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2010年9月22日 (水)

自衛隊医官の評判と自衛隊の衛生能力

自衛隊病院で手術ミスがあり自衛官が死亡するという事故が発生しています。
自衛隊病院で手術ミス、1等陸尉が死亡」(読売新聞10年9月19日)

医療全般には語れるほど知識もありませんし、どんな軽易な事でも人が行う事に事故はつきものなので、この事故自体には論評しません。
ただ、医療過誤を闇に葬ろうとする医療機関が多い中で、自ら警察に通報の上、発表しているのは誠実な対応とは言えると思います。(一般病院以上に隠しやすい環境な筈ですし。)

さて、ではこの件で何を書こうかと言いますと、自衛隊医官の評判と自衛隊の衛生能力及びその問題点についてです。

自衛隊医官の評判は、端的に言ってよろしくありません。
防衛医大の偏差値は決して悪い数字では無いので、決してソースが悪い訳ではありません。

悪いと言えるのは、その後の環境です。
親方日の丸でその後の研鑽が無くとも身分が安泰という、自衛官一般の如何ともし難い話があることも勿論ですが、何よりも、経験となる練習台が少ない、つまり基本的に一般人よりも健康な自衛官ばかりを相手にしなければならないという現実があるためです。

自衛隊病院では一般の患者を受け入れているところもあるようですが、基本的に重病ではない自衛官を数多く捌かなければならないですし、衛生隊などの部隊勤務医官は、100%自衛官の相手しかできません。
(病気はもちろん少ないですし、体を酷使する割には安全管理もしっかりしているので、怪我もそれほど多くはありません)
何事も、簡単なことしかしていなければスキルは上がらないのは当然の事なので、衛生の方にとっては深刻な問題であるようです。

9年程前に、自衛官による兼業が禁止されているにも関わらず、部外の診療機関でアルバイト的に働いている医官が多数居ることが問題になったことがありましたが、多くはお金欲しさだけでなくスキルの向上を兼ねてやっていた事らしく、処分は軽いモノでした。

自衛隊病院での一般開放が多くなってきているのは、この辺りの背景があります。

さて、大した知識もないのに一般論だけ書いても説得力がないので、この辺りの背景が影響した私の体験談なども書いてみます。

私は親知らずを4本とも抜いていますが、いずれも自衛隊病院及び衛生隊で処置してもらいました。
その内の2本は、十分に出きっておらず、いわゆる埋没なんたらという状態だったようですが、90度横向きに生えていたりして健康な奥歯にも悪影響があると言われて抜歯を薦められました。
これ自体は一般の病院でもあることのようですが、その際に全身麻酔での処置も薦められました。
これも一般の病院でも行われている事ですが、積極的に薦められるようなものではないようです。

先生がいかにもやりたそうだったので(グロそうな手術方法を聞かされた)、全身麻酔での処置をしてもらいました。
練習台になるのも仕事の内かなと思ってましたので。

一般の病院だと入院しての処置になるケースもあるようですが、流石に車の運転は止められたものの、2回とも日帰りで、午前中に手術して夕方には歩いて帰りました。
記憶が定かではないですが、口腔外科の先生だったものの、麻酔医は居なかったと思います。

いざ有事に自衛隊医官の腕前が心許ないのでは困ります。
最近ではパシフィックパートナーシップ等の海外派遣などで腕を振う機会も増えているようですが、部外病院への出向など、腕を磨く機会を、もっと積極的に作って行かなければならないと思います。

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後方・広報」カテゴリの記事

コメント

医療過誤事案の隠蔽されなかった事は評価したいですね。

防衛医官のおかれる環境についてですが
臨床機会や研究機会の少ない配置のために、医師として臨床経験を積み自己の技量・手技向上を図り多くの患者を助けたい。
また、医学士として研究し、自己の学識を高め医学の発展に貢献したい。といった動機を強くもつ人材が退官していってしまうのも問題だと思います。
ある程度の階級になると司令部等での行政色の濃い配置や僻地勤務も多く不満の種になっているようです。

知人で軍人・軍医一家に生まれ当り前のように防衛医大に入学したものの、任官後に退官し民間で勤務医となり大学教師になった人がいます。
やはり、自衛隊病院、部隊、行政職の順に臨床・研究の機会を奪われていく事が不満であったようです。

