H23概算要求-その3_SAM関連
大分間が空いてしまいましたが、来年度の概算要求ネタの続きです。
23年度の概算要求は、対中国の南西増強につながる案件が多かったのですが、SAM関連もご多分に漏れずでした。
南西地域におけるBMD能力向上のため、1個高射隊をPAC-3化することが盛り込まれています。
しかし、1個高射隊だけというのが気になります。
24年度以降に他の3個高射隊分を手配するなら良いのですが、それならそう書きそうなので、この1個高射隊のみなのかもしれません。
もし、そうであれば、指揮所運用隊もPAC-3化しないと効果的な対処は望めません。
逆に指揮所運用隊をPAC-3化してしまうと、残りの3個高射隊は連携した戦闘が困難になるでしょう。
果たして防衛省はどうするつもりなのか……?
もしかすると、1個高射隊のみをJADGEに直接連接する特殊な連接装置を手配するつもりなのかもしれません。
沖縄の場合、弾道ミサイルから防衛したいのは那覇基地だけでしょうから、それで良いと考えてるのかも……。
当然PAC-3化するのは那覇の17高射隊なんでしょうね。
ただ、深読みすると、このPAC-3は下地島用なのかもしれません。
もう一つのSAM関連ネタは、ついに短SAM(改Ⅱ)が盛り込まれている点です。
やっと、という感じですね。(FXの調達があったら切られてたんだろうな)
陸自に1式26億円となっている他、空自に教育用1式「基地防空用SAM」(こちらは15億)となっているものも短SAM(改Ⅱ)でしょう。
陸自分は構わないのですが、以前の記事「GUN派が息を吹き返すか?」に書いた通り、空自分の調達は残念です。
教育用とのことなので、2術校用です。
陸自分が何所に配備される予定なのか不明ですが、15旅団には短SAM部隊がないので、8師団か4師団でしょうか。
いくら機動性が高いといっても、尖閣に配備するのは困難(車両と切り離してCH-47でスリング懸吊するならなんとか可能ですが、メンテも困難なはず)ですから、西方隷下でない可能性もあります。
陸自の新規装備は普通学校に配備される(まずは教育からというスタンスがしっかりしている。その点空自は教育軽視で現場優先になりがちです。)ので、教育用との記述がありませんが、高射学校用かもしれません。
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陸自もまずは教育所要でしょうね
高射教導隊(下志津)で教範作成からではないでしょうか?
投稿: SUS | 2010年12月 4日 (土) 23時39分
SUS 様
私も、陸自の場合は、普通そうだと思います。
空自のように支離滅裂ではありませんから。
静内で見られるのは何時でしょうね。
投稿: 数多久遠 | 2010年12月 5日 (日) 20時09分