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2010年10月 9日 (土)

グアムに無人機-備えはOK?

グアムにグローバルホークが配備されました。
米、グアムに無人偵察機…北朝鮮・中国など監視」(読売新聞10年9月27日)

今後、中国や北朝鮮の監視・偵察任務に使用されるものと思われますが、日本の対応準備は問題ないでしょうか?

この米軍グローバルホークがグアムから発進し、中国や北朝鮮の監視任務に使用されるとすれば、もし空中でトラブルが発生した場合には、在日米軍基地、特に嘉手納と横田、そして岩国(三沢は位置的に可能性が低い)に緊急着陸をしたいというケースが発生することが想定されます。

日本の政府・防衛省はその可能性に備えておく必要がありますが、準備が十分かどうか、少々疑問があります。

最初に白状しておくと、私は正直この件で自信を持って記事を書くことはできません。
何せ、無人機がこんなに普及したのはここ数年の話なので……

ともあれ、分かる範囲で書いてみます。

航空法には「無操縦者航空機」という規定(第87条)があり、無人機については、この条項を根拠として飛行させることができます。
現在研究が進められている無人機研究システムや過去に運用されていたマルヨン改造のQF-104も航空法上は無操縦者航空機という区分に入ります。
航空法抜粋
********************
(無操縦者航空機)
第八十七条  第六十五条及び第六十六条の規定にかかわらず、操縦者が乗り組まないで飛行することができる装置を有する航空機は、国土交通大臣の許可を受けた場合には、これらの規定に定める航空従事者を乗り組ませないで飛行させることができる。
2  国土交通大臣は、前項の許可を行う場合において他の航空機に及ぼす危険を予防するため必要があると認めるときは、当該航空機について飛行の方法を限定することができる。
********************

では、米軍グローバルホークもこの条項を根拠に飛ぶかというと、少々違ってきます。
というもの、そもそも米軍機は航空法に縛られてはいないからです。
米軍機は、通称*航空法特例法という法令により、航空法の適用除外となっています。
(*正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律」)

そのため、米軍グローバルホークは航空法の適用除外となるため、日本の領域を飛行し、嘉手納や横田、そして岩国にも勝手に着陸できることになります。

しかし、実際には運用上の細かな問題がいろいろとあるハズです。

そして何より、基地周辺住民が拒否反応を起こさないように調整しておかなければなりません。
しかし、グアムに配備する時点で、防衛省側には必要な調整が行っていると思いますが、基地周辺の住民に対して告知が行われているという話は、今のところ聞いたことがありません。

以前、無人機研究システムについての記事の中でも書きましたが、無人機については安全性が数値的に実証されていたとしても、心理的に安心できるものではありません。
いきなり米軍基地に着陸したら周辺住民が反発することは目に見えています。

今のうちから周辺住民に対する周知と説得を行っておく必要がありそうです。

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無人機」カテゴリの記事

コメント

グローバルホークは無人機と言いつつも遠隔操作を行っている訳ですから、 
パイロットがいない訳ではないですよネ? 無人機という言葉に、周辺住民の方々
が勘違いしないように、しっかり説明する必要がありますネ。

ところで、日本もグローバルホークの導入に動いているようですが、空自の基地
周辺の住民にも、しっかりした説明をしなければならないと考えます。

グローバルホークの導入に動いたということは、空自は成層圏プラットフォームの
導入は断念したのでしょうか?

逆に言えば、そういう「運用してみてわかる細かな不具合」を知りたいのではないでしょうか。
日本も導入に動いてしますし、あちらさんも盛んに売り込みを掛けてきています。

どこで見たのか忘れましたが、「日本の気候(上空の気流とか?)ではグローバルホークは運用できない」なんて主張も見たことがあります。

論より証拠で試してみれば話は早いですし、何より米軍が持ってきて運用するのであれは日本の懐は痛みません。
防衛省側としては推移をじっと見守る形なのではないでしょうか。

やん 様
日本のグローバルホークについては、別に記事を書きたいと思ってます。
ただ、基本的に同じ事は言えますよね。
硫黄島から運用するつもりのようですが、トラブルはあり得る話ですから。
まさか、その時は洋上に落とすつもりだ、なんて言うなら別ですが。

滞空型のプラットフォームは、多分そういうことになるんでしょうね。
両方に予算を付けられるとは考え難いですから。

藤宮 直樹 様
マスコミに公開するくらいですから、在米の連絡官などが情報収集で動いているでしょうね。

よほど厳しい気象条件と思われるアフガンでも飛んでいますから、日本で飛べないってことはないと思います。
問題があるとしたら、無人機に対する不安感でしょうか。

グアムから運用する様子は、日本でもサイトからモニターできるハズですから、そのへんでも情報収集するでしょうね。

数多様
民間パイロットの方が、「日本は四季あり山ありで、日本の空が世界で一番難しい」
とおっしゃっているのを聞いたことがあります。
グローバルホークは、民間旅客機のはるか上を飛ぶ訳ですから、あまり関係無いの
かも知れません。
以前額賀防衛庁長官が、GHの導入に言及した前後だったと記憶していますが、一度
デモでGHが日本列島を飛んだという噂を聞いたことがありますが、本当でしょうか?

