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2010年7月19日 (月)

軍人は口を噤め

田母神元空将発言や44普連連隊長による不適切とされた発言に見られるように、自衛官による発言は規制される方向です。

田母神元空将による発言を契機として、自衛官が部外に意見発表をする場合の手続きは厳格化され、事実上口を封じられた形になっています。
部外に対する意見発表の際の手続の実施について(通知)

この流れは、この問題以前から発生していました。
どの時点からなのかハッキリしませんが、以前は沢山あった現役自衛官によるHPは、現在では皆無になっています。

確かに、どう見ても勤務中に撮ったとしか思えない写真が掲載されたりしていて、私でさえも「どうなのコレ?」と思うサイトもありましたが、当時は広報効果があると思われていたのか、黙認されていました。

最近では、2chをはじめとするBBSでの発言も非常に少なくなっています。

このような日本での現状を、嫌な動きとして見ていましたが、アメリカでも同じようは傾向にあるようです。
メディア接触を厳格化 米国防総省」(産経新聞10年7月4日)
「国防総省側の問題だ」 取材厳格化でゲーツ長官」(産経新聞10年7月9日)

軍人の発言を規制する建前は、シビリアンコントロールだったり、機密の保持だったりしますが、ホンネでは、日本でもアメリカでも政府中枢に対する批判を抑えるために思えてなりません。

民主主義を成立させるためには、国民の知る権利の保証が大切です。
軍人は口を噤め、という政策は民主主義に反しているように思えます。

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情報・防諜」カテゴリの記事

コメント

シビリアンコントロールの定義が難しいです。

日本国憲法は、個人の思想の自由と発表の自由を保障している訳ですから、
職業によって、その自由を制限することは憲法違反だと考えます。
(もちろん、任務上の秘密を発表することと任務のサボタージュは不可です。)
あの池上彰さんですら、田母神さんの発言をシビリアンコントロールを逸脱して
いると解説してます。 
軍人は人権を制限されるということでしょうか? そんなことで、軍人の方々が
いざというときに命を掛けることができるのでしょうか?

やん 様
軍人の人権というより、国民の知る権利の問題だと思うのです。
国民主権なのに、国民に真の情報を伏せるというのは問題ありじゃないでしょうか。

数多様
機密保持という言葉を持ってこられると、国民の知る権利が制限されて
しまいますが、素人目からすると、ある程度は仕方無いと思ってしまいます。

以前は黙認されていた現役の方のHPがなくなってきたