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2011年1月

2011年1月 2日 (日)

明けましておめでとうございます

新年
明けましておめでとうございます。

当ブログですが、移転前のアメブロ時代を含めると3回目のお正月、継続期間は約2年半となりました。
ここまで続けてこれたのも、ひとえにご覧頂いている方々のおかげです。
ありがとうございます。

今年も、(航空)自衛官目線で、
ゆるゆると気張らずに続けて行こうと思っておりますので、よろしくおつきあい下さい。

どれだけ応えられるか分かりませんが、記事リクエストなどもあれば、なるべく努力致します。

また、本来もっと頑張るつもりの小説執筆ですが、今年はなんとか1本まともに書き上げようと思っております。
多くの方に読んでもらうために、シミュレーション小説という型にははめず、ジャンルとしてはミリタリー・サスペンスとなる見込みです。本音を言えばあまり書きたくはない陰謀がらみの話にはなりますが、それでもそれを端緒に軍事・防衛に興味を持ってもらえるような話にしたいと考えています。
一応、小説賞への応募を考えていますが、選に漏れたら(その可能性大ですが)当ブログでの連載等、web公開も考慮しています。
(このくらい宣言しないと、なかなか筆が進みません)


2011年1月 3日 (月)

初のダーティボム対処訓練

国民保護訓練では初となるダーティボム対処訓練が行われます。

国民保護訓練で初 放射性物質テロ想定 来月、茨城県庁会場に」(朝雲新聞10年12月9日)

訓練想定は、ダーティボムが爆発した場合となっており、テロを想定しているようです。

ですが、それ以上に現実味のある話は、北朝鮮による弾道ミサイル攻撃にダーティボムが搭載される場合です。

北朝鮮が核開発を進めていますが、兵器級核兵器の開発には、ウラン型を急いだとしてもまだしばらく時間を要する見込みです。

ですが、ダーティボムなら今すぐにでも作れます。
極端な話、核廃棄物を詰め込めば良いだけなのですから。

おまけに、イージスSM-3での迎撃では、さすがに広範に拡散してあまり意味のない攻撃になってしまうでしょうが、SM-3の防衛網をくぐり抜ければ、例えPAC-3で迎撃されても、その核物質の多くは地上に降り注ぐ結果となります。(むしろPAC-3での迎撃をしない方が除去は楽かもしれません。)

ですが、ディプレスト弾道で打ち込まれる場合、イージスSM-3での迎撃は難しくなります。
ディプレストでダーティーボムを打ち込まれることを想定すれば、もっと積極的に対処訓練を行っておく必要があるでしょう。

2011年1月 5日 (水)

原発防護 イスラエルに倣うなら法整備が必要

イスラエルが原発上空でアンノウンを撃墜したニュースが報じられています。

イスラエル、原発上空で未確認飛行物体を撃墜」(CNN10年12月17日)

イスラエル国防省は16日、ネゲブ砂漠にあるディモナ原子力発電所の上空で空軍が未確認飛行物体を撃ち落としたと発表した。
未確認飛行物体は飛行禁止区域に現れたため、空軍が緊急発進して撃ち落としたという。

(中略)
空軍の対応は、物体を検知した場合の対応手順に従ったものだと国防省は説明している。


ホントは日本もこれくらやらないといけないと思いますが、やるための法的裏付けさえないのが実態です。

唯一、コレに近い対応が出来るのは、自衛隊法第82条の3に定められた弾道ミサイル等に対する破壊措置だけです。(もちろん対象は弾道ミサイルの可能性のある目標だけ。それも防衛大臣による命令が必要です。)

本当なら、以前もちょっとだけ言及した領域警備の一つとして法的枠組みが整備されることが必要です。

何か起きてからじゃないと法整備もされないのが日本の悪い癖です。
実害が無い程度に、誰か原発にテロでもしてくれないだろうか。(小型機で突っ込む程度なら大丈夫ですから)

2011年1月 8日 (土)

防衛計画の大綱&中期防改正_その4 沖縄配備

大綱及び中期防における沖縄への戦力配備についてまとめてみます。

まず最初に関連報道から
県内2島に実戦部隊 防衛大綱決定/宮古・石垣想定か」(沖縄タイムス10年12月18日)

