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2011年5月30日 (月)

書評「迎撃せよ」

大規模停電を描いたクライシスノベルなど、スケールの大きなミステリーを多数書かれている福田和代氏による、ミリタリーサスペンスです。



書店で拍子につられて買ったのですが、スケールの大きな小説を書いているとは言え、特に軍事関係に詳しい訳ではない方が、自衛隊を正面から書くのはちょっと荷が重すぎたか……

私としては、こう言った小説が増えてくれることは喜ばしい事だと思っているのですが、如何せん、軍事は非常に深く広い知識がないと小説としてストーリーが破綻してしまいます。
それ故、書き手も少ない。

福田氏は、それに挑んでくれたのですが、やはりちょっと残念な結果になってしまったか、と言うのが正直な感想です。

と言うのも、ミステリー全般に言えることですが、読者は小説の先を予測しながら読みます。当然、その推理は論理的でなければならず、軍事物を描くのであれば、軍事的に正しく推論できるように書いてなければなりません。
ですが、パトリオット部隊や警戒管制部隊を直接取材をされたものの、簡単な誤謬が前半から散見され、「果たしてこの先、まともな展開をするのか?」という疑念が湧いてしまって楽しく読めませんでした。
そしてラストは案の定、テロリストの動機が「そんなのありえん!」という著者の勘違いをベースに書かれています。

と、先にマイナス点ばかり書きましたが、軍事物というと、前線の一兵卒がスーパーマン的な活躍をするアクション小説か、主人公が誰だか良く分からないような群像劇が多い中、多くの情報が集まる指揮統制機能の中の人間を、その人間に焦点を当てて描いており、リアリティあるミリタリー物の「小説」を書こうとしているところは評価したいと思います。

返す返す残念なのは、軍事面の知識の不足からくる勘違いをベースに書かれていることで、取材の際に、ある程度プロットを話して確認を取れば良かったのに……と思えます。
もっとも、小説としてまとめる前にプロットを人に話すというのは、新作マジックのネタを公開前に明かすようなものなので、作家として難しいのは良く分かりますが……

アマゾンのレビューも、あまり芳しくありませんが、著者がこれに懲りず、また軍事物を書いてくれることを期待してます。

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コメント

軍事小説といえば、パトリック・ロビンソンのニミッツ・クラスは面白かったですよ。

空 様
アマゾンでも新刊は手に入らないみたいですから、こんど古本屋で見てみます。

海外では、軍事ものは数多いですね。
書く方も、読む方も知識がある方が多いせいでしょう。

日本の場合、大戦前後の架空戦記は多いですが、現代物になるとグッとへりますね。
まあ、自衛隊が実際に戦闘してないからだと考えれば、良い事かもしれませんが。

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