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2010年9月

2010年9月 4日 (土)

日本の偵察衛星、光学系のみに

日本の偵察衛星である情報収集衛星の内、レーダーを使用して監視を行うレーダー衛星2号機が故障して、運用可能な情報収集衛星が光学系のみとなってしまいました。

情報レーダー衛星故障、北朝鮮監視など支障」(読売新聞10年8月28日)
読売の記事は直ぐに落ちるので末尾に転載

地上からの指令で復旧ができなければ、何ともしようがないため、次の衛星を待つしか手がないのですが、非常に痛い事態です。
夜間や曇天での監視ができないだけでなく、無理に光学衛星を使用すれば、こちらの寿命も短くなってしまいます。

やはり、情報収集衛星はもう少し数をそろえておく必要がありそうです。
そのためにも、日本の防衛にはあまり関係のない地域の情報については、他国に売って商用使用してもいいのではないだろうか。

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情報レーダー衛星故障、北朝鮮監視など支障

 北朝鮮の軍事施設などを監視する政府の情報収集衛星のうち、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星が故障し、運用できない状態になっていることがわかった。

 内閣衛星情報センターは「23日に故障が判明し、復旧作業を続けているが、見通しはかなり厳しい」と話している。

 次のレーダー衛星が打ち上げられるのは2011年度の予定。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍備増強など、東アジアの安全保障環境が不安定化する中で、監視活動に影響が出るのは必至だ。

 故障したのは、07年2月に打ち上げられた「レーダー2号」。同センターは、電源系のトラブルが原因とみている。設計上の寿命は5年間で、再来年までは使えるはずだった。

 情報収集衛星は、1998年の北朝鮮のミサイル発射を受けて政府が導入した事実上の偵察衛星。レーダー衛星2基と光学衛星2基の計4基がそろうと、地球上のあらゆる場所を24時間以内に最低1回は監視できる。

 この体制は当初、03年度に整う計画だったが、打ち上げ失敗や故障に阻まれ続けた。現在は、寿命を超えて稼働している1基を含む光学衛星3基と、今回故障したレーダー衛星1基しかない状態。今回の故障で光学、レーダー各2基がそろうのは12年度以降になる。

 レーダー衛星は光学衛星より技術的に難しく、費用も高い。03年に打ち上げられたレーダー1号も、やはり電源系のトラブルによる故障で、設計上の寿命より1年早く07年に運用を停止した。

 情報収集衛星は日本独自の貴重な情報源であると同時に、「監視しているという抑止力」(防衛省幹部)の意味合いもある。政府は米国の商用衛星の画像も利用しているが、これらは米軍に影響を及ぼすと判断された場合は売ってもらえない「シャッター・コントロール」の制約を受ける。米軍普天間飛行場移設問題などで日米関係がぎくしゃくする中、監視体制の不備による日本の安全保障への影響が懸念される。

 ◆情報収集衛星=電波で物体をとらえるレーダー衛星と、晴天の昼間に高精度撮影する光学衛星の2種類があり、高度400~600キロ・メートルを南北に周回する極軌道を回っている。
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2010年9月 5日 (日)

ハンカチ地主に食い物にされる防衛省

先日もチラッと書きましたが、一般の借地料が本土よりも低いにも関わらず、沖縄の防衛省借り上げ用地の借地料は、本土よりも高くなってます。

しかし、それであっても、尚のこと値上げをするようゴネています。

軍用地料1%増拒否 土地連 防衛相とあす再交渉」(沖縄タイムス10年8月24日)

借地料については、以前の記事でも書きましたが、事業仕分けでも議題になっています。
行政刷新会議の資料
これを見ても分かるとおり、沖縄については、更新協力費などの名目で、借地料が上積みされています。
仕分けでは、このことが槍玉に上がり、多くの仕分け人が削減すべきと主張したものの、最終的には据え置きとなっています。

削減すべきとの意見が多かったためか、当初防衛省は、来年度分について2%の削減を主張したようです。
ですが、据え置きになったことで図に乗ったのか1%の値上げでも、更にゴネるつもりのようです。

しかし、このことをもって、沖縄の人がガメツイと考えるのは間違ってます。

沖縄の用地借り上げについては、本土の反戦活動家が闘争の場としており、一坪地主どころかハンカチ地主、果ては名刺大の地主まで居るという状況になってしまっているからです。(それを利用して、儲けようと考えている人もいるでしょうけど)

彼らは、例え10%の増額だろうと、条件を飲むつもりなど更々ありません。

こんなニュースが出ても、無視して2%減でも良いんです。(闘争するつもりの人間はどのみち契約を拒否します。)

沖縄タイムスは、こう言う背景を全く書かず、まるで防衛省が沖縄を食い物にしているが如き記事を書いていますが、実態は逆で、食い物にされているのは防衛省の方です。

2010年9月 7日 (火)

自衛隊にも防疫研究機関を

映画「アウトブレイク」のモデルともなっている致死性の極めて高い凶悪な疫病、エボラ出血熱に関して、米陸軍感染症医学研究所が効果的な発症予防薬を開発したそうです。

エボラ熱、発症抑制は可能 米陸軍の研究所が実験で成功」(産経新聞10年8月23日)

