースが十分でない可能性があることです。
巡航ミサイルではなく、弾道弾の脅威もあるのですから、個人的にはパトリオットを基地の防空に当てるべきだと思っています。
都市部への攻撃に関しては、中国が大量破壊兵器弾道弾で投射してくる可能性は政治的に低いですし、通常弾頭の弾頭ミサイルでは効果がたかが知れてます。(東京に打ち込まれでもしたら、それでもパニックになるんでしょうけど……)
空自がステルス機として渇望するF-35が配備されたとしても、基地がアボーンされたら終りですから、もっと重点的に施策されるべきだと思います。
*消印所沢氏へ
もし見ていらっしゃいましたら、VADSの件は修正して下さい。
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