 部隊配備の場所は明示していないが、沿岸監視部隊は与那国島、実戦部隊の2島は宮古、石垣両島を想定しているとみられる。一定の規模を持たせるという。


与那国への沿岸監視部隊配備は、以前の報道でもほぼ規定路線となっていましたし、中期防に「南西地域の島嶼部に、陸上自衛隊の沿岸監視部隊を新編し配置」と明記されましたので、確定と言えるでしょう。

問題は、宮古・石垣への実戦部隊の配備ですが、以前報道されたような普通科部隊が配備されると思われる明確な表現は、大綱中には見当たりません。

ただし大綱には「島嶼部への攻撃に対しては、機動運用可能な部隊を迅速に展開し、平素から配備している部隊と協力して侵略を阻止・排除する」とされており、この「平素から配備している部隊」がこれに当たる可能性があります。
また、中期防には、「島嶼部に初動を担任する部隊を新編するための事業に着手」となっており、今後5年間は現地調査等を実施し、その後に部隊配備となる可能性がありそうです。

また、宮古・石垣への普通科配備は明確にはならなかったものの、その一方で中期防において、移動警戒部隊(TPS-102装備の移動式レーダーサイト)について、「移動警戒レーダーを南西地域の島嶼部に展開」となっています。
「配備」ではなく「展開」との表現なので、常駐ではないはずですが、移警隊展開用の用地確保などが行われる可能性が考えられます。
(ちなみに移警隊自体は、現在も那覇基地に第4移警隊が所在しています)

ここからは憶測ですが、この移警隊展開のための措置は石垣島の可能性が高いです。
既にレーダーサイトのある宮古島に展開して単なるバックアップとするなら、中期防に明記して予算を付ける布石を打つ必要性が乏しい上、宮古島分屯基地は標高わずか108mしかなく、展開しても尖閣上空の低高度域(以前の報道では2000m以下)は監視不可能です。(もちろん既存レーダーサイトも同じです。)
対する石垣島は最高標高が526mあり、ここに展開地を確保できれば尖閣上空にも、より良好なレーダー覆域を確保できる可能性があります。

また、大綱の中で、島嶼部について「部隊が活動を行う際の拠点、機動力、輸送能力及び実効的な対処能力を整備」となっており、恐らく空輸拠点を設ける考えが示されていますので、次の3点のどれかが行われる可能性が高いのではないかと推測されます。
①ヘリポートを有する宮古島分屯基地の能力拡大
②宮古空港の旧ターミナル地区の活用
③新石垣空港の一部に自衛隊の使用を前提とした施設の設置
分屯基地の能力拡大は、やれてもたかが知れているので、おそらく②か③でしょう。

次に、沖縄本島に目を転じても、注目すべき部分が何点かありました。

最も重要なのは、事前に報道もあった那覇基地への1個飛行隊移駐と83空隊の航空団への格上げです。
これで、以前にも記事「21年度スクランブル実績」にした204飛行隊への非常なロードは、少しは緩和されるでしょう。
ただし、機種がF-15となるのかF-2となるのかを占う情報はありませんでした。
航空団については、何という名前となるのか注目です。既存1個航空団が廃止になるので、そのナンバーを引き継ぐのか、第9航空団となるのか……

また、報道もされていたE-2Cの展開については、中期防で「南西地域において早期警戒機(E-2C)の整備基盤を整備し、常時継続的に運用し得る態勢を確保する」とされており、整備場や要員の待機場所等が那覇基地に確保されることになりました。

パトリオットについては、全高射群のPAC-3化が大綱で明記されたので、沖縄の第5高射群もPAC-3化される訳ですが、中期防では1個高射隊分しか能力向上が行われないことになっており、以前の記事「H23概算要求-その3_SAM関連」で書いた1個高射隊のみのPAC-3化という歪な形態が、5年は続く見込みのようです。