軍の研究所がエボラの研究をしているのは、凶悪な疫病が生物テロとして使用されかねないからです。

日本もサリンを撒くような団体が出現するような国です。
それに先日の口蹄疫被害でも災害派遣に駆り出されるようにもなっています。

自衛隊も高度な疾病対策と防疫法を研究する機関が必要ではないでしょうか。

2010年9月 9日 (木)

書評「天空のリリー」

書評・DVD評では類似ネタ3連発!
と言うことで、今回もソ連の女性飛行連隊がらみです。
ただし、何と所謂ラノベ、ライトノベルです。


本書は、「スターリングラードの白いバラ」と呼ばれ、恐らく最も有名な女性パイロットであるリディア(愛称リリー)・リトヴァクをモデルにしたフィクションです。
時間的には、実戦に出る前の訓練段階のお話なので、血なま臭いシーンはなく、全体としては訓練に明け暮れる少女たちの日常を描いた作品、というところでしょう。

ライトノベルなので、赤面するような萌え(燃えではない)シーンが随所に出てきますが、史実でも10代20代の人間が多かったようなので、案外ホントにこんなだったかもな、とも思わせられます。

深夜に厨房に忍び込んでお菓子を作るシーンなんかは、実際にあってもおかしくなかったようにも思えまました。
何せ、ソ連が制作した映画「対独爆撃部隊ナイトウィッチ」でも、信じられないほど大らかなシーンが随所にありましたから。

著者の千田誠行氏のブログにも書かれていますが、「出撃!魔女飛行隊」がネタ本の一つになっているようです。
和訳された資料は少ないでしょうから、まあ当然でしょうね。

類似ネタということで読んでみましたが、あまりミリタリー色は強くないので、萌え趣味がないと楽しめないでしょう。

そう言う点では、ライトノベルにはありがちの続編に期待と言うところでしょうか。
ただし、戦場に出た後のリディア・リトヴァクは、鬼気迫るところがありますし、戦友が多数死亡する上、最終的には彼女も戦死しているので、ライトなノベルにはならないような気が……

2010年9月12日 (日)

尖閣実行支配の証明と海保11管の増強

先週の防衛問題にからむ問題の筆頭は、なんと言っても尖閣諸島近海での中国漁船拿捕事件でしょう。

今回の件では、またぞろ中国におもねった弱腰外交になるところでしたが、何とか船長の逮捕という最低限の措置は執られました。
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海上保安庁の保安官が中国漁船に乗り込んだのは7日午後1時前だ。その後、関係省庁の幹部と首相官邸が協議を重ねたとされる。仙谷由人官房長官は中国と波風を立てたくない意向だったという。
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【主張】中国船領海侵犯 すぐに逮捕すべき事案だ」(産経新聞10年9月9日)

さて、今回の事案に絡む報道で驚かされたのは、尖閣実効支配の証明が危うい状況であることです。

上記産経の報道のような領海侵犯=即逮捕という図式は、無害航行権があるため(国際)法的にやり過ぎですが、違法操業があれば全て拿捕してしょっぴかなければ日本の実行支配が疑われかねません。

その点、沖縄タイムスが報じた実態は問題です。
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 今年8月中旬には1日で最大270隻の中国漁船が確認され、そのうち日本の領海内に約70隻が侵入していた―。この数に、関係者は「とても海保だけで手に負える数ではない」と吐露する。

 11管によると、ことし8月から尖閣諸島周辺海域で中国船籍と思われる漁船が増加。巡視船と中国漁船が衝突した7日には160隻ほどの中国船籍とみられる漁船が同海域で確認され、そのうち30隻が日本の領海内に侵入していた。

 多くの漁船に交じり、中国や台湾の海洋調査船も頻繁に確認されている。
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尖閣に中国船1日270隻 石垣市民、不安高まる」(沖縄タイムス10年9月9日)

領海侵入70隻というのが1日の隻数なのか、あるいは8月上旬の累計なのかが不明確ですが、何にせよ現状の11管にとって、手に余る事態であることは明確でしょう。

ただし、70隻も領海侵入していたのなら、EEZ内でのものも合せ、違法操業していた船も確認されていた可能性が高いと思われます。
今回の事件でも、漁船が巡視船にぶつけてこなければそのまま帰していたのでしょう。

政府として、毅然とした態度が必要です。
全ての摘発は難しくとも、違法操業=即拿捕を徹底していれば牽制にもなりますから、違法行為はずっと減るはずです。
それによって、実効支配の証明をしていかないと中国による侵略行為は防げません。

そのためにも、自衛隊だけでなく海保、特に11管の増強も必要です。

2010年9月14日 (火)

H23概算要求-その1_潜水艦増強

23年度の概算要求資料が公開されました。
我が国の防衛と予算 平成23年度概算要求の概要

今後、何回かに分けて来年度の概算要求について見てみたいと思います。
今回は、防衛省資料の発表前にも報じられていた潜水艦の増強についてです。
海自潜水艦を増強 活発化する中国海軍に対処 防衛大綱改定」(産経新聞10年7月25日)

