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2010年11月10日 (水)

FXへのF-35選定は発想の貧困から

2011年度の予算も通ってないのに、2012年度予算の概算要求話題です。

FXにF-35を選定し、2012年度から調達費を要求するそうです。

F35軸に12年度予算化へ 次期戦闘機で防衛省」(共同通信10年11月8日)

ニュースの信憑性はいまいちです。
何せ、今日には次期中期防には「新戦闘機」として機種に触れないという報道も出ています。
次期戦闘機、機種触れず…F35開発遅れで」(読売新聞10年11月10日)

しかし、F-35の調達予算要求が本当だとしたら、防衛省(空幕)は発想が貧困です。

以前にも、FXとしてF-35を選定することに反対する記事「F-2がベスト」を書きました。
重複になりますが、FXにF-35を調達すれば、F-15Pre-MISPもF-35となる可能性が高いですし、そうなれば国内の戦闘機生産基盤は崩壊となるからです。

もしこの報道が本当だとしたら、今回の尖閣漁船衝突事案のおかげで、政府がビビッて、空幕の口車に乗せられたのではないかと思います。

中国と尖閣周辺で衝突するとなれば、上空での航空優勢確保に、F-15あるいはF-2では不安が残ることは確かです。

数でなんとかする、という発想もあるでしょうが、それを運用する航空基地が那覇だけでは運用可能機数が限られる上、遠すぎて話になりません。
下地島もフルで使える(常駐の空自基地化)のであれば、数で何とかするという手も使えるかも知れませんが、いろいろとハードルがあります。

ですが、これらは固定化された発想のたまもので、F-35を導入するという以外にも、中国に対抗する手はあります。

今回の事案で、政府も身にしみたと思いますが、尖閣だけに限定された衝突でも、米軍の存在は欠かせません。
ですから、もっと米軍の存在を前提に考えても良いはずです。

日本の航空作戦は、専守防衛という建前のため、防御(DCA:防勢対航空作戦)としての航空優勢の確保を自衛隊が、攻撃(OCA:攻勢対航空作戦)を米軍が行うという役割分担となっています。

ですが、時代は変りましたし、保有する航空機に併せて、役割分担を替っても良いはずです。

つまり、尖閣上空の航空優勢の確保を嘉手納から運用されるF-22が行い、対艦攻撃による水上戦力の接近阻止を自衛隊が行う、ということです。

そのような発想に立てば、FXにはむしろF-2の方が都合が良いくらいです。

事案が突発したり、奇襲を受けたりしたら、嘉手納にF-22が展開するのが間に合わないんじゃないか、と思う方もいるでしょうが、別に間に合わなくてもOKです。

何せ、尖閣防衛のための作戦計画である防警計画は、「取られてから取り返す」方式だからです。(以前の記事「対中国防警計画は間違っている」参照)

つまり、尖閣が占領された後、おもむろに米本土からF-22が展開し、自衛隊はそれを待ってから作戦を開始したって良いのです。

防空自衛隊(航空自衛隊ではない)が航空優勢の確保を自前で行いたいのは理解していますが、国内開発基盤の確保やF-35開発の遅延など、諸般の情勢を鑑みれば、従来の発想を脱却した戦力構成と作戦の役割分担を考えても良いはずです。

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F-X選定問題」カテゴリの記事

コメント

F-2も良いですが、F-4の後継という意味ではF-15系のほうが余裕がある分だけふさわしいと思います。

F-2の場合、問題はライセンス等のアメリカ側の対応でしょう。F-2の再生産を認める(アメリカ側の部品、ライセンス等)はあまり考えられないのですが--。
特にアメリカの議員(議会)は、以前の政権のやったことと違う事をするのが良いという点がありますから、新型の生産(F-15)は認めるのではないかとかんがえています。

それにしても、タイフーンでも良いですから早く増やして欲しいですね。

取られたら取り返す・・・
実際こんなこと日本政府が出来るかどうか疑問ですね、ぶっちゃけ。
中国船長にどうぞお帰りくださいなどと抜かす無能な政権と政府が何とか出来るとはとても思えないからです。

