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2011年5月 2日 (月)

断郊競走

先日、ネットサーフィンしていたところ、懐かしいモノを目にしました。
それは、断郊競走についての記事です。

断郊競走とは、一般的な意味では、森や野原、丘など起伏のある必ずしも道でないところをコースとしたクロスカントリーレースを指すようです。

ですが、自衛隊での断郊(競走)は、ちょっと違います。
自衛隊での断郊が一般的な意味と違う点は、次の2点です。
①装備(弾帯、背嚢、水筒、銃など10kg程度)を持つ
②数人を1チームとしたチーム走(最後のメンバーがゴールした時がチームのゴール)

普通なら単に荷物を付加したチーム走になるのですが、このルールを言葉通りに解釈して行われるレースの場合、非常に面白いレースとなります。
このルールを、言葉通りに解釈すると、メンバー間で協力を行っても良いことになります。
つまり、装備を足の速い者が持ってもOKですし、足の遅い者を他のメンバーが引っ張っても良いのです。

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防大タイムズ&防衛大学校同窓会HPより

チーム走ですから、普通は足の遅いメンバーをどれだけ鍛えられるかで勝敗が決まりますが、この協力OKルールですと、足の速い者も、より多くの負荷を負うことでチーム全体を速くできるため、単なる体力だけでなく、どれだけ団結力があるかも試されます。
軍隊にはピッタリの競技と言えるのです。

この断郊、やってみると非常に面白い競技です。
ただし、めっちゃキツイです。
多くの荷物を持ったりするため、足の速い人もキツイのですが、でもやっぱりキツイのは足の遅い人です。
何せ、弾帯を引っ張られ、背中を押されて自分の限界を超えた走りを強いられます。ルームランナーで自分の能力以上の速度を指定され、強制的に走らされるようなモノです。
だからこそ、断郊競走で勝利した時には、この上ない喜びとなります。

学校教育でもやったら、良い思い出になること請け合います。
しかし、ただでさえ日本は小学校から軍隊教育をしている(整列したり、一同礼なんてやっているため)なんて言われるのに、そんなことやった日には、完璧に軍隊だと言われかねませんが……

しかし、ここまで良い点ばかり書いてきた断郊競走ですが、自衛隊でも恒常的に行われてはいません。
なぜかと言うと、装備を持つことや個人の体力の限界を超えた走りを要求されるため、怪我をする可能性が高いのです。
靴が半長靴や編上靴なのも一因です。

それでも、退職してからそれなりに経過したにも関わらず、断郊は、良い思い出として残っています。

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