潜水艦の建造は、既存艦の延命措置と相まって、艦数増となるものですし、そうりゅう型AIP艦への更新ですから、かなりの能力向上になるものです。
ですから、悪くない要求だと思っています。

ただ、この件でホンネを隠した、というより欺瞞した要求になっていることに関しては、嫌な感じがします。
というのは、潜水艦の建造や延命が「平素からの情報収集・警戒監視活動」の項目として盛り込まれているのです。
潜水艦が情報収集や警戒監視に寄与しないと言うつもりはありませんが、潜水艦は主にその隠密性から攻撃的性格の強い兵器です。
言わば暗殺者のようなもので、敵の防御網をかいくぐって親玉を一撃で仕留めることのできる兵器と言えます。
その攻撃力をもって、敵の行動を牽制することに最も効果を発揮する兵器なのです。
素直に、中国が建造中の空母の行動を規制する、そしてそれによって我の行動の自由を確保するためだと言うべきです。

もっとも、素直に言ったら買ってもらえそうにないからこんな言い方なんでしょうけど……

また、この潜水艦増強については、背景にアメリカの意向があるのではないか、と思っています。

中国の海軍力、特に空母については、アメリカも先月発表した中国の軍事動向に関する年次報告で警戒感を示しています。
アメリカも中国の海軍力を牽制する必要を感じている一方で、日本同様に軍事費の工面には苦労しています。

そのため、攻撃型原潜は減勢傾向で、2013年の55隻をピークとして減少し、2020年には50隻を割り込む、2030年には40隻を割り込む予定となっています。(軍事研究誌10年5月号「米海軍313隻艦隊の30年建造計画より」)

海自が米海軍と非常に強い結びつきを持っていることは、冷戦期にウラジオストックの潜水艦を封じ込めるために大量のP-3を装備したことなどから読み取れる通りです。

米海軍の攻撃型原潜の減勢を補い、中国の空母を中心とした海軍力を牽制するため、海自に潜水艦の増強を求めたのではないか……というのは、決して穿ちすぎとは思えません。

防衛計画の大綱を見直すことを前提としたこの要求ですが、人員確保など現実的な問題もあるものの、最大のハードルは小沢氏が首相にならないかどうかだと思ってました。
とりあえず小沢首相の登場だけは回避されたようなので、このまま通るかもしれません。

2010年9月17日 (金)

H23概算要求-その2_FX他、航空優勢の確保関連

航空優勢に関わる23年度概算要求で最大の話題は、やはりFXです。

各種飛ばし記事も流れたFXですが、最終的にステルスに拘泥する空自が、(F-35の)調査費用のみを概算要求に盛り込んで、FXの選定調達は先延ばしにしました。

航空優勢確保のためには、代わりにF-15とF-2の能力向上改修を盛り込んでいます。F-2の追加生産はなし。

FXにステルスを望んでいる最大勢力は、当然Pだと思いますが、純減になって口減らしされる結果になっても知らないぞっと……

さて、FX選定と能力向上改修に関しては以前の記事でも述べたので、今回はその他の話題について書きます。

まず、04式誘導弾(改)の開発について
04式誘導弾(以下AAM-5)の能力向上型開発が新規で盛り込まれています。

現行AAM-5自体の評判が悪かった訳ではないですが、これは資料にあるとおり、空中給油機が配備されたことに伴う改修でしょう。

空中給油機の配備により、航空機が長時間のCAPを行う可能性が出てきました。
それに合せてシーカ冷却持続時間の延長が必要になったようです。
ボトルの大型化を図るのか、何らかの方法で冷却効率を高めるのか、はたまた必要な冷却温度を上げるのか……、方法は分かりませんが、そのあたりの研究だと思われます。

IRCCM能力や背景識別能力の向上は、併せて行うことにしたのでしょう。
なお、資料にあるとおり雲が背景になることで誘導制度が不十分になるような状態なら、現状では陸地を背景にした打ち下ろしは厳しいのかもしれません。

次に、ミリオタでもあまり注目しないと思いますが、重要な研究開発案件が盛り込まれているので、そちらに注目してみます。
それは、将来のレーダー方式に関する研究です。

FX選定などステルス機を配備することばかり注目されてますが、日本の場合、どうしても防勢的な作戦に対応することが必要です。

そのためには、長時間安定的に警戒監視を行うため、地上配備レーダーに対ステルス能力を付与して行くことは必須です。
バイスタティックやマルチスタティック、さらにはビーム合成処理でステルスを捕捉するレーダー技術は、対象国のステルス機開発能力の先を行く必要があります。

幸い、日本にはその検証のために使える先進技術実証機(ATD-X)もあります。

対ステルスレーダーがあれば、前述のAAM-5改などを利用して非ステルス機でステルス機を迎撃することも不可能ではないので、ここは是非良いモノを作って欲しいところです。