個人的には、技術的な問題が克服できれば成層圏プラットフォームの方が効率
良さそうだと思います。 KHIの方は実現可能だと自信満々でしたが。。。

やん 様
書いておられるとおり、日本の空が(変化が激しく)難しいというのは、低空でのことでしょうね。
日本の場合、高い山はありませんから、グローバルホークが飛ぶような高高度は、あまり影響がないと思います。

上空を飛んだという話は聞いたことがありませんが、法的には問題ないはずなので、自衛隊に見せるために飛んでいたとしても疑問は感じません。
多分、やってるでしょうね。

成層圏プラットフォームは技術的にはできると思いますが、軍事目的で実際に運用するとなるとなかなか難しいと思います。
なにせ、迎撃を受けたら逃げられませんから……

>やん様
グローバルホークに実質的にパイロットはいないと思いますが…。
QF-104のような無線操縦機と違って、オペレータはパソコンの画面で目標を指示したりするだけだったかと。

低空の気候が厳しければ、高空飛行時ではなく離着陸時に問題が起きそうな気がします。

自衛隊が運用するとなると、MCEの秘匿も考えないといけませんよね。

藤宮 直樹 様
グローバルホークの操縦者もパイロットと呼ばれ、実際に戦闘機や輸送機のパイロットだった方が操作しているようです。

ソースは軍事研究今年の4月号、石川巌氏の記事。
プレデターやリーパーについての記事ですが、グローバルホークでも同様だと思われます。

グローバルホークの操縦者がパイロットと呼ばれることは存じております。
なので、”実質的に”と書きました。
戦闘機や輸送機どころか、米軍ではU-2から”乗り換えた”方もいるそうですね。

http://sankei.jp.msn.com/world/america/101006/amr1010062215011-n1.htm
こちらの産経の記事で、取材が許されたのがMREかLREか判断できないのですが、少なくともどちらか片方は操縦桿のない、PC画面のみのマウス操作になっているはずです。

私は丸今年の7月号、竹内修氏の記事を参考にしたのですが、グローバルホークの飛行が自動化されていると書かれていました。再確認しましたら、離着陸時と上昇下降はLREから行うと書かれていましたので、この点は私の記憶違いでした。それ以外の飛行が自動、と言うことのようです。
ただ、「ミサイルや戦闘機による迎撃時にはコンピューターが自ら考えて、回避行動を行えるほどの高い自立飛行能力を備えている」とも書かれています。

プレデターやリーパーは運用高度も低いですし、攻撃を行う都合上、グローバルホークよりもリアルタイム制御の必要性が高いのではないでしょうか。価格も違いますし、プレデター一族とグローバルホークのシステムはかなり異なるのではないでしょうか。

数多様 藤宮様
さすがですネ。 勉強になります。
GHを日本で運用するとなると、日本の電波法で制限されることはありませんか?
となると、国内技術基盤維持の観点から搭載機材は国産になるのではないかと
素人的に感じていますが、いかがでしょうか?

藤宮 直樹 様

承知されてましたか。失礼しました。
確か、離着陸も自動化(が可能)されていたと思います。
不測の事態に備えて、自動も可能だが手動でやってるのではないでしょうか。
遠隔手動はデータ量ばっかり増えて、通信が厳しいと思います。

ただ、回避行動まで自律というのは、センサーを考えても、ちょっとムリがあるように思えます。
まず、適切な回避機動を行うのはムリじゃないでしょうか。自動でフレアやチャフは分かるので、そういう事を意味しているのではないかと。

プレデターなどとどの程度異なるのかは正直わかりませんね。
今後、情報も増えてくると思いますが

やん 様
電波法の関係ですが、運用周波数は複数用意されているはずですし、それでもかち合うようなら、改修されると思いますが、技術的にはなんら問題ないかと。
むしろ、使用可能な衛星を探す方が大変だと思いますが、ここまで話が出る以上、何か手当の目処は付いているんでしょうね。

搭載機材の国産化はあり得る話だと思いますが、取得時期と費用がネックでしょうね。

数多様
なるほど。 運用周波数がいくつもあるんですネ!ありがとうございました。

今の技術だと遠隔手動はデータ量よりも遅延の方が問題になると思いますが。

前回書き込んだカギ括弧内は記事中そのままです。
回避行動と言ってもあの機体ですから、戦闘機のような機動は無理ですし、せいぜい進路上に脅威が検出された場合進路を変えるとか、高度を上げたりしてやり過ごすとか、そのレベルではないでしょうか。それに加えて仰るような自動チャフ/フレアなどですね。
ただ、完全自立回避だと使いづらい面も出てきてしまうはずですので、ある程度の脅威までは偵察を強行するとか、そう言った指定は可能だと思います。

藤宮 直樹 様
遅延の問題は、手動運用時のみ低い衛星を使う、とかかもしれませんね。想像ですが。

グローバルホークの運用高度ですと、ちょっと進路を変えるだけでも回避効果は高いものがあります。特にSAM相手なら効果覿面です。
この辺はU-2と同じです。

ただ、どう機動すべきかは難しいと思いますが、単純に距離をとる程度の設定ならできるでしょうね。

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