そして、既に概算要求で内容の見えていたパトリオット以上に注目なのは、陸自の高射特科が追加配備される可能性が中期防で盛り込まれた事です。
中期防の陸自部隊の見直しについて「1個高射特科群を廃止し、これに伴い1個の旅団内に高射特科連隊を新設するとともに、即応性、航空輸送力等を一層向上させるため、1個の旅団について改編を実施する」となっています。
15旅団だとは書かれていませんが、南西重視となった今回の改正ですし、同じく中期防中の「(2)島嶼部に対する攻撃への対応」の項「(ウ)防空能力の向上」において、「巡航ミサイル対処を含む……(中略)、中距離地対空誘導弾の整備を推進」となっており、中SAM連隊が新設となる方向のようです。
15旅団には元からホークを有する第6高射特科群があったので、これを廃止して連隊を新設するということなのだと思いますが、中期防中の中SAMの整備が4個中隊なので、中隊数が増えるとも思えないものの、なぜ群ではなく連隊なのか判然としません。
もしかすると、中SAM化だけではなく、巡航ミサイル対処を根拠として、短SAM(改Ⅱ)中隊も新設されるのかもしれません。少なくとも、単にホークから中SAMに更新となるだけではないでしょう。

また、中期防の「迅速な展開・対応能力の向上」の項に入っているため、沖縄配備ではない可能性がありますが、「地対艦誘導弾を整備」となっており、南西諸島での使用を念頭に置いた整備で地対艦誘導弾が追加調達されます。

沖縄への部隊配備については以上です。
加えて、当然ではありますが、輸送ヘリやC-2の整備も盛り込まれています。

今回の記事の長さを見ても、各所で報道されているとおり、南西重視がハッキリしめされた大綱&中期防の改正でした。

2011年1月11日 (火)

防衛計画の大綱&中期防改正_その5 弾道ミサイル対処&高射関連

弾道ミサイル対処と高射関連も、なかなか注目点がありました。

まず弾道ミサイル対処ですが、大綱において、イージスについてはあたご型2艦もBMD対応となることとされた上、「護衛艦隻数の範囲内で、さらに追加的な整備を行い得る」とされており、状況の進展如何では、イージスBMD艦がさらに増える可能性を打ち出しています。
加えて、噂もあったパトリオット全高射群のPAC-3化が明示されました。

大綱は、今後10年を念頭に置いた指針なので、全高射群のPAC-3化は驚きませんが、7隻目以降のイージスBMDを視野に入れているというのはちょっと驚きでした。
北朝鮮だけでなく、中国からの弾道ミサイル攻撃も視野に入れてのことではないだろうかと想像します。

続いて、高射関連です。
今回の大綱及び中期防で高射関連最大の注目点は、統合の強化の一環として、空陸の高射部隊統合について言及されたことです。
大綱では「整理、共同部隊化、集約・拠点化等により、統合の観点から効果的かつ効率的な体制を整備」とされていますし、中期防では「高射部隊について統合の観点から効果的かつ効率的な体制整備に向けた検討を推進」となっています。

大綱の別表中では、まだそれぞれに高射部隊を持つことが明記されているので、10年以上先の話ではありますが、高射部隊は、空自か陸自、どちらかに集約されることになりそうです。

恐らく両幕間で相当の綱引きがあるでしょうから、最終的にどちらに転ぶか分かりませんし、どちらが適当かと聞かれても、正直甲乙付けがたいものがあります。
ここではあまり深く書きませんが、パトリオットや中SAM、ホークは、空自部隊(警戒管制、航空機)との協同を考えれば、空自集約が望ましいことになります。
ですが、短SAMや近SAM、それに87AWとなると微妙です。

以前の記事「陸自高射特科の全般防空使用は試金石」で少し書きましたが、統合という観点では陸自SAMも全般防空に使用されるべきですし、今回の大綱改正は、以前のように、空海自衛隊は開戦劈頭から両者の壊滅まで、陸上自衛隊はその後に実施される着上陸の後を考えるという乖離した思想ではなく、同じ戦場を想定して作成されていますので、私は陸自高射特科も空自に移管されるべきだと思っています。

ただし、短SAMなどのSHORADまで部隊運用をすることを空自は嫌がるかもしれません。
となると、中SAMは空自移管する代わりに、空自の基地防空部隊は陸自移管されるという官僚的痛み分けもあり得る話に思えてきます。