経費は将来のレーダー方式に関する研究に23億円となっています。
もっとドーンと投入してもいい研究だと思います。

航空優勢確保関連の要求については以上です。

さて、23年度概算要求の総額は、FXの調達が見送られたのにも関わらず、本年度予算より増額となる要望になっています。
もしFXの調達まで盛り込んでいたら相当の増額要求となっていたか、あるいは他の予算を相当に食いつぶすことになったと思われます。
FXに対する
他幕(陸幕と海幕)の風当たりが強いのも分かります。

2010年9月20日 (月)

北沢防衛大臣が再留任

第2次菅内閣でも、鳩山内閣時代から防衛大臣を務める北沢防衛大臣が、再度留任となりました。

第1次菅内閣から数少ない留任者の一人ですが、喜ぶべき所なのか悲しむべき所なのか、正直言って微妙です。
普天間の県外移設とか電波な事ばかり言う民主党議員の中で、大臣就任後は現実路線でブレのない北沢防衛相は悪くない人事に見えます。恐らく米国防総省もホッとしているでしょう。
ただし、制服組の発言を封殺したり等、強権的な所は決して喜べません。

北沢防衛相の留任に関しては、省内からも続投の要望があったとのことですが、内局としては、防衛計画の大綱見直しに向けて、一から説明をし直さなくて良いことから留任を望んだのでしょう。
そこから読み取れることとしては、既に大綱見直しの大枠は固まっているのだと思えます。

なお、防衛副大臣と2名の防衛大臣政務官も留任のようです。
榛葉副大臣と楠田政務官についてはほとんどニュースがありませんが、長島政務官については、週間オブイェクトで首モンじゃないかと思えるツイッター上での問題発言がクローズアップされてました。
長島昭久防衛大臣政務官が日米共同MD開発計画を御破算にする可能性を示唆
ただし、マスメディアは何処も取り上げず終いでした。
記者は、発言の問題性を理解出来てないんだろうな。

菅内閣の防衛にからむ人事としては、外相が前原氏に変ったことがプラス評価しても良い点だと思います。
仙谷官房長官が留任なので、差し引きゼロですけど……

2010年9月21日 (火)

防衛副大臣と防衛大臣政務官について訂正

防衛副大臣と防衛大臣政務官について、昨日の記事で留任のようだと書きましたが、完全に私の勘違いだったようです。

大臣が変ってたのに副大臣及び政務官が変ってなかったので、留任だと早合点してました。

副大臣と政務官については、本日決定されたようです。

防衛副大臣については、安住淳氏に、防衛大臣政務官については松本大輔氏及び広田一氏となったようです。

訂正してお詫び致します。

2010年9月22日 (水)

自衛隊医官の評判と自衛隊の衛生能力

自衛隊病院で手術ミスがあり自衛官が死亡するという事故が発生しています。
自衛隊病院で手術ミス、1等陸尉が死亡」(読売新聞10年9月19日)

医療全般には語れるほど知識もありませんし、どんな軽易な事でも人が行う事に事故はつきものなので、この事故自体には論評しません。
ただ、医療過誤を闇に葬ろうとする医療機関が多い中で、自ら警察に通報の上、発表しているのは誠実な対応とは言えると思います。(一般病院以上に隠しやすい環境な筈ですし。)

さて、ではこの件で何を書こうかと言いますと、自衛隊医官の評判と自衛隊の衛生能力及びその問題点についてです。

自衛隊医官の評判は、端的に言ってよろしくありません。
防衛医大の偏差値は決して悪い数字では無いので、決してソースが悪い訳ではありません。

悪いと言えるのは、その後の環境です。
親方日の丸でその後の研鑽が無くとも身分が安泰という、自衛官一般の如何ともし難い話があることも勿論ですが、何よりも、経験となる練習台が少ない、つまり基本的に一般人よりも健康な自衛官ばかりを相手にしなければならないという現実があるためです。

自衛隊病院では一般の患者を受け入れているところもあるようですが、基本的に重病ではない自衛官を数多く捌かなければならないですし、衛生隊などの部隊勤務医官は、100%自衛官の相手しかできません。
(病気はもちろん少ないですし、体を酷使する割には安全管理もしっかりしているので、怪我もそれほど多くはありません)
何事も、簡単なことしかしていなければスキルは上がらないのは当然の事なので、衛生の方にとっては深刻な問題であるようです。

9年程前に、自衛官による兼業が禁止されているにも関わらず、部外の診療機関でアルバイト的に働いている医官が多数居ることが問題になったことがありましたが、多くはお金欲しさだけでなくスキルの向上を兼ねてやっていた事らしく、処分は軽いモノでした。

自衛隊病院での一般開放が多くなってきているのは、この辺りの背景があります。

さて、大した知識もないのに一般論だけ書いても説得力がないので、この辺りの背景が影響した私の体験談なども書いてみます。

私は親知らずを4本とも抜いていますが、いずれも自衛隊病院及び衛生隊で処置してもらいました。
その内の2本は、十分に出きっておらず、いわゆる埋没なんたらという状態だったようですが、90度横向きに生えていたりして健康な奥歯にも悪影響があると言われて抜歯を薦められました。
これ自体は一般の病院でもあることのようですが、その際に全身麻酔での処置も薦められました。
これも一般の病院でも行われている事ですが、積極的に薦められるようなものではないようです。

