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2011年1月 8日 (土)

防衛計画の大綱&中期防改正_その4 沖縄配備

大綱及び中期防における沖縄への戦力配備についてまとめてみます。

まず最初に関連報道から
県内2島に実戦部隊 防衛大綱決定/宮古・石垣想定か」(沖縄タイムス10年12月18日)

 部隊配備の場所は明示していないが、沿岸監視部隊は与那国島、実戦部隊の2島は宮古、石垣両島を想定しているとみられる。一定の規模を持たせるという。


与那国への沿岸監視部隊配備は、以前の報道でもほぼ規定路線となっていましたし、中期防に「南西地域の島嶼部に、陸上自衛隊の沿岸監視部隊を新編し配置」と明記されましたので、確定と言えるでしょう。

問題は、宮古・石垣への実戦部隊の配備ですが、以前報道されたような普通科部隊が配備されると思われる明確な表現は、大綱中には見当たりません。

ただし大綱には「島嶼部への攻撃に対しては、機動運用可能な部隊を迅速に展開し、平素から配備している部隊と協力して侵略を阻止・排除する」とされており、この「平素から配備している部隊」がこれに当たる可能性があります。
また、中期防には、「島嶼部に初動を担任する部隊を新編するための事業に着手」となっており、今後5年間は現地調査等を実施し、その後に部隊配備となる可能性がありそうです。

また、宮古・石垣への普通科配備は明確にはならなかったものの、その一方で中期防において、移動警戒部隊(TPS-102装備の移動式レーダーサイト)について、「移動警戒レーダーを南西地域の島嶼部に展開」となっています。
「配備」ではなく「展開」との表現なので、常駐ではないはずですが、移警隊展開用の用地確保などが行われる可能性が考えられます。
(ちなみに移警隊自体は、現在も那覇基地に第4移警隊が所在しています)

ここからは憶測ですが、この移警隊展開のための措置は石垣島の可能性が高いです。
既にレーダーサイトのある宮古島に展開して単なるバックアップとするなら、中期防に明記して予算を付ける布石を打つ必要性が乏しい上、宮古島分屯基地は標高わずか108mしかなく、展開しても尖閣上空の低高度域(以前の報道では2000m以下)は監視不可能です。(もちろん既存レーダーサイトも同じです。)
対する石垣島は最高標高が526mあり、ここに展開地を確保できれば尖閣上空にも、より良好なレーダー覆域を確保できる可能性があります。

また、大綱の中で、島嶼部について「部隊が活動を行う際の拠点、機動力、輸送能力及び実効的な対処能力を整備」となっており、恐らく空輸拠点を設ける考えが示されていますので、次の3点のどれかが行われる可能性が高いのではないかと推測されます。
①ヘリポートを有する宮古島分屯基地の能力拡大
②宮古空港の旧ターミナル地区の活用
③新石垣空港の一部に自衛隊の使用を前提とした施設の設置
分屯基地の能力拡大は、やれてもたかが知れているので、おそらく②か③でしょう。

次に、沖縄本島に目を転じても、注目すべき部分が何点かありました。

最も重要なのは、事前に報道もあった那覇基地への1個飛行隊移駐と83空隊の航空団への格上げです。
これで、以前にも記事「21年度スクランブル実績」にした204飛行隊への非常なロードは、少しは緩和されるでしょう。
ただし、機種がF-15となるのかF-2となるのかを占う情報はありませんでした。
航空団については、何という名前となるのか注目です。既存1個航空団が廃止になるので、そのナンバーを引き継ぐのか、第9航空団となるのか……

また、報道もされていたE-2Cの展開については、中期防で「南西地域において早期警戒機(E-2C)の整備基盤を整備し、常時継続的に運用し得る態勢を確保する」とされており、整備場や要員の待機場所等が那覇基地に確保されることになりました。

パトリオットについては、全高射群のPAC-3化が大綱で明記されたので、沖縄の第5高射群もPAC-3化される訳ですが、中期防では1個高射隊分しか能力向上が行われないことになっており、以前の記事「H23概算要求-その3_SAM関連」で書いた1個高射隊のみのPAC-3化という歪な形態が、5年は続く見込みのようです。

そして、既に概算要求で内容の見えていたパトリオット以上に注目なのは、陸自の高射特科が追加配備される可能性が中期防で盛り込まれた事です。
中期防の陸自部隊の見直しについて「1個高射特科群を廃止し、これに伴い1個の旅団内に高射特科連隊を新設するとともに、即応性、航空輸送力等を一層向上させるため、1個の旅団について改編を実施する」となっています。
15旅団だとは書かれていませんが、南西重視となった今回の改正ですし、同じく中期防中の「(2)島嶼部に対する攻撃への対応」の項「(ウ)防空能力の向上」において、「巡航ミサイル対処を含む……(中略)、中距離地対空誘導弾の整備を推進」となっており、中SAM連隊が新設となる方向のようです。
15旅団には元からホークを有する第6高射特科群があったので、これを廃止して連隊を新設するということなのだと思いますが、中期防中の中SAMの整備が4個中隊なので、中隊数が増えるとも思えないものの、なぜ群ではなく連隊なのか判然としません。
もしかすると、中SAM化だけではなく、巡航ミサイル対処を根拠として、短SAM(改Ⅱ)中隊も新設されるのかもしれません。少なくとも、単にホークから中SAMに更新となるだけではないでしょう。