自衛隊に在職し続ける方が意識が低いという話ではありません。
しかし、せっかくの人材が自衛隊を去ってしまう状況を何とか改善できたらいいなと思いました。

SUS 様
有能な人材散逸の件は、私も同じように考えます。
ただ、行政色の濃い配置は何も医官に限った話ではなく、それ自体は仕方のないことだと思っています。

問題は、医官全体の地位(階級だけでなく、どれだけ重要だと考えられているか)じゃないでしょうか。
先日書いた研究機関もそうですが、自衛隊が防疫や衛生をもっと重要視するようになれば少しは変ると思うのですが……

それと、部隊配置の方の臨床経験については、もっと考えないといけないでしょうね。
健康診断ばっかりやってたら、やる気をなくすのは当たり前です。

以前ある方からもコメントもらいましたが、自衛隊病院だけでなく、部隊勤務医官の一般診療もオープンにしたらいいかもしれませんね。
無医村の改善とかにもなるかもしれませんし。

医療に近い位置にあるものとして。
(私自身は医療関係者ではありませんが、医療機関相手の仕事をしています)

医療過誤は必ず起きます。何せ人間がすることですから。何かしらミスはあるものなんです。
歯科治療なんて割といい加減なんですよ。

数多様の親知らずは半埋伏かあるいは埋伏歯ですね。
私も一本同じ状態で抜きましたが、分割する際に実は勘でやっている、と言うことを教えてもらいました。

ですが、親知らずの抜歯で全身麻酔はまずありえません。特に健康な成人で行うことはほぼないはずです。
局所麻酔、それも口腔内だけへの麻酔で抜いてしまうのが普通です。
口腔外科の先生でしたら、それが専門ですから、できないことはないはずです。
(ついでに言うと保険点数も算定できません(笑))

恐らく全身麻酔をやりたかったのでしょうね。
口腔外科では一般でも機会が少ないですし、自衛官相手では必要性は皆無でしょうから。


最近では医師不足で閉鎖に追い込まれる病院などがありますし、そういった場合に一時的にでも医官を派遣して地域の医療崩壊を食い止める手助けをする仕組みがあっても良いのではないでしょうか。

藤宮 直樹 様
やっぱり、全身麻酔は先生がやりたかっただけなんですね。

頭部への銃創で死亡していない場合は、下顎周辺へのものが多いそうなので、以外にも口腔外科の活躍は多いそうです。
全身麻酔の良い練習になったと思ってます。

自衛隊病院が民間に開放されないのは某医療者団体との関係によるものと、医療について熱心に取材報道されていたFNNの黒岩キャスターが、10年ほど前に言っていたような記憶があります。
民間病院のナースは一人当たり数床担当するが、自衛隊病院では一床に数人のナースがいる、などとともに。

ところで、この件に限らず医官の医療事故についての損害賠償はどのようになっているのでしょうか?施設管理者が日本医師会に入っていれば、日医の損害賠償責任保険が適用されるのでしょうが。
また、医官の主たる診療科の比率データはありますか?防衛省が意図しない偏在が出始めているのかどうか気になります。民間では小児や産科が少なくなっていますし。

野底マーペー 様
自衛隊病院は、病院の数自体を縮小し、全病院開放となる方向のようです。
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009082801000927.html

自衛隊病院のナース数が多いのは、基本的に自衛隊病院が有事所要を考慮してるので当然です。
有事には病床数が増やされるので、その時に対応できるように準備されてます。

医官による医療事故の損害賠償については、正直詳しく知りませんが、自衛隊車両が保険に入らないのと同様で、すべて国家賠償になるはずだと思います。
示談などの交渉は、法務職域の者があたります。

診療科の比率データで公開されているものはないと思います。
残念ながら私もそこまで知識がありません。
ただ、当然ながら外科が多いでしょうね。(形成外科含む)
防衛省が意図しない偏在についても、残念ながらそこまで知りません。
ただ、特定の科ばかりが退職して困っているという噂も聞いたことはないので、意図しない偏在は発生してないのではないかと思います。
当然ながら、一般に比べると意図的な偏在はもちろんあります。
小児や産科は、皆無かそれに近い状況でしょう。
(おぼろげな記憶ながら、両科とも極少数いたように思います。)

