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2010年10月26日 (火)

自衛隊法の不備「領域警備」について法改正の動き!

尖閣の漁船衝突事案のおかげで、長年自衛隊法上の不備と言えた「領域警備」について、法改正の動きが出てきました。

自民、尖閣受け議員立法検討 南西諸島警備に自衛隊」(琉球新報10年10月17日)

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 尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件を受け、自民党は南西諸島や日本近海で自衛隊による警備活動に向け議員立法の検討を始めた。中国海軍の東シナ海への進出も踏まえ、領海、領空への不法侵入など突発事態に迅速に対応できるようにするのが狙い。
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ヒゲの隊長こと佐藤正久議員が中心となって、来年の通常国会への提出を目指すそうです。

先日も自民党が防衛問題で攻勢をかけていることをお伝えしたばかりでしたが、野党になって攻勢をかけなければならない立場になったためか、積極的に動いてくれるようになったようです。
この問題は、自民党政権下でも関係者の中では語られていたものの、ずっと放置されてきた話題なのです。

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 法改正は(1)不法侵入を取り締まる「領域警備」を自衛隊の任務に加える(2)情報収集や警戒監視活動に当たる自衛隊艦艇、航空機が、敵対的な行動を抑止できるよう武器使用権限を付与する―などが柱。
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現時点で「領域警備」に該当する法文は、自衛隊法第84条で定められている<領空侵犯に対する措置>だけです。
空における不法侵入には定めがあるものの、海上における不法侵入に対して、自衛隊は行動の根拠となる法文が無かったのです。
(似たような行動根拠として海上警備行動がありますが、海警行動は実施に際して内閣総理大臣の承認を得て防衛大臣が発令することが必要で、常時使用できる行動根拠ではありません。)

ちなみに、対領空侵犯措置は海自も実施可能ですし、今回検討される海上における領域警備の法改正で、空自も海上における領域警備を実施可能になると思われます。
海自艦艇が間に合わないような火急の事態には、F-15が警告射撃をするようなことも可能になるはずです。

なお、この法案提出において、非常に重要な点ですが、海上における領域警備に関して自衛隊の行動根拠となる法文を整備するだけでなく、空における領域警備である<領空侵犯に対する措置>いわゆる対領空侵犯措置(略して対領侵)についても、併せて自衛隊法の不備を是正して欲しいものです。

細かい事は別の機会に書きたいと思いますが、対領侵において、自衛隊法上、最も問題な点は、第六章「自衛隊の行動」内に第84条で対領侵の実施が定められているものの、第七章「自衛隊の権限等」内にその際の権限について定めがなされていないことです。

自衛隊法の法解釈の話で、少々分かり難い話だと思いますので、簡単に解説しておきます。
防衛出動や治安出動、それに災害派遣などを含め、自衛隊の行動任務に対しては、第六章「自衛隊の行動」において、自衛隊に「行動命令」を発令する根拠が定められています。
そして、その行動任務中にどのような権限が付与されるのかは、第七章「自衛隊の権限等」に対応する条文がある、と言う法文の構造になっているのです。

ところが、他の任務と異なり、対領侵に関してだけは、第6章に任務を実施すべきことは書かれているにも関わらず、第7章に何ら権限が記載されていないのです。

一応、政府見解はこれでも大丈夫ということになっているのですが、欠陥であることは間違いありません。
(最悪、対領侵を行ったパイロットが違法行為を行ったとして起訴される可能性もあります。)

この問題に関して、佐藤議員は元陸自なので専門家という訳ではありませんが、幸い今はまさにプロだった元空自幹部で要撃管制官だった宇都隆史議員がいらっしゃいます。
報道には、国防部会の小委員会に宇都議員が参加しているかどうか言及がありませんが、例え佐藤議員に押しかけてでも参加して、この問題の解決に取り組んでもらいたいと思います。

この件に関しては、佐藤議員と宇都議員に直接メールも送ってみるつもりです。

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コメント

何でも自衛隊と言う前に、海保法改正による公用船への危害射撃を認める事。

そして、SSTやSATのような対テロ部隊ではなく、国境警備を主目的とした軽歩兵相当の警備隊を編成することが先では無いでしょうか?

実際に事件が発生しないと動かないという悪しき癖がありますが、
日本国民の命が直接的に犠牲にならない範囲での事件がありました
ので、ようやくまともな防衛論議ができる土壌ができたと感じます。
佐藤先生と宇都宮先生には、今こそ頑張ってもらいたいと思います。

ぬくぬく 様
前半に対しては、別記事で反論を書かせて頂いた通りです。

後半に関しても賛同はしかねますが、理由の付されていない主張(結論)に対しては、なんとも言いようがありません。
(ただし、誤解をされるといけませんが、陸自を置いておけと言うつもりはありません。)

やん 様
全く、今回の事案は良い契機となってくれそうですね。

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