ナゾの基地警備教導隊
今年度もあと2ヶ月程度となってきましたが、年度末に向けて気になっていることがあります。
それは、空自に基地警備教導隊が新編されるのか、ということです。
これに関連して、以前にも「H21概算要求-基地防衛教導隊」という記事を書いてますが、極めて重要な機能でありながらも、縮減される防衛予算の中、部隊新編はかなり難しいのではと思っていました。
ですが、今年度(22年度)中に、基地警備教導隊が新編されるという情報があるのです。
それも、飛ばし記事を書くとは思えない朝雲新聞がソースだったりします。
「22年度防衛費 重要施策を見る<4> 航空自衛隊 一線の即応性重視 F2、F15を近代化改修」(朝雲新聞10年3月25日)
【部隊改編】総隊司令部の事態対処機能の強化、基地警備教導隊(仮称)の新編、航空教育隊生徒隊の整理、航空教育隊教育群の改編。
しかしながら、本記事の記事タイトルを「ナゾの基地警備教導隊」とした通り、他に何ら情報がないため、果たして本当なのか訝しんでいます。
防衛省が公開している予算等の概要には、部隊の新編として「陸上自衛隊警務隊に中央警務隊(仮称)を新編【新規】」とあるのみです。
概算要求の資料にも載っていません。今年度予算分の概算要求については、政権交代にともなって作り替えが行われたので、作り替えられる前の概算要求資料も見てみましたが、こちらにも載っていません。
防衛省の公開資料は、あくまで概要なので、全てが載っている訳ではないのですが、それなりの規模になることが予想される部隊の新編について、載っていないというのは、ちょっと不自然です。
朝雲が間違いだったのか、それとも本当に新編されるのかは、あと2ヶ月程度で分かると思いますので、情報を待ちたいと思います。
さて、では朝雲の記事が正しかったとしたら、基地警備教導隊が果たしてどんな部隊になるのか、簡単に予想してみようと思います。
ここで重要なのは、以前の情報にあった基地防衛教導隊から基地警備教導隊に名称が変っていることです。
名前だけじゃないの?
と思う方もいるかと思いますが、お役所でもある自衛隊においては、言葉には定義があり、名前が変るというのは非常に重要です。
「基地防衛」という言葉は、航空自衛隊の中では「基地警備」を包含する概念で、「基地警備」の他に、短SAMなどを用いる「基地防空」なども含まれる言葉です。
つまり、以前に報じられていた20年度に200人規模の部隊として新編と言うのは、現在千歳基地に所在している高射教導隊隷下の基地防空教導隊を含めた部隊であったと思われるのです。
ですから、基地防衛教導隊から基地警備教導隊に名称が変ることで、基地警備教導隊は、基地防空教導隊を含まないことになり、人員規模は200名から大幅に少なくなるだろうと思われます。
具体的な数を占う要素はありませんが、1個小隊を大きく上回らない数、せいぜい5から60人程度なんじゃないかな、と思っています。
次に場所です。
これを占う情報はありませんが、ズバリ入間基地以外には考えられません。
基地警備教導隊は、平時には各基地の警備小隊を教え導くことが任務になりますが、有事になれば、敵の攻撃が予想される基地に機動運用されます。
となれば、迅速に展開できる輸送能力も無ければ展開できません。
入間基地にはC-1、U-4を擁する2輸空隊がありますし、CH-47を擁する入間ヘリコプター空輸隊もあります。
小牧基地も輸空隊がありますが、ヘリコプター空輸隊がありませんし、航空総隊の基地ではないので普段の訓練等に支障があるかもしれません。
指揮(編制)は、航空総隊の直轄部隊がもっとも動きやすいと思われますが、規模が数十人で総隊の直轄部隊となると、本部機能もそれなりに必要になってしまうので非効率です。
もしかすると、入間の中警団隷下としながら、有事には総隊が引っこ抜いて指揮転移させるという指揮運用もあるかもしれません。
予想としては以上です。
さて、予測ばかりで記事を書きましたが、果たしてどうなりますことやら。
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