逆に、高射団を編成して、部隊運用のコストを下げるという観点からしたら、陸自への移管の方が望ましいとも言えます。

どっちになるのか、悩ましい話題です。

大綱と中期防に戻ります。
この他の高射関連の動きは、前回記事(沖縄配備)でも触れた沖縄所在の15旅団への中SAM連隊配備(+もしかすると短SAM中隊も)の可能性です。
中期防の記述を見ると、主に巡航ミサイル対処を念頭に置いた配備のようです。

最後に、一つ残念な点があるので、そのことを書いておきます。
現在、陸自の高射特科連隊は8個あり、旧大綱でも8個高射特科群とされています。

ですが新大綱の別表では「7個高射特科群/連隊」となっています。
沖縄の第6高射特科群を連隊化するようですので、「7個高射特科群/1個連隊」という表記なら分かるのですが、これでは1個高射特科群が単純に廃止になるように見えます。
防空は重視するとされている中、誤記なら良いのですが、どうも高射特科も若干の純減となるようです。

2011年1月15日 (土)

遠交近攻の常道 日米印で戦略対話

最近、日米韓の協力が話題になることが多いですが、長期的にはそれ以上に重要な日米印の戦略対話が開始されます。

日米印が戦略対話創設へ…中国の海洋進出けん制」(読売新聞11年1月5日)

 2011年前半に局長級協議を開始し、早期の閣僚級会合開催を目指す。

(中略)

 テロの脅威への対応に加え、中国が海軍力を増強させていることへの対応という意味合いがある。


中国と基本的に敵対で、国力・軍事力とも相当に大きく、地理的に中国を挟んで向こう側にあるインドと安全保障上の結びつきを強めることは、遠交近攻の常道的良策です。

インドは1959年の中印紛争でインド領に侵攻した中国軍に領土を奪われ、その後もその状態が継続しています。

そして、経済発展が著しく、軍事力も増強されてきている上、核と弾道ミサイルも有しています。

何より、振興国の中では民主化も進んでいます。

日本が軍事的に接近する相手として、非常に好ましい条件をそろえていると言えるでしょう。

もし、日本とインドが軍事的な結びつきを強くすれば、尖閣が危機的状態になっても、インドが中国の後背を扼してくれ、わが国は事態を有利な方向に導きやすくなります。

新大綱では、日本が協力すべき国として、アメリカ以外では韓国とオーストラリア、そしてインドが具体的な国名として上げられていました。
この戦略対話を、是非積極的に推し進めて欲しいものです。

2011年1月17日 (月)

北沢防衛大臣再々留任

あんまり書くことないのですが、防衛大臣については、毎回書いてきたので、ちょっとだけ。
第3次菅内閣でも北沢防衛大臣が再々留任となりました。

防衛計画の大綱見直しもまとめ上げ、仕事には一区切り付いたでしょうから、そろそろ変えるのでは、と思っていたのですが、民主党は余程の人材難のようです。

まあ、変なのにならなかったので良しとすべきなんでしょうか。

2011年1月18日 (火)

FX選定本格スタート

 FX選定のプロジェクトチームがスタートし、選定作業が本格化してきました。

次期戦闘機選定のPT発足 防衛省、F35など比較検討」(共同通信11年1月7日)

この関連で、ちょっと気になったのは共同通信が報じた北沢防衛相のコメントです。

 北沢俊美防衛相は、会議の冒頭で「スケジュールが極めて厳しい中、スピード感を持って検討しなければならない。国民の理解が得られるようなプロセスでしっかりと機種選定をしていきたい」と述べた。


「国民の理解が得られるようなプロセス」とのことですが、FXの選定に関して、防衛省・空幕は、今までほとんど何も明かして来ませんでした。

年末から、J20の写真が出回ったり、初飛行のニュースが報じられたりする中、どのような脅威を想定し、何処を基地として使用して、何処を戦域として設定するのか、そして敵を撃墜するのか、行動を阻害するだけで良いのか等、詳細は明かせなくても、概略だけでも公表しなければ、国民の理解なんて到底無理じゃないでしょうか。