先生がいかにもやりたそうだったので(グロそうな手術方法を聞かされた)、全身麻酔での処置をしてもらいました。
練習台になるのも仕事の内かなと思ってましたので。

一般の病院だと入院しての処置になるケースもあるようですが、流石に車の運転は止められたものの、2回とも日帰りで、午前中に手術して夕方には歩いて帰りました。
記憶が定かではないですが、口腔外科の先生だったものの、麻酔医は居なかったと思います。

いざ有事に自衛隊医官の腕前が心許ないのでは困ります。
最近ではパシフィックパートナーシップ等の海外派遣などで腕を振う機会も増えているようですが、部外病院への出向など、腕を磨く機会を、もっと積極的に作って行かなければならないと思います。

2010年9月24日 (金)

菅首相は弱腰ではなく無能(尖閣問題)

逮捕されている中国漁船船長が釈放されることになりました。
尖閣沖の衝突事件、中国人船長を釈放へ「日中関係考慮」」(朝日新聞10年9月24日)

粛々と処置すると言っていたので、記事も書かずに静観していたのですが、腰砕けもいいところです。

これによって、菅首相も従来の弱腰外交を踏襲しているとして批判が渦巻いてますが、私は弱腰だとは思っていません。
事態を理解した上で、強行な策を取らないのは弱腰ですが、事態を理解できていないのは無能だからです。

中国は、(国際)世論に対しての宣伝戦をしかけて来ていました。
そこには理念などはなく、国益しかありませんから、仕掛けた戦いに敗北が見えない限り撤退することなどあり得なかったのです。
(実際に撤退したのは日本になりましたが)

尖閣を中国領土だと主張し、海保による船長逮捕を不当だと主張する以上、日本による法的措置を認めてしまえば、日本の管轄権を認めたことになってしまうため、中国はこれを認めることは決して出来なかったのです。
これは、日本人が北方領土に渡航する際、日本政府がロシアによるビザ取得を必要と認めない事と同じです。

では、中国にとって敗北とはどんな状態だったかと言えば、アメリカが、日本の側に立った明確なコミットメントをし、中国がまるでこの問題など始めから無かったのごとく振る舞うことでした。

実際、アメリカは言論だけのコミットメントはしていました。
先月には、国務次官補が尖閣諸島が日米安保の適用対象になると発表しています。
(この件に関する新聞記事は既にリンク切れのため、代わりにこれに言及した週間オブイェクト様の記事を貼っておきます。)
尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象
そして、昨日も国務長官が明言しています。
クリントン米国務長官「尖閣は日米安保適用対象」」(読売新聞10年9月24日)
読売は直ぐにリンクが切れるので、全文を転載しておきます。
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 【ニューヨーク=志磨力】前原外相は23日午前(日本時間同日夜)、ニューヨーク市内のホテルでクリントン米国務長官と初めて会談した。

 会談は約50分行われた。日本側の説明によると、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で日中間の緊張が高まっていることについて、外相は日本の国内法に基づいて粛々と対応していることを説明した。これに対し、長官は理解を示したうえで、「尖閣諸島には、(日本への防衛義務を定めた)日米安保条約5条が適用される」と明言した。

 長官が安保条約適用にあえて言及したのは、強硬姿勢を崩さない中国側をけん制する狙いがあったとみられる。外相は「日中2国間の問題で、東シナ海に領土問題はない」と強調し、「外交問題として、大局的な見地からしっかり取り組む」と応じた。
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そして、アメリカは、ここまで言った以上、事態が政治問題からエスカレートして軍事的衝突が懸念される状態になれば、介入せざるを得なかったのです。
もし、そこで黙っていれば、日米同盟だけでなくNATOを含むアメリカの結ぶ全ての軍事同盟の信頼性が低下するからです。

国務長官も、この時点で日米安保条約の適用対象だと明言する以上、状況によっては軍事介入も覚悟していたはずです。

それにも関わらず腰砕けになった菅首相。
おそらく、クリントン国務長官もあきれ果てているはずです。
彼女がサッチャー元英首相なら、日本の内閣には男が一人もいないと言っていることでしょう。

アメリカが軍事介入を含む強力なコミットメントを行えば、中国は引き下がるハズでした。
何しろ、今回の事案発生直後から、中国は事態が軍事的危機になることを避けていたからです。

この問題の発生直後、中国は漁業監視船を尖閣近海に急行させながら、海保艦艇に近づく前に引き返させました。
事実上軍艦に等しい中国の漁業監視船が武装を持つ巡視船に接近すれば、双方の銃口が睨み合う事態になり、双方ともに、より強力な軍及び自衛隊を出さざるを得なくなり、自ずと軍事的な危機にエスカレートせざるをえませんでした。

