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2011年1月11日 (火)

防衛計画の大綱&中期防改正_その5 弾道ミサイル対処&高射関連

弾道ミサイル対処と高射関連も、なかなか注目点がありました。

まず弾道ミサイル対処ですが、大綱において、イージスについてはあたご型2艦もBMD対応となることとされた上、「護衛艦隻数の範囲内で、さらに追加的な整備を行い得る」とされており、状況の進展如何では、イージスBMD艦がさらに増える可能性を打ち出しています。
加えて、噂もあったパトリオット全高射群のPAC-3化が明示されました。

大綱は、今後10年を念頭に置いた指針なので、全高射群のPAC-3化は驚きませんが、7隻目以降のイージスBMDを視野に入れているというのはちょっと驚きでした。
北朝鮮だけでなく、中国からの弾道ミサイル攻撃も視野に入れてのことではないだろうかと想像します。

続いて、高射関連です。
今回の大綱及び中期防で高射関連最大の注目点は、統合の強化の一環として、空陸の高射部隊統合について言及されたことです。
大綱では「整理、共同部隊化、集約・拠点化等により、統合の観点から効果的かつ効率的な体制を整備」とされていますし、中期防では「高射部隊について統合の観点から効果的かつ効率的な体制整備に向けた検討を推進」となっています。

大綱の別表中では、まだそれぞれに高射部隊を持つことが明記されているので、10年以上先の話ではありますが、高射部隊は、空自か陸自、どちらかに集約されることになりそうです。

恐らく両幕間で相当の綱引きがあるでしょうから、最終的にどちらに転ぶか分かりませんし、どちらが適当かと聞かれても、正直甲乙付けがたいものがあります。
ここではあまり深く書きませんが、パトリオットや中SAM、ホークは、空自部隊(警戒管制、航空機)との協同を考えれば、空自集約が望ましいことになります。
ですが、短SAMや近SAM、それに87AWとなると微妙です。

以前の記事「陸自高射特科の全般防空使用は試金石」で少し書きましたが、統合という観点では陸自SAMも全般防空に使用されるべきですし、今回の大綱改正は、以前のように、空海自衛隊は開戦劈頭から両者の壊滅まで、陸上自衛隊はその後に実施される着上陸の後を考えるという乖離した思想ではなく、同じ戦場を想定して作成されていますので、私は陸自高射特科も空自に移管されるべきだと思っています。

ただし、短SAMなどのSHORADまで部隊運用をすることを空自は嫌がるかもしれません。
となると、中SAMは空自移管する代わりに、空自の基地防空部隊は陸自移管されるという官僚的痛み分けもあり得る話に思えてきます。

逆に、高射団を編成して、部隊運用のコストを下げるという観点からしたら、陸自への移管の方が望ましいとも言えます。

どっちになるのか、悩ましい話題です。

大綱と中期防に戻ります。
この他の高射関連の動きは、前回記事(沖縄配備)でも触れた沖縄所在の15旅団への中SAM連隊配備(+もしかすると短SAM中隊も)の可能性です。
中期防の記述を見ると、主に巡航ミサイル対処を念頭に置いた配備のようです。

最後に、一つ残念な点があるので、そのことを書いておきます。
現在、陸自の高射特科連隊は8個あり、旧大綱でも8個高射特科群とされています。

ですが新大綱の別表では「7個高射特科群/連隊」となっています。
沖縄の第6高射特科群を連隊化するようですので、「7個高射特科群/1個連隊」という表記なら分かるのですが、これでは1個高射特科群が単純に廃止になるように見えます。
防空は重視するとされている中、誤記なら良いのですが、どうも高射特科も若干の純減となるようです。

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防衛政策」カテゴリの記事

コメント

北海道新聞では第1または第4高特群が廃止との報道がありました。

「はたかぜ」と「しまかぜ」の後継はやがて必要ですから、それはイージス艦以外にないのであり、既定路線と言えば既定路線になります。BMD対応かどうかは別問題ですが。
某K氏が呟いた2015年度予定の9000t級ポストイージス艦も気になるところです。

さむ 様
北海道のどちらかだろうとは思っていましたが、やはり現地ではそういう情報も出ているんですね。
駐屯地の整理統合とかとも絡んできそうな気配。

アシナガバチ 様
BMD対応艦としないのであれば、DDGの後継艦は国産レーダーとシステムを積んでイージス艦としない選択肢だってあるのですから、既定路線とは言えないでしょう。
もっとも、艦載レーダー技術なんかも切り捨てる範囲に入ってくるかもしれませんが……

9000tですか。
大型化する分、隻数は減るんでしょうけど、中国が潜水艦戦力を拡大すると十分な監視網が引けないのではないんじゃないかな~なんて、気の早い懸念も出てきます。

数多様
艦載レーダー技術まで切り捨て対象に入ってるんですか?!?!
全てを国産でまかなうことにばった場合には、重要な技術だと思うのですが。。。

やん 様
いえ。入っている可能性もないとは言えないだけで……
警戒管制レーダーの必要性もあるので、大丈夫だとは思いますが……

護衛艦が減るとしても潜水艦は増強のようですから、領海侵入を拒否する力は増すのでは?

空 様
潜水艦の場合、目標を探知する能力がソナー頼みなので、監視能力としては下がると言わざるを得ないと思います。
どこにいるか分からないので、牽制という意味では高くなると思いますが。

フォークランドで英原潜がアルゼンチンの空母と巡洋艦に張り付いて監視していましたから、それほど低いとは思いませんが・・・。

空 様
問題は、最初に如何に早く発見するか、そのための監視網がどれだけの広さを持つかです。
水上に対しても、水中に対しても、DDHと潜水艦では監視網の広さは雲泥の差ですよ。

概ね同意ですが、潜水艦なら悟られずに監視できます。
それから、9000級ポストイージスの話かと思いましたが、DDHですか・・・。

空 様
DDHは極端な例をだしただけですが……
ポストイージスもDDGですし。

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