米軍が尖閣に中国軍が入ってきたら自動的にぶっ飛ばしてくれるのなら良いのですが、
あくまで主体は日本です。日本が動かなければ米軍も当然動きません。それに彼らはまず民間漁船
でこちらに上陸するでしょうから軍の介入が政治的に難しいと思われます。

だから私が望むのは日米による連帯の他に海上保安庁の強化です。あれは国交省の管轄ですし
非常に期待は出来ると思うのです。今回のような民間漁船に対して攻撃を加えられる唯一の存在だと
思ってます。以前もRPG7をぶっ放してきた北朝鮮だかの船に向けて撃ったこともありましたよね。

それに中国との経済的な結びつきが大きくなりすぎてしまってます。政府といい経団連といいマスゴミといい企業といい、もう救いようがありませんよ。

みやとん 様
F-15FX、あるいはSEでしょうか。
F-15の場合、ASM-2の搭載改修をしなければならない、という余計な手間と開発予算かかかるんですよね。
対地攻撃用としてはデフォルトでいろいろ使えるのがメリットですが、日本の国情を考えると対地より対艦が重要だと思います。

ライセンスに関して、アメリカが難癖つけるんだったらF-22を売れと強く迫ってもいいはずで、その程度の交渉ができないなら防衛省を罵倒してもいいかと。

何にしても、こんなグダグダでいいはずはないんですが・・・

ナオ 様
私も過去記事で書きましたが、日本の場合、政府が「取られたら泣き寝入り」を選択する可能性は高いような気がします。
特に、民主なら間違いなく泣き寝入りでしょう。

海保の強化は反対しませんが、本当に必要なのは海保の物理的能力強化ではなく、海保を使う政府の意志の強化だと思います。
あれだけのことをした中国漁船の船長を釈放してしまうようでは・・・

経団連はガンですね。
もっとも、経済団体に道を説いても仕様のない話ではありますが・・・
基本、カネのことしか考えてないので・・・

武器輸出三原則が本格的に緩和されてボーイングと共同開発(部品の他国への輸出を含みます)が行えるといいのですが--。

またボ-イングに限らないですが、アメリカの航空機産業(特に軍事部門)では熟練した作業員が(高齢化、合理化等で)引退しいっているので技量、生産量とも落ちているとの事ですが事実でしょうか?


F-2の再生産でも良いと思いますが、民主党ではダメかもしれませんね。本気で日本の防衛を考えているならもうきまっているでしょう。
それに、ライセンスのせいで出来ないならばタイフーンにするぞ-と言って欲しいですが、無理ですかねぇ?

>海保の強化は反対しませんが、本当に必要なのは海保の物理的能力強化ではなく、海保を使う政府の意志の強化だと思います。
ぶっちゃけ今の民主や中国依存経団連が大多数を占める以上政府の意思など期待出来ません。
ただ民主政権で唯一、逮捕までこぎつけた海保は非常に効果的な存在だと認識しています。
じゃあ政府は海保の行動に対して文句を言えるかというと、言えるはずもありません。
いなければ中国がマジに尖閣諸島取ってくることを認識しているからです。

経済的に強者でいたくば軍事力で強者でなければ何の意味もないことを知るべきなんですが・・・

みやとん 様
アメリカの航空機生産の現場については、あまり知見がありませんが、熟練工に頼らないというのがアメリカ流インダストリーの方向性じゃないでしょうか。
熟練工に頼るより、IT化で熟練技術自体を要しない設計にする等の方向に動いていると思います。
もちろん限界はあるでしょうけど。

バーゲニングチップとするためにも、タイフーンを始めとした他機種選択の可能性はもう少しアピールすべきでしょうね。
これだけF-35に内定しているような雰囲気だと、アメリカにも足下を見られるでしょうから。

ナオ 様
ビデオ流出などでこれほど支持率が下がっても、相変わらずの方針ですから、菅政権には本当に期待できませんね。

海保内には、政府に逮捕を迫ったしっかりした姿勢の方がいらっしゃるのでしょうね。
結果釈放になったことで、そういう方が日の目を見ない方向にならなければ良いのですが……

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