中国は、それを避けたのです。
自衛隊の次に出てくるはずの、米軍との衝突を避けるためです。

アメリカは、そこまでの覚悟があることを発信してました。
それにもかかわらず、日本の無能首相は……

今回の措置によって、今後、海保は尖閣周辺でまともな活動はできなくなるでしょう。
今後、余程まともな指導者が出てこなければ、回復は難しいようにも思えます。

もし、という仮定の話は好きではないのですが、今回の事案を好ましい方向で解決するとしたら、どんな処置が可能だったでしょうか。

アメリカが明確なコミットメントをしている以上、日本は虎の威を借りて中国に圧力を与え、最終的には中国のメンツを保ってあげれば良かったハズです。

具体的には、さっさと起訴・裁判を行い、罰金刑での有罪にでもしておけば良かったのです。
罰金は、後で払わせる事にして、一旦解放します。
中国とすれば、罰金を踏み倒すことで、日本による管轄権を認めたのではないというメンツが立ったでしょう。

菅首相があやまった判断をした理由は分かりません。
国際関係というものが全く理解出来ていなかったのか、あるいはアメリカのコミットメントに頼れば、巨大な借りを作ることになり、普天間問題や今後問題になりそうな思いやり予算に関して、アメリカの意向に沿った処置をせざるを得なくなることを恐れたのかもしれません。
いずれにせよ無能ですが。

今回の事案は、「人命は地球よりも重い」と言ってテロリストの味をしめさせたダッカ日航機ハイジャック事件にそっくりです。

今後、日本を安保理の理事国に推すような国はなくなるでしょう。
これだけ無能ぶりを示せば、十分です。

なお、政府は今回の処置を検察のせいにするつもりのようですが、そんな事を信じる人はいないでしょう。
中国人船長釈放、仙谷官房長官が政治介入を否定」(朝日新聞10年9月24日)

那覇検察による「(釈放は)日本国民への影響や今後の日中関係を考慮した」という会見内容も、法的判断ではなく政治的判断だったという言外の抵抗でしょうし、本当にこんな理由で判断したのでしたら、完全な越権行為な上、職務怠慢に他なりません。
地検の担当検事が、本当にこんな判断をしたのなら、郵便不正事件の前田検事よりも重罪です。

2010年9月26日 (日)

尖閣漁船船長解放の所感あれこれ

前回、中国漁船船長解放で怒りに任せて焦点についてだけ記事を書いたばかりですが、その他思った事をとりとめなく書いてみます。

まず最初に、米軍の軍事介入に関する、私の主張と近い論評について。

それは、アメリカ国防総省の日本部長などの経験もある日米関係の専門家ジェームス・アワー氏の論評です。
【尖閣衝突事件 私はこう見る】「日本は保有の覚悟示せ」 ジェームス・アワー・ヴァンダービルト大学日米研究協力センター所長」(産経新聞10年9月23日)
記事末尾に全文転載しておきます。

補足として、米軍の軍事介入が現実味を帯びれば、中国が引き下がったハズであるとする論拠ですが、それは実際の衝突になれば、まだ中国の海軍力では米軍に及びも付かない以上、もし軍事介入に及べば、尖閣の実効支配が日本にあることを世界に喧伝してしまう結果となったからです。
アメリカが明確なコミットメントをしている以上、アワー氏も述べているとおり、今回事態が緊迫すれば米軍は介入せざるを得ませんでした。
そのためにも、日本は覚悟さえ見せれば良かったんですが……

次に、前回記事の補足になりますが、そのアメリカのコミットメントについて、クリントン国務長官だけでなく、ゲーツ国防長官も、そして制服組トップであるマレン統合参謀本部議長も明確な発言をしてました。
【尖閣衝突事件】周辺は安保対象と米軍制服組トップ 国防長官も「責任果たす」」(産経新聞10年9月24日)
マレン統合参謀本部議長に至っては、「同盟国である日本を強力に支援する」とまで言ってくれていたのに……

なお、オバマ大統領はこの事件に関して冷淡で、軍事衝突の回避を求めていたとの報道がありますが、アメリカの自国の事ではないのですから、当たり前なことです。
日本は米軍に出てきて頂くのではなく、引きずり出すつもりでなくてはなりません。

高い思いやり予算を国民の税金から払い、米軍を駐留させ、沖縄の方に負担を強いているのは、こういう時に使うためなのに。
沖縄の方(特に漁業関係者)は裏切られたと思われているようですが、その通りですね。
今後は、尖閣周辺で逆に日本の漁民が拿捕されてもおかしくないですし、その時に日本政府が助けようとするかもアヤシイものです。
普天間移設は、更に難しくなったかもしれません。

続いて、今回の事件に関連した閣僚等の評価です。

もとより、期待どころか日本人じゃないと思っていたので、「やっぱりな」としか思いませんが、仙谷官房長官には本当に腹が立ちます。
この人が海保ビデオテープの公開に反対していた理由は、当初から釈放を考えており、公開したことで不起訴にすることが不当に見えてしまうからなのではないか、とさえ思えてなりません。
漁船衝突:海保ビデオ公開に慎重 仙谷官房長官」(毎日新聞10年9月21日)

これとは逆に、ビデオ公開に積極的だった北沢防衛相は立派です。
中国漁船衝突、防衛相「ビデオ公開すべきだ」」(読売新聞10年9月21日)