国民はお上の決定を伏して拝聴すれば良い、と思っているのでなければ、もう少し説明をして欲しいところです。



2011年1月20日 (木)

アフガンでの教育訓練取りやめに

防衛関係では、自民党時代から法を無視した詭弁が横行していますが、最悪の例になりそうだったアフガン医官派遣は見送りになりました。

アフガン医官派遣「先送り」首相、決断避ける」(産経新聞11年1月12日)

 政府は11日、年明けを想定していたアフガニスタンへの自衛隊医官の派遣を先送りする方針を固めた。自衛官の「教育訓練」名目での派遣には自民党が強く反対しており、衆参ねじれで難航が予想される通常国会を前に、菅直人首相が火種となりかねない外交課題で政治決断を避けたためだ。


教育訓練名目で派遣して、もしテロの被害にでもあったら、単なる事故とでもして処理するつもりだったのでしょうか。

自民党が特措法を求めていたので、特措法案をまとめさえすれば、成立は難しくない話でした。
何ができなかったかと言えば、首相が民主党内をまとめられなかっただけの話です。

政権政党として、やるべき事ができないなら、さっさと退場して下さい。

2011年1月22日 (土)

防衛計画の大綱&中期防改正_その6 その他&まとめ

大綱及び中期防関連で、いままでの5回の記事で取り上げた以外で気になった点を上げるとともに、まとめとして陸自へのエールを書きます。

まず、その他の一つは「拡大抑止」です。
大綱の中で、拡大抑止の信頼性向上が必要だとされました。

拡大抑止とは、同盟国に対する核攻撃に対して、核をもって報復するという、いわゆる「核の傘」と同義の言葉です。

従来の大綱でも、核に対する攻撃に対しては核の傘に期待することになっていたのですが、その信頼性向上を図る、逆に言えば信頼性が怪しくなっているという現状認識が表わされたことはありませんでした。

普天間問題などによって生じた、民主党政権による日米関係の冷え込みを懸念しての言葉かもしれません。

もう一つは泥縄のアパッチ再調達です。
再調達の方向は、23年度の概算要求に盛り込まれていたため見えていた話ではありますが、それを反映するように中期防で3機のアパッチ調達が盛り込まれました。

防衛省は、一言も触れてませんが、富士重工による提訴に勝てる見込みがなく、この3機の調達で予定調達数から削減された機数分のライセンス料や設備投資分を含めることで、裁判を和解に持って行くつもりなのでしょう。

このこと自体は、そもそもその費用が予算計上されなかったために発生した問題なので、処置としては妥当だと思います。

ですが、防衛省は52機の調達予定を13機で打ち切らなければならなくなった失策の説明を国民に行っていません。

今回の大綱改正は、そのために非常に良い、そして最後の機会だと思いましたが、臭いものにはフタ方式で通すつもりのようです。

ここからは、今回の大綱及び中期防改正のまとめになりますが、このアパッチの調達数削減とも関係してきます。

言うまでもなく、今回の改正で、もっとも変革を求められている軍種は陸です。
「本格的な侵略事態への備えについては、不確実な将来情勢の変化に対応するための最小限の専門的知見や技能の維持に必要な範囲に限り保持することとする。」とされ、戦車や火砲が大幅に削減されましたが、アパッチの調達数削減もこのコンテクストに沿った話です。

大綱の改正は、もともと2009年中に行われる予定でしたし、当然もっと前から内容は検討されています。
その検討に整合をとったため、アパッチも2008年度予算を最後に調達を打ち切るつもりだったと見るべきです。

従来の大綱では、「本格的な侵略事態」を考慮していた訳ですが、その際の陸自の戦闘は、着上陸への備えであり、航空優勢や制海権を巡る空海の戦闘の敗北の後のことを考えてたのです。
つまり、同じ戦争を見ているハズの3自衛隊の内、陸自は海空とは別の局面を見ていた訳です。

従来の大綱下では、統合を巡る話が3自衛隊間で行われても、陸と海空は、それぞれ全く別の局面を見ているため、話が噛み合いようがありませんでした。

この話がもっとも端的に表れるのが、以前の記事「陸自高射特科の全般防空使用は試金石」で書いた、陸自高射特科の扱いです。
空自としては、中SAMやホークも航空基地等のポイントディフェンスに使用できれば、FIは相手の接近を阻止するために無理な体勢で戦闘する必要が少なくなり、FIの損耗も減って航空優勢確保をしやすくなります。
ですが、攻撃する側とすれば、航空作戦の初期にSEADの実施は必須です。そうなれば、中SAM、ホークもつぶされる可能性が高くなり、陸自が想定している着上陸対処間の師団防空には使えなくなります。
当然、陸自はそれを嫌がり、パトリオットがつぶされる間も、中SAM、ホークについては隠匿することを望みます。
統合どころか、協力さえろくに出来なかったのです。
大綱は軍政事項のものであり、用兵への言及は少ないですが、統合強化などを謳う内容となっているため、今後は防警計画などで、陸自SAMも「全面的に」全般防空へ投入されることになるでしょう。

今回の大綱では、陸自の使い方は、航空優勢や制海権の確保と同時に行われる可能性のある、小規模部隊による侵入などに的確に対処することに主眼があるように思われます。
陸自の使い方を抜本的に変えているのです。

このため、陸自は大きな変革を余儀なくされます。
変革には痛みを伴うでしょう。
表面的には、自殺者や服務事故の増加といった形で現れるかもしれません。

ですが、これは正しい方向への進化だと思います。
陸自には、痛みを乗り越えて新生陸自として生まれ変わって欲しいと切に願います。

2011年1月24日 (月)

尖閣事件、中国船船長、元海上保安官とも起訴猶予で幕引き

尖閣事件は、漁船を巡視船に体当たりさせた中国船船長、そしてそれを記録したビデオを流出させ公開した海上保安官の両名とも、起訴猶予とすることで、幕引きとなりました。

元海上保安官、中国船船長とも起訴猶予」(産経新聞11年1月21日)

この幕引きを一言で括るなら、おもねりの産物と言えるでしょう。

元海上保安官に関しては、心情的には罪に問いたいとは思っていませんが、法的には、どちらも有罪となるべき犯罪だと思っています。

そのどちらも、筋を通すことなく、おもねりの結果として、お茶を濁そうというのが今回の処置です。
中国船船長に関しては、中国におもねり、元海上保安官に関しては国民におもねっています。

筋を通さずに事態の解決だけを求める政府は、これからも各国からゴリ押しされるだけではないでしょうか。

なお、元海上保安官のテレビインタビューがブログ「テレビにだまされないぞぉ
」に載ってます。

2011年1月25日 (火)

海保YS-11引退、運用は自衛隊のみに

YS11:海保最後の機体がお別れの一般公開」(毎日新聞11年1月)

海保のYSが引退となり、YS-11の運用は自衛隊のみとなります。
空自では、現在も電子戦機や飛行点検機として使用されていますが、想像に難くない通り、機体の老朽化で稼働率などには問題があります。(機数も少ないですし)
飛行点検型YS-11FC
Img_4845

点検機の方はU-125に変って行くので問題ないのですが、問題は電子戦機の方です。
C-2を電子戦機とする研究もなされていましたが、先般の大綱及び中期防でも言及はされませんでした。

現場はかなり苦労してると思いますが、ヤリの穂先にだけ注力し、他はおざなりなのは自衛隊の悪しき伝統です。
早く手を付けて欲しいものです。

2011年1月27日 (木)

インドの核は黙認すべし

民主党は、大局的に物事を見て、戦略的に判断するということができないようです。

核実験しない約束を…鳩山前首相がインド首相に」(読売新聞11年1月17日)

民主党の鳩山前首相は17日、インドのシン首相と当地で会談し、日印原子力協定交渉で焦点となっているインドの核実験の扱いについて、「核実験を実施しないことを『約束し、行動する』という文言を(協定か関連文書に)入れてほしい」と求めた。

 シン首相は「よい協定をつくるのが重要だ。いろいろな可能性を検討したい」と答えた。

 これまでの交渉で日本側は、インドが凍結している核実験を再び行えば協定は白紙化されるとの文言を盛り込むよう主張、インド側が難色を示している。


中国が核を持っている以上、そして日本にとって核保有のハードルが政治的に高い以上、地政学的に見て、日本はインドの核は黙認すべきです。

2011年1月29日 (土)

