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2011年4月 6日 (水)

F-2水没でパイロット育成方法見直し

当然に予想されていたことですが、震災によるF-2水没被害でパイロットの育成方法が見直されます。

ソースは読売新聞ですが、ネットには載っていないので転載しておきます。

操縦士育成方法見直し 防衛省方針 空自松島基地被災で(読売新聞11年4月5日)

 防衛省は4日、宮城・松島基地を拠点に行っていた航空自衛隊のF2、F4両戦闘機のパイロット育成方法を見直す方針を決めた。
 東日本大震災で同基地が大きな被害を受けたためだ。週内に岩崎茂航空幕僚長ら幹部による対策会議を開き、具体案作りに着手する。
 松島基地では、パイロット育成用に使ってきた18機のF2全機が津波に流されたり、水に浸かったりした。このほか、T4中等練習機4機、U125A救難捜索機2機、UH60J救難ヘリ4機も被害を受け、被害額は航空機だけで最大2300億円に上る見込みだ。
 修理して使用が可能になるかどうかを調べる内部点検も終わっておらず、新たに調達する場合も5、6年かかるとみられるという。
 このため、対策会議では、①育成業務を他の基地で代替できるか、②他の基地のF2を育成用に松島基地に移せるか――などを中心に検討を進める。
 同省幹部は「松島基地の被災は日本の防空体制の維持にボディーブローのように効いてくる」と懸念しており、早急に見直し案をまとめて実施に移す考えだ。


松島のF-2は18機は、基本操縦課程及び戦闘機操縦基礎課程を終了したパイロットに対して、実戦部隊で使い物になるように戦闘機操縦課程の教育を施すために使用されていました。
もしこの18機が全損であれば、このままだと戦闘機操縦基礎課程を修了し、戦闘機を飛ばすことだけはできるようになったヒヨっ子パイロットを、即実戦部隊に送らざるを得なくなります。

そうなれば、部隊の負担は過大なものになり、記事にあるコメントのように「防空体制の維持にボディーブローのように効いてくる」ことになるでしょう。
ちなみに、F-15での同等の教育は、新田原の第23飛行隊が実施しています。

F-16Bをリースして代用すると言った意見もありますが、次の図を見れば分かるとおり、原型がF-16であっても、翼面積等大きく異なっているために操縦特性には違いがあり、代用は難しいです。
松島での教育が、戦闘機操縦基礎過程であれば良かったかもしれませんが、現場で使い物になる戦技を教え込む戦闘機操縦過程の教育用としては、使えません。
F2andf16
F-2とF-16の機体平面形比較(wikiより)

記事によると、対策会議でまな板に乗る案としては次の2案があります。
①育成業務を他の基地で代替
②他の基地のF2を育成用に松島基地に移す

三沢の第3飛行隊か第8飛行隊あるいは築城の第6飛行隊に任務を移す、あるいは飛行隊自体を教育集団隷下に入れて第21飛行隊にとって替わらせるということになります。
対象となる部隊は、対領侵の負担などを考えれば第6飛行隊が良いかなとも思いますが、そうなると西空の実戦配備機は、F-15が第304飛行隊1個とF-4が第301飛行隊1個となりあまりにも手薄な感があります。やはり2個飛行隊ある三沢のどちらかを教育任務に当てることになるのでしょう。

どちらにしても、「ボディーブローのように効いてくる」ことは避けられません。

それを避けるには、以前から主張しているようにFXをF-2の再生産とし、教育所要を含めて追加調達することが望ましいのではないでしょうか。
この点では、ブログ「朝日将軍の執務室」を書いている朝日将軍氏と同意見です。
<ほぼ日刊ラプターJ 468機目>F2戦闘機を90機緊急調達が望ましい

ただし、朝日将軍氏が書いているRF後継や損耗予備まで含めるのは、この予算逼迫のなか難しいと思います。
私は、その金があるなら、FXXの開発資金に回すべきだろうと思います。

F-2では殲20やT-50に太刀打ちできないと見向きもありますが、空自の場合、敵地上空で戦う可能性は低いのですから、対ステルス化した地上レーダーとリンクを使った連携をとりつつ、AAM-4改のさらなる能力向上を図るなど、国産であることのメリットを活かせば対応可能ではないかと考えています。

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F-X選定問題」カテゴリの記事

コメント

 私は敢えて、アメリカに許諾をとって日本国内完全生産してF-2を電子機器のみアップデートバージョンでF-X分も含み再生産を期待したいです。

 こうなってしまうと下手に新型機を使い出すのは兵站に予算面での負担を増やす事と一応F-2生産による一部副次効果も期待出来るからです。

MHIが松島に出張って、F-2Bの水没状況を診断するらしいです。
実際には水没機を、小牧に返却しないと正確な被害状況を診断
するのは難しいと思います。

その一方で、4月11日にF-XのRFP説明会が開催されることが官報
で発表されています。
F-Xに予算を使うとなると、F-2B再生産に予算を回すことは困難に
なってしまいます。 

下名もF-2A/Bの追加生産には大賛成です。
今回のF-XのRFPは、F-2A/Bの再生産も選択肢に入っているのでしょうか?

電子機器が浸水するのは致命的でしょうし、海水は金属を腐食させる性質がありますので機体も再利用可能かは非常に懸念されるところです。福島第一原発を今回は廃炉にせざるを得ないのは海水を使った為もあります(配管の腐食や塩が配管に詰まる)。

機体規模≒発展余裕がもう少し大きければ決断も簡単だったんでしょうね。
つくづくエンジンを双発にできなかったことが悔やまれます。
F404双発にしていれば、グリペンのようにF414への換装で大幅な推力強化が実現していたでしょうに・・・

100siki 様
FXのRFPも出たので、いよいよ再生産の目はなくなってきましたが、もし再生産するとなったら、アメリカがラインの再開をする可能性も低いでしょうし、完全国内生産になるのではないでしょうか。

私も兵站面は懸念事項だと思います。

やん 様
MHIによる現地補給諸整備は補正で予算が付きそうですね。
FXの選択肢にF-2再生産は入っていないですが、考慮要素に国内基盤への考慮が入っているようなので、大どんでん返しもゼロではないかと……

アシナガバチ 様
海水は悪影響間違いなしですが、電子部品の浸水、即廃品という訳ではありません。
整備の過程では、水洗いすることもあるようです。
テレビを水洗いするなんて荒技も聞いたことありますし……

名無し 様
双発F-2ですか。
しかし単発のF-16を双発化していたら、ほとんど新規開発に等しかったのではないかと思います。
カッコ良さそうですから、見てみたい気はしますけど。

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