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2011年3月10日 (木)

防空ハリネズミ論・ハリネズミ防空論

去る3月5日、日本兵法研究会の定例講演会として、佐藤守氏による講演「空の国防戦略 『日本防空針ネズミ論』」が行われました。

佐藤守氏は、南混団司令などを務めた元空将で、現役時代から積極的に情報発信を行ってきた名物男です。
現在もブログ「軍事評論家=佐藤守のブログ日記」を書くなど、精力的に活動されています。
私は、直接お顔を拝見させて頂いた事はないのですが、ユーモア溢れる話口等、評判は頻繁に耳にしました。
ちなみに、結構長い間、佐藤ヒカルというニックネームを本名だと勘違いしておりました。(何せ、みんなそう呼んでいたので……)
理由は、推して知るべしなのですが、ご本人も自虐ネタにしているので大丈夫でしょう。

さて、今回の記事の趣旨は、佐藤氏のニックネームについてではありません。講演の論題にある「防空ハリネズミ論」について、私が耳にしてきた情報とちょっと違う点があるため記事を書くことにしたのです。

始めに断っておきますが、私は今回の講演を聴きに行ってはいません。
ですので、講演の詳細は知りませんので、あくまで氏のブログに書かれている情報を元に書きます。

氏のブログ「賞味期限切れの普天間移設」に転載されている講演案内を見ると、「防空ハリネズミ論」とは、迎撃ミサイルで日本を覆うという構想とのことで、氏が1等空尉時代に研究したものだそうです。
この「防空ハリネズミ論」は、氏のブログのかなり古い記事「ホリエモンより防衛意識向上を!」にも、「漫画的発想の論文」として言及されています。

前掲ブログ記事を見ると、時の空自上層部から「面白いヤツだ」とか、「ナイキ屋
(SAMプロパーのこと)の手先」(当時の空自SAMはナイキ。佐藤氏はP)といった評価を受けていたとのことです。

氏は、1等空尉時代に論文を執筆したと書かれていますので、時期は、1970年代前半だと思われます。

ハリネズミの用語自体は、1950年代から使用されていたようで、wikiにも「ハリネズミ防衛論」として記述があります。「防空ハリネズミ論」は、これを防空に応用したものだと言えるでしょう。

また、書かれたのが1970年代前半だとしたら、1973年にエジプトが第4次中東戦争でハリネズミ防空を実証したのと、ほぼ同時期と言えます。

ですので、私は氏以外にも同様の事を考えていた人間がいたとしても、不思議とは思いません。
特に、氏が中傷されたような「ナイキ屋」ならなおさらでしょう。

私が耳にしていたのも、そう言った話でした。
私が聞いていた話では、ある「ナイキ屋」が「ハリネズミ防空論」(語順だけだが、微妙に違う)として、SAMのみによる防空の方が経済的だとして、FI不要論を唱え、結果として、空自内で閑職に追いやられた、というものでした。

噂の真偽は知りません。
ですが、実際に第4次中東戦争で局地的にせよハリネズミ防空が機能するところを見れば、そう言った論が出てきてもおかしくはないでしょう。

ここでは、論の適否には言及しませんが、こう言った論が、少なからず存在したということは事実です。

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コメント

すばらしい考えだと思います。
そして、それを掘り出したブログ主にも感謝です^^;
大変勉強になり、思想洗脳も無いのでこのブログがとても大好きです。

個人的に質問したいことがあるのですが、公にも出来ないんで
質問できるところがほしいです。(無理なお願いですが)

質問内容です
F-2についてのお話なのですが、沖縄での飛行記録など知っていることがあれば
教えていただけるとありがたいです。

メールでも良いので、お願いします。

ハリネズミ防空論を聞くたび、ベトナム戦争以前に『これからはミサイルの時代だから(戦闘機の)機銃はいらない』っていう話を思い出します。

ハリネズミ論にも何種類かあるのでしょうか?

素人 様
F-2の沖縄での飛行ですが、那覇での航空祭の時に展示のために飛来している他、嘉手納所属機との日米合同訓練などで飛行しています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-29626-storytopic-1.html
http://runway36r.exblog.jp/10149155/
個人的には、特にF-2が沖縄でどうこうと言った話は聞いた記憶がありません。
対艦攻撃能力が高いので中国は注目しているでしょうが、沖縄の地元紙も単なる転地訓練程度では注目もしていないみたいです。

みやとん 様
バリエーションは多いでしょうね。
ただ、航空戦力を攻撃ではなく防御主体で使おうという発想自体、世界では異端ですから、実践されたケースは少なく、多くは机上の論理です。

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