それに、北沢防衛相は、クリントン国務長官のコミットメントに対しても「極めて適切な発言で高く評価したい」と素早く適切に反応してます。
【尖閣衝突事件】クリントン発言「極めて適切」と防衛相が評価」(産経新聞10年9月24日)
まあ、防衛相としては当然の話ですが……

また、今回の事案で、評価を大いに下げざるを得ない人もいます。
菅首相は言うに及ばずですが、これに盲従した前原外務相には幻滅しました。
中国漁船・尖閣領海内接触:中国人船長釈放 前原外相「決定、了としたい」」(毎日新聞10年9月24日)
防衛問題にも一家言もった政治家だと思ってましたが、知識はあっても、気概はないようです。
「領海内で同じような事案が起きたら同様の対応を粛々と行う」と言ったようですが、今後も起訴はしないという意味でしょうか。

それにしても、今回の処置で辞表を叩き付ける閣僚や政務官が、一人くらい居ても良さそうな気がしますが、やっぱり民主党なんですね。

なお、国際法上の実効支配に関しては、実際に支配していることも勿論ですが、実効支配の意志を示すために、軍事力による示威(プレゼンスの発揮)も重要です。
今回の事案で、日本には「実行支配の意志なし」、と見られても仕方ないかもしれません。

それと、自衛隊や海保の存在意義ですが、この程度の衝突でへたれて引き下がるようなら、自衛隊や海保は存在するだけ無駄です。
予算が無駄ですから、自衛隊と海保は解体してもいいんじゃないでしょうか。
多くの自衛官や海保隊員が、同じような気持ちにならない事を祈ります。

次に、レアアース禁輸やフジタ社員の拘束があったので、釈放は仕方なかったとの見方について書いておきます。
軍事紛争が起きる前に、経済で揺さぶりをかけることは当たり前です。レアアースなどは、WTOに提訴すれば勝てた話です。
日本だって、北朝鮮に経済制裁を科しています。
日本は、軍事以前で負けたということに他なりません。中国のネットが勝利で沸き返るのは当然です。

フジタの件は、詳細は知りませんが、中国の横暴もあるものの、そもそもプラント会社として脇が甘すぎます。
軍事施設の写真を撮ったら即刻しょっ引かれる国など、世界中にはいくらでもある話で、特にこう言う情勢では社員にちゃんとした教育が必要です。
世界で仕事をするプラント会社なら、そう言う認識と行動は当然のハズなのですが、出来ていなかったのでしょう。

それと、メディアも騒ぎすぎです。
軍事区域に入り込んだりして警察沙汰になるなど、バックパッカーなら良く聞く話です。
本当にフジタの社員が軍事施設の写真を撮っていたなら、向こうの国内法で処理されても仕方ない話です。

100%日本に正義のある話で引き下がった以上、今後向こうにも妥当性のある話で相手が交渉のテーブルに着くことはないでしょう。
採掘しているのは日中中間線の向こう側ですから、中国の主張にも妥当性があります。
私なら、これからは日本など100%無視します。

中国の進出に恐れる東南アジアの国々も、今回の事件は見守っていたハズですが、これで日本に期待しても無意味だと思ったでしょう。
日本の発言力、指導力も地に落ちました。

最後に、ネットで私の主張に近い主張を拾ってみましたが、少数派ですね~。
佐藤正久議員が政府に男はいないのかと書かれているのが少し似ているでしょうか。
米軍の件などは、週間オブイェクトさんが軽く触れている程度です。
精神論で書いている所は多いんですが……、私も怒りにまかせて書いている口なので、人のことは言えないんでしょうけど。

産経から転載したジェームス・アワー氏の論評
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 今回の事件はまず東アジアの戦略的な構図から考える必要がある。東アジアでは中国、日本、ロシア、米国という主要諸国の力が安定しないまま、中国が覇権的なパワーを強め、優越な立場にあるような言動をとり始めた。この動きは日本にとって脅威である。そもそも地政学的には、一定地域で一方のパワーがすでに優位にあった側に追いつき、追い越そうとする際に不均衡が高まり、危険が大きくなる。だからこそ米軍がなお日本と韓国に駐留しているのだといえよう。

 中国が尖閣諸島の領有権を石油資源の可能性が浮かんできた1970年代まで主張しなかったことは周知の事実であり、当時、中国側には尖閣諸島をはっきりと日本領として描いた地図も存在したと聞いている。しかし米国政府は伝統的に他の諸国の領土紛争には中立を保つ。だから尖閣の主権がどの国にあると公式に断定することはできない。

 尖閣諸島の保有に関しては日本自身が覚悟をせねばならないだろう。尖閣の主権をあくまで主張するならば、それを守る決意があることを示さなければならない。そのために戦う覚悟を示してこそ、初めてその領土への主権に正当性が得られるとさえいえるだろう。その点で日本政府が竹島に対してとっている態度は悪い見本となる。

