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2010年10月24日 (日)

武器輸出三原則が菅政権に引導を渡す-12月解散?

今回は、軍事というより政治の話題です。

武器輸出三原則の見直しについて、夏に発表された新安保懇の報告以降見直しの機運が高まり、年末に迫った防衛計画の大綱策定過程で議論がなされる方向ですが、この話題が菅政権に引導を渡す可能性があります。

武器輸出三原則の見直しは、防衛に関する生産基盤や技術基盤維持の観点から論じられている場合が多いですが、日米関係の上でも非常に重要な問題です。

ゲーツ国防長官は、この問題に関して「完全に日本の国内問題と思っている」と述べると共に、「非常に敏感な問題であることも承知している」と日本政府に配慮も見せていますが、「友好国や同盟国への支援で多くの機会ができるのは明らかだ」として、非常な期待感を抱いていることを表明しています。
武器輸出三原則見直し、米国防長官が期待感」(朝日新聞10年10月14日)

その理由は、見直しが行わなければ、SM-3Block2Aの第三国への提供を日本が縛ってしまうことになるからです。(Block2Aは、日米共同開発として開発が進められている)

アメリカは、現在Block2Aの地上配備型をヨーロッパに提供することを意図していると伝えられています。
しかし、日本が三原則を見直さなければ、アメリカはそのオプションを行使できなくなる訳です。

アメリカは、イランの核開発を最悪武力を行使してでも止める可能性がありますが、イランは中距離弾道ミサイルを既に保有しており、武力行使が行われれば、報復としてアメリカの友好国である欧州各国にミサイルが打ち込まれる可能性があります。
そのため、MD能力がなければ、トルコを含むヨーロッパ諸国が武力の行使を支持しない可能性があるのです。

アメリカは、日本の意向で、アメリカの国防政策を縛られることには強い不満を抱くことは間違いありません。

ところが、菅首相は三原則の見直しに慎重です。
あの仙谷官房長官さえ、見直しに前向きだったにも関わらずです。

現在は、アメリカのトーンは抑えられたモノです。
ですが、もし大綱見直しで三原則緩和の方向が打ち出されなければ、既に冷えている日米関係が険悪化する可能性が高いと思われます。

そうなれば、既に39.2%と並んだ内閣支持率と不支持率が逆転し、菅内閣の命運が尽きることも十分に考えられます。
菅政権は、2011年を迎えることなく崩壊するかもしれません。
内閣支持、39%に低下=不支持と並ぶ-時事世論調査」(時事通信10年10月15日)

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コメント

カン総理は逃げ管の異名どおりポーズだけでしょう。今度の補選の応援にも行かなかったし、形勢が不利になったらカンタンに見直しに変わると思いますよ。
たぶん官僚にマル投げですね。

マニフェストも、そんなのあったかーなんて顔をしてるじゃないですか。自衛隊の観閲式だっていやいやなのが丸わかりでも出席していますしね。

それよりは尖閣のビデオの方が管政権にはダメージになるのではないでしょうか。
ビデオの公開をしろ!と言い続ければ---。

SM3block2って技術的にも政治的に非常にハイレベルな話に発展してたんですね。
けれどだったらなぜ開発が始まる前に緩和しておかなかったのかと思うんです。
イランが核開発行っている可能性についてはもうずいぶん前から分かっていたことですし
欧州に迎撃ミサイルを配備するのはもはや必然ともいえる事態だったのはアメリカも分かっていた
はずですなんですが・・・

それにしても尖閣の問題でビデオ公開しない所見ると、よっぽど見せたらヤバイんだろうなァ
迎撃ミサイルについても緩和しないのはやっぱ中国の圧力と見ていいんだろうか。
どうしようもないゴミ政権だこと。

みやとん 様
「認めないとヤバイですよ。」とちゃんと忠告してくれる人が首相の周りにいれば良いんですが……
いままでの行動を見ても、スタッフ不足のような気が……

ビデオは、いよいよ明日国会提出になりますね。
目にした自民の議員がどう動くか注目です。

ナオ 様
SM-3の陸上配備型の話が出てきたのは、結構最近です。
それまでは欧州はGBIで行く方向でしたから。
日本とすれば、急に風向きが変ったという所でしょうか。

ビデオは、公開したら一気に国民が怒り出すような代物なんじゃないかと思えますよね。
公開には徹底して抵抗しそうな雰囲気ですから。

個人的には、武器輸出三原則を堅持してもらいたいと思っていますが、
予算という厳しい現実と最先端の技術から取り残される可能性を考えると、
三原則は見直ししなければならないと思います。

やん 様
むやみに輸出して良い訳ではないですが、兵器の国際共同開発は、もはや標準になりつつありますから、当然見直すべきだろうと思っております。

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