また、中期防の「迅速な展開・対応能力の向上」の項に入っているため、沖縄配備ではない可能性がありますが、「地対艦誘導弾を整備」となっており、南西諸島での使用を念頭に置いた整備で地対艦誘導弾が追加調達されます。

沖縄への部隊配備については以上です。
加えて、当然ではありますが、輸送ヘリやC-2の整備も盛り込まれています。

今回の記事の長さを見ても、各所で報道されているとおり、南西重視がハッキリしめされた大綱&中期防の改正でした。

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コメント

宮古ではなくて下地島に新たなレーダーを備えて自衛隊とともに共同利用する可能性はどうなのでしょうか?

中国漁船が韓国艇ぶつけて死者もでたことですし、沖縄の防衛を求める世論も高まってきていると思うのですが、そういう話はないのですか?

まあ、民主党政権なので表現をぼかさざるをえなかった点もあるかもしれませんね。

ただ実戦部隊を配備するのは極めて高く評価しても良いですね。
お花畑サヨクや県外の運動家に邪魔されない事を願っています。

移警隊を展開するための土地にはどのような条件が必要ですか?また、展開地までヘリでの空輸は可能ですか?
石垣島最高峰(沖縄県最高峰)の於茂登岳(526m.)には、各種アンテナ類が設置されてはいますが、拝所もありますし、そんなに「空き地」は無いような・・・
現在登山道が崩落してるので(http://www.y-mainichi.co.jp/news/17438/)その復旧を名目に車道をつくるということも可能なのかもしれませんけど。いわゆる「神聖な山」だと思ってるし、自然保護の観点から、車道をつくるのは私としては賛同できませんが。
於茂登に展開しなくても良くて、ウワサのあるアソコでも良いのならば別に構いませんけどね(笑)

新石垣空港はどうかなぁ?先日、新空港見学会(http://www.y-mainichi.co.jp/news/17390/)に行ってきましたけど、拡張性が無いように見えるんですよね、素人目ですけど。普通科部隊の配備とあわせてなら、周辺の利権にあぶれた白保の人とか、某政治家絡みの土地ならありえそうな気が・・・

与那国への配備は決定だと思います。地元の意思としてもそれを願っているし。あとは、軍事的に沖縄から与那国までの距離をどう埋めるのか。宮古島か?石垣島か?
沖タイだから煽る為の飛ばし記事かもしれないし・・・
石垣島に来てくれよ~
総論賛成各論反対になりそうだけどさぁ~

1個高射特科連隊の新編は15旅団でしょうね
第6高射特科群に近SAMと短SAM装備の中隊を加えて5~6個中隊編制にするのではないでしょうか?

みやとん 様
下地島は、標高としては宮古島とほとんど変らないので、レーダー覆域を確保するという意味では、それほどアドバンテージがないです。
伊良部島の白鳥崎はレーダーの設置場所として悪くないと思いますが、下地、伊良部の両島にはSAM用レーダーを多数展開させないといけませんから、場所としてはそちらに譲った方が良いかと。

地元はそれほど反対が強い訳ではないみたいですね。
問題なのは県外左翼でしょうね。

名無し 様
TPS-102の展開要件として正確なところは知りませんが、車体規模などを勘案すれば、10m四方程度の水平に近い平坦地があればOKでしょうね。
重機があれば、大抵の場所にすぐ造成できる程度です。

車体部と切り離せばヘリでスリング懸吊もできそうですが、結構大変そうな気がします。

石垣の最高地点でなくとも、中腹等でも十分に効果はあるでしょう。
懸念されているとおり、障害は、地元の方の感情でしょうね。
自分達を守るためのモノだと理解しれくれれば良いのですが。
アソコって何処でしょう。気になる……

空港は、大綱の書きぶりを見ると、投入拠点としての場所であって常時多数の人員を置いておく訳ではないでしょうから、拡張性はそれほどなくても良いかと。
逆に、だからこそ大綱のような書き方なのかもしれませんが。
以前にも書きましたが、普通科のそれなりの部隊を置くなら訓練用地も必要ですし……

宮古(陸続きの伊良部下地含む)と石垣は、どちらかあるいは両方に何らかの部隊が配備になるでしょうね。
中期防に明記されてないので、5年以上先でしょうけど。

SUS 様
私も、その当たりではないかと想像します。
有事には先島、本島に分散配置しないといけないことを考えるともう少し大規模でもいいかと思いますが、その辺の手当は本土から展開でしょうね。


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