ナゾの基地警備教導隊

今年度もあと2ヶ月程度となってきましたが、年度末に向けて気になっていることがあります。
それは、空自に基地警備教導隊が新編されるのか、ということです。

これに関連して、以前にも「H21概算要求-基地防衛教導隊」という記事を書いてますが、極めて重要な機能でありながらも、縮減される防衛予算の中、部隊新編はかなり難しいのではと思っていました。

ですが、今年度(22年度)中に、基地警備教導隊が新編されるという情報があるのです。
それも、飛ばし記事を書くとは思えない朝雲新聞がソースだったりします。
22年度防衛費 重要施策を見る<4> 航空自衛隊 一線の即応性重視 F2、F15を近代化改修」(朝雲新聞10年3月25日)

【部隊改編】総隊司令部の事態対処機能の強化、基地警備教導隊(仮称)の新編、航空教育隊生徒隊の整理、航空教育隊教育群の改編。


しかしながら、本記事の記事タイトルを「ナゾの基地警備教導隊」とした通り、他に何ら情報がないため、果たして本当なのか訝しんでいます。

防衛省が公開している予算等の概要には、部隊の新編として「陸上自衛隊警務隊に中央警務隊(仮称)を新編【新規】」とあるのみです。
概算要求の資料にも載っていません。今年度予算分の概算要求については、政権交代にともなって作り替えが行われたので、作り替えられる前の概算要求資料も見てみましたが、こちらにも載っていません。
防衛省の公開資料は、あくまで概要なので、全てが載っている訳ではないのですが、それなりの規模になることが予想される部隊の新編について、載っていないというのは、ちょっと不自然です。

朝雲が間違いだったのか、それとも本当に新編されるのかは、あと2ヶ月程度で分かると思いますので、情報を待ちたいと思います。

さて、では朝雲の記事が正しかったとしたら、基地警備教導隊が果たしてどんな部隊になるのか、簡単に予想してみようと思います。

ここで重要なのは、以前の情報にあった基地防衛教導隊から基地警備教導隊に名称が変っていることです。
名前だけじゃないの?
と思う方もいるかと思いますが、お役所でもある自衛隊においては、言葉には定義があり、名前が変るというのは非常に重要です。

「基地防衛」という言葉は、航空自衛隊の中では「基地警備」を包含する概念で、「基地警備」の他に、短SAMなどを用いる「基地防空」なども含まれる言葉です。
つまり、以前に報じられていた20年度に200人規模の部隊として新編と言うのは、現在千歳基地に所在している高射教導隊隷下の基地防空教導隊を含めた部隊であったと思われるのです。

ですから、基地防衛教導隊から基地警備教導隊に名称が変ることで、基地警備教導隊は、基地防空教導隊を含まないことになり、人員規模は200名から大幅に少なくなるだろうと思われます。
具体的な数を占う要素はありませんが、1個小隊を大きく上回らない数、せいぜい5から60人程度なんじゃないかな、と思っています。

次に場所です。
これを占う情報はありませんが、ズバリ入間基地以外には考えられません。

基地警備教導隊は、平時には各基地の警備小隊を教え導くことが任務になりますが、有事になれば、敵の攻撃が予想される基地に機動運用されます。
となれば、迅速に展開できる輸送能力も無ければ展開できません。
入間基地にはC-1、U-4を擁する2輸空隊がありますし、CH-47を擁する入間ヘリコプター空輸隊もあります。

小牧基地も輸空隊がありますが、ヘリコプター空輸隊がありませんし、航空総隊の基地ではないので普段の訓練等に支障があるかもしれません。

指揮(編制)は、航空総隊の直轄部隊がもっとも動きやすいと思われますが、規模が数十人で総隊の直轄部隊となると、本部機能もそれなりに必要になってしまうので非効率です。
もしかすると、入間の中警団隷下としながら、有事には総隊が引っこ抜いて指揮転移させるという指揮運用もあるかもしれません。

予想としては以上です。
さて、予測ばかりで記事を書きましたが、果たしてどうなりますことやら。

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