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2010年12月23日 (木)

防衛計画の大綱&中期防改正_その3 戦車200両削減も機甲師団は存続

新たな大綱では、戦車は600両から400両に削減されることとなりました。

各方面でトピック的に取り上げられており、既にほとんどの方は知っている話だと思います。

ただ、私も以前の記事で触れたように、これが機甲師団の解体につながるかというと、公開された大綱を見てみると、防衛省の判断は真逆だったようです。

それは、これが戦力の増大につながるというのではなく、機甲師団の解体ではなく、機甲師団への集約される可能性とも見えるからです。

200両削減という数字が漏れ聞こえてきた時、この数が7師団の戦車保有数にも近かったため、すわ7師団解体か?、とも思えました。
ですが、大綱では、戦車の位置づけが(今は)いらん子とされ、7師団は今までと全く異なる性格の部隊となる見込みになりました。
新大綱の自衛隊の体制の項、基本的な考え方において次の通り書かれています。
「本格的な侵略事態への備えについては、不確実な将来情勢の変化に対応するための最小限の専門的知見や技能の維持に必要な範囲に限り保持することとする。」

この文が、戦車の事だけを言っているとは思いませんが、戦車が念頭に入っていることも間違いありません。
今現在想定される脅威に対しては、戦車を使う気はなく、将来のためにノウハウの維持だけを行うと理解できます。

大綱は、(現時点の脅威に対しては)明確に戦車無用論を採用したと言えます。

そして、この方針でゆくならば、戦車が各師団等に分散配備されている状況は非効率です。

おまけに400両という数は、そのほとんどが7師団を中心とした北方に配備されれいる90式戦車の保有数341両+αと言える数です。
そして削減される200両は、当然74式戦車です。

総数が400両として、北方の90式を除けばわずか60両あまりの10式戦車が本土各地の師団等に分散された場合、各部隊の保有数はあまりにも少数です。

その上、動的防衛力という新たな建前があります。(要事には機動的に展開する)
10式戦車も全て北方に配備した上、7師団は戦車を集中的に運用し、ノウハウの伝承を行う部隊となる可能性もあるように思えます。

機甲師団は、冷戦期から続く陸自戦力の花形から、予備役的な部隊に大きく様変わりすることになりそうです。

私は、どちらかと言えば戦車無用論に立つ方向でしたから、この方向性については賛成です。

ただ、戦車の位置づけを明確にノウハウ伝承のためとするのであれば、果たして400両も必要だろうか、というのは疑問です。
400両という数は、まだ耐用年数のある90式の維持を継続しつつ、10式を最低限確保するという、現状追認的な数に思えてなりません。
もしこの方針が維持されるとすれば、90式が耐用年数を迎える頃には、戦車の保有数はさらに削減され、7師団だけが戦車を保有するということもありそうに思えます。

また、陸自の「作戦基本部隊(師団・旅団)と方面隊の在り方について、(中略)総合的に検討する」ともされており、この点からも本土の部隊から戦車大隊が消える可能性が示唆されているようです。

なお、中期防での10式戦車の調達予定数は68両となっており、これと90式の保有数を鑑みると、74式戦車はあと5年足らずの内にほとんど全てが退役することとなる計算です。
世界の主流追従ではなく、独自色の強かった74式退役は、(気持ち的には)ほんの少し残念です。

それと、以前週刊オブイェクトが記事にしていた、機動戦闘車を戦車の内数とするのか外数とするのかについて、大綱及び中期防では直接の言及はありませんでしたが、90式が340両あまりある上、中期防での10式戦車の配備予定数が68両なので、外数とすることで財務と折り合いが付いたモノと思われます。
財務省は機動戦闘車の戦車扱いを目論む
防衛省は再び機動戦闘車の戦車別枠扱いを狙う

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コメント

また戦車の調達数が減ったと、MHIの方のボヤきが聞こえてきそうです(笑)

やん 様
陸自関係の調達だと、次の目玉はやはり機動戦闘車になるんでしょうね。
大綱の言う削られる分野に入ってこなければですが……

数多様
MCVは、更に安くするようプレッシャーが厳しいらしいです。
陸は最後の最後なので、予算が付けてもらうのが難しいという
話は本当のようですネ。
NBC偵察車も、23年度の調達数がバッサリと削られていましたし。。。

やん 様
やっぱり、そうですか。
でも、安く出来なければ輸入という話も出てきてしまうでしょうから、国内軍事産業には頑張ってもらわないと、ですね。

確か戦車以外にも火砲がかなり削減された気がするのですが・・・・・・
こんなに削減して大丈夫なのだろうか?

宮城 様
特科も、今回の大綱で言う「本格的な侵略事態への備え」ということなんでしょう。

大口径の迫撃砲など、別表で火砲扱いにならない曲射火器は、なんらかの形で手当てする考えがあるのかもしれません。

予算が潤沢ならヤマアラシ的武装もあり得るのでしょうが、限られた財政状況の中での優先的投資という意味では、戦車が選ばれないことは自明なんでしょうね。

はるばる 様
保守派にも意見はいろいろとありますが、私も限られた予算内で効果的に予算を使うとなれば、戦車削減は正解だと思っています。

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