書評「天空のリリー」
書評・DVD評では類似ネタ3連発!
と言うことで、今回もソ連の女性飛行連隊がらみです。
ただし、何と所謂ラノベ、ライトノベルです。
本書は、「スターリングラードの白いバラ」と呼ばれ、恐らく最も有名な女性パイロットであるリディア(愛称リリー)・リトヴァクをモデルにしたフィクションです。
時間的には、実戦に出る前の訓練段階のお話なので、血なま臭いシーンはなく、全体としては訓練に明け暮れる少女たちの日常を描いた作品、というところでしょう。
ライトノベルなので、赤面するような萌え(燃えではない)シーンが随所に出てきますが、史実でも10代20代の人間が多かったようなので、案外ホントにこんなだったかもな、とも思わせられます。
深夜に厨房に忍び込んでお菓子を作るシーンなんかは、実際にあってもおかしくなかったようにも思えまました。
何せ、ソ連が制作した映画「対独爆撃部隊ナイトウィッチ」でも、信じられないほど大らかなシーンが随所にありましたから。
著者の千田誠行氏のブログにも書かれていますが、「出撃!魔女飛行隊」がネタ本の一つになっているようです。
和訳された資料は少ないでしょうから、まあ当然でしょうね。
類似ネタということで読んでみましたが、あまりミリタリー色は強くないので、萌え趣味がないと楽しめないでしょう。
そう言う点では、ライトノベルにはありがちの続編に期待と言うところでしょうか。
ただし、戦場に出た後のリディア・リトヴァクは、鬼気迫るところがありますし、戦友が多数死亡する上、最終的には彼女も戦死しているので、ライトなノベルにはならないような気が……
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新刊案内の書名を見て「これわっ」っと思い購入しました。
なかなか面白かったのですが、史実を考えると今後が不安ですw
投稿: SUS | 2010年9月10日 (金) 12時23分
SUS 様
そうなんですよね。
ハッピーエンドにならないと分かっている話は、読んでいてつらい物があります。
もっとも、その前に続巻があるかどうか分かりませんが……
投稿: 数多久遠 | 2010年9月12日 (日) 13時03分