死亡したから問題になってるけど
私なんて、手術ミスは一回の入院で3回、
医療ミスで点滴漏れして、
手の神経圧迫、
只今手が動かなくて使えません。
診断書には、自分たちの良いように
実際とは違うことを書き。。。
最悪、、

名無し 様
大変な目に合われたみたいですね。

それは自衛隊病院でのことでしょうか。

医療過誤を自ら公表?遺族が騒いだから仕方なく、通報したんじゃないですか。
ある年の自衛隊病院の医療過誤件数は防衛省が認めてるものだけで300件でした。
認めていないものを含めると、この2倍はあるんじゃないですか。高級幹部をはじめ、自衛隊関係者がかかりたがりません。

名無し 様
そうかもしれませんが、可能性としてあるというだけでしょうか。
続報があるなら、教えて頂ければと思います。

私は元自衛隊職員です。今から約21年前、骨折の治療で某自衛隊病院に搬送され、治療(という名目の医官の練習台)を受けたのですが、その時の入院をはじめ、10回ほど入退院を繰り返しました。一般病院での治療も受けたのですが、後遺症が残り一日3回、服薬しています。痛み止め、筋弛緩剤、胃薬です。これらを飲まないと痛みで日常生活に支障をきたす状態です。当時の担当だった医官からは納得いく説明が未だにありません。最初の入院のとき、筋力低下が著しく、まともに歩けない状態だったにもかかわらず、その医官は「仕事をやっていたら治る」と言い続けていました。その時の治療の過程での後遺症で今でも苦しんでいます。ちなみに、私は今年の6月、この医官に対しての名誉棄損で略式命令の罰金刑を受けました。「自衛隊2ちゃんねる」でこの医官の実名を出し、誹謗・中傷したからです。防衛省・自衛隊病院とは今現在も闘っています。嘘・恫喝が酷い自衛隊病院(阪神病院は最右翼)、一般開放した理由も防衛省が出してきた内容、地元医師会に言った内容が違っています。真実はどっちなんですかね~!自衛隊病院が同じ市内にある防衛局の総務課に一般開放した理由を聞いてみると「さぁ~分りません、私たち自衛隊病院を利用してませんから」という答えが返ってきました。

続きですが、去年の⒓月、「阪神病院報告書」という書類を情報公開請求で手に入れました。驚きの内容でした。この担当だった医官は、公文書上に私のことを「人格障害」だと記していたり、この医官とは自衛隊病院退院後、一度しか電話で説明を受けていない。しかも「手元に外来カルテしかないので、もう一つのカルテを見て説明します」と言っていたのに、その後、一度も説明を受けていません。電話をしても各自衛隊病院の総務が話しをさせてくれませんでした。それなのに「阪神病院報告書」には、この医官が自衛隊札幌病院、中央病院在職中に私に対して「何度も説明している」との記載がありました。ご丁寧なことに同じ報告書には防衛省の陸幕衛生の某2佐から「『直接、話しをさせてはいけない』と言ったかもしれない」との記載もありました。時効に引っかかったので「虚偽内容公文書作成・同行使」で告発出来ませんでした。自衛隊病院の被害者は今後も増えていくと思います。

自衛隊病院の被害者の一人です 様
個別の事例について、言えることはありません。
問題があったのかも知れませんし、予見し得ない状態だったのかも知れません。

防衛局の職員に「自衛隊病院を一般開放した理由を教えて下さい」と言ったら、「さぁ~分りません、私たち、自衛隊病院を利用してませんから」と言われました。

自衛隊病院問題点
①医官の医師としてのレベルが低すぎる(一般病院の研修医レベル)
②入院カルテをカルテとして扱っていない自衛隊病院がある(5年以内に廃棄)
③電話での医官に対しての問い合わせ・相談が一切、出来ない(総務課曰く、医官が勤務している病院まで直接、来院しないと話しをさせないとのこと)
④担当だった医官が転属したら、後遺症で苦しんでいようが、なんであろうが、「うちはもう、関係ない」と主張してくる
⑤たとえ、医療過誤で亡くなっても別の死因をでっち上げる
⑥総務部長・総務課長による、嘘・恫喝が日常化している
等、またはそれ以上の問題点があります

数多久遠様、私だけの個別の問題だけに収まらない状態へ発展しつつあることを
ご存じですか?自衛隊病院の被害者の方々は、ほとんどが現役自衛官のため、被
害を訴えることが出来ないのが現実です。自衛隊病院の医官が「治ってる」「業務に支障はない」と言えば、本人が「まだ、痛みがある」「まだ、まともに歩けない」と言っても
部隊は「担当の医官が大丈夫だと言っているんだから」ということで業務に戻します。そして症状が悪化、再入院。このループを繰り返します。防衛省に訴えても聞き入れてくれません。なにせ、防衛省のお偉い方々は自衛隊病院を受診していません。風邪程度では受診するかもしれませんが、入院・手術が必要な疾患だと一般病院へ行きます。自衛隊病院を受診してるのは陸曹陸士、一般市民です。これが、自衛隊病院の実態です。高級幹部の連中は自衛隊病院がヤブなのを知ってるからです。

自衛隊病院総務部長・総務課長の電話での対応を書き込みます。
札幌病院総務部長「オマエ、もう治ってんだよ~、うちとはもう、関係ね~んだよ~!」
阪神病院総務課長「なんや?またオマエか?こっちは忙しいんじゃ!」
阪神病院総務課総務班女性職員「あはははは、総務課長はただ今、席を外しています。うふふふふふ」
阪神病院総務課総務班某事務官「オマエの息子、頭おかしいんだよ!もう電話、掛けてくんじゃね~よ」(ちなみに、これは電話番号は教えていないのに、自宅の電話に掛かってきました。
福岡病院総務部長「俺を怒らせると怖いんだぞ」
等、脅し・嘘多数あり

虚偽内容の阪神病院報告書について、阪神病院、防衛省に問い合わせしているのですが、阪神病院総務課長、「知らんわ、そんなもん」。防衛省陸幕衛生「掌握してませんから」。この堂々巡り。「札幌病院、中央病院、勤務時に何度も説明している」との記載があるのですが、自衛隊病院がそんなに、サービス精神旺盛なわけがない。札幌病院で一度だけ、中央病院では一度も電話すら繋げなかったのに「何度も説明している」。この記載を見たとき、ここまで腐ってた自衛隊病院を一時でも「治してくれる」と信じてた自分がバカに思えました。弁護士・警察に相談したのですが、時効に引っかかったようで、刑事告訴は無理でした。今現在も私は痛みや、運動制限等の精神的苦痛を受けています。

数多久遠様、これらの事実に対してのコメントをお願いいたします

自衛隊病院の被害者の一人です 様

以前も書いた通り、個別の事例については、言及しません。
コメントの編集はしませんが、個人を非難するような書き込みは、御遠慮頂きたいと思います。

久遠様、では自衛隊病院の問題点についてコメントをいただきたいのですが、ちなみに私はこちらのブログで個人を誹謗・中傷してはいません。私は担当だった医官からきちんとした説明を受けたいだけなんですけど、自衛隊病院の総務部長・総務課長が中間に入り嘘をつき、時には恫喝してまで話しをさせないから、事実を書き込んでいるのです。久遠様は私たちのように、自衛隊病院の治療で身体に障害が残った隊員・元隊員のことを考えたことがありますか?私以外の方も被害にあってるみたいですけど?
2013年のブログにコメントされてる「名無しさん」も声を上げられず、泣き寝入りみたいですけど?久遠様も被害者の実態を調べてみてはいかがですか?

「入院カルテはカルテとして扱っていません」、「カルテ?見せられません。職員のプライバシーの問題がありますから」。自衛隊札幌病院に自分のカルテを見せてもらおうと
医事課へ行ったとき、対応してきた職員からこんなことを言われました。

数多氏にどうこう意見を求めるよりも弁護士にでも相談してはぢうかね?

私達のような自衛隊病院の被害者は日本全国に多数、存在するそうです。もちろん、私の周りにもいます。声を上げられない状況にあるか、声を上げても潰されてる状況に置かれています。どちらにしても治癒することなく一生、苦しむことになります。このような状況を防衛省は把握しているにもかかわらず、対応しようとはしません。無責任体質そのものです。

名無し 様
仙台病院に行かれたと言う事は、陸自だったのでしょうか。

空自に比べると、舞台の雰囲気も、気合いで直せに近いところはあるでしょうね。

自衛隊病院は財務省から一般開放を要請されました~

病院幹部が平日に一般の整骨院に通ってる場面に遭遇しました。その幹部が勤めてる自衛隊病院には柔道整復師がいるはずなんですけどね。

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