 今回の中国漁船の行動は「無謀運転」といえるだろう。ただしそれが故意の無謀運転か、過失の無謀運転か、まだわからない。

 尖閣諸島は明らかに日本の統治下にあり、日本の施政の下にある領域は日米安全保障条約での日米共同防衛の対象となる。米国は戦後、尖閣諸島の施政権を保有し、沖縄返還の際にいっしょにその施政権を日本側に返した経緯があるから、なおさら強く意識している。

 ただし米国政府も、クリントン政権時代にモンデール駐日米大使が「尖閣諸島が第三国に攻撃を受けても、米軍は防衛には当たらない」という趣旨の発言をして、波紋を広げた。これは発言者が実態をよく知らなかったための失言だった。その後、私も含めて多数の識者たちが米国政府のミスを指摘し、クリントン政権の国防総省高官のカート・キャンベル氏らが後に「尖閣には日米安保条約が適用される」と明言するようになった。

 だから現在も、もし尖閣諸島が中国などの軍事攻撃を受ければ日米安保条約の発動となり、米国は同盟国の日本を守る軍事行動をとるだろう。安保条約上の責務なわけだ。日米両国は東アジアの安定を保つためにも、尖閣諸島をめぐる軍事衝突を起こさないためにも、同盟を堅固に維持していくべきだろう。(談)
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2010年9月29日 (水)

在沖の陸自戦力大幅増構想

在沖の陸自戦力を大幅に増やす構想があるそうです。
沖縄へ陸自2万人構想 2020年、現在の10倍に 防衛省」(琉球新報10年9月20日)
沖縄タイムスもほぼ同趣旨の記事を掲載しています。
元記事配信は共同のもよう。

全国紙が追随した記事を書いていませんし、元々左色が強い共同がソースのようですから、記事の信憑性は今ひとつです。
これに関連して、北沢防衛相の「2万人は聞いたことがない」との発言も信憑性に疑問符を付けます。
北沢防衛相、先島配備の意向 自衛隊増員」(琉球新報10年9月22日)
ただし、観測気球を目的とした意図的リークは、内局が昔からよく使う手なので、構想自体は実在するのかもしれません。

また、これと符号する別報道が事前に流れています。
「共同使用」日米隔たり…普天間の代替施設協議」(読売新聞10年8月27日)
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代替施設の共同使用では、日本が自衛隊を常駐させての共同管理を主張しているのに対し、米側はあくまで施設の管理は米軍が行うとし、共同使用は米軍の許可の下で自衛隊が施設を使う「一時使用」との立場を崩していない。
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日本側(防衛省)が、普天間の代替施設に、自衛隊を常駐させる事に拘っているとのことでした。

この報道を見た時点で、防衛省には在沖陸自戦力の更なる(今年度に混成団から旅団に格上げになったばかり)増強の考えがあるのではないか、と思っていました。
現状2千人規模の15旅団を、利便性が良く、訓練場所も確保できている那覇から、辺野古くんだりに移す必要性が乏しいためです。

話を元に戻して、在沖陸自戦力増強についてですが、もちろん基本的に悪い話ではありませんし、このブログでも再三述べていた方向なので、大歓迎です。
ただし、流石に2万は多すぎるのではないか、という気がします。

と言うのも、先島を含めた地域への分散配置だとしても、部隊配備はともかくとして、2万人分もの訓練用地の確保は困難ではないか、と思えるからです。
前述の辺野古への自衛隊常駐がリンクする話だとした場合、広大な北部訓練場を使う構想なのは容易に想像出来ますが、海兵隊の戦闘部隊はグアム移駐する訳ではないので、米軍がおいそれと北部訓練場まで共同使用させてくれるとは思えないのです。

多くの方も知るとおり、陸自(だけではありませんが)は狭隘な訓練用地の中で、創意工夫でなんとかやりくりしているのが現状です。

広大な東富士演習場でさえ、分単位で部隊が入れ替わり立ち替わりして訓練しています。
まだ状況が継続しているにも関わらず、次の部隊が割り当て時間になったからと言って入ってくることさえしばしばです。

部隊を配置すれば、近傍にかなり広い訓練用地の確保が必須なのです。
それは一般の方が思う以上に、広い地積です。

おそらくそうではないと思いますが、(先島に)機甲や特科を配置するなら、なおさらです。

辺野古に常駐し、北部訓練場が使えるとしたとしても、多くても15旅団の師団化で、人員的には1万というところではないでしょうか。
陸幕の考えも、実は2万という数字はバーゲニングチップを含めた数で、落とし所としては1万程度を考えているのではないか、と想像します。

なお、陸幕の念頭に、再三言及した陸自部隊の辺野古への常駐、及び代替施設と北部訓練場の使用があるのだとしたら、そこにはオスプレイの配備も含まれているのではないか、と夢想するのですが、あながちハズしてないように思えます。
(もしそうなると、23年度概算要求に盛り込まれている新多用途ヘリコプターの開発と競合してくるでしょうが)

また、この構想は、大幅な定員増を踏まえたもののようですが、経済情勢や空海との予算配分を考えると、定員増は難しく、本土もしくは北海道配置師団のさらなる旅団化改編が必要なんではないでしょうか。

何にせよ、これについては情報が少ないので、期待しつつ続報を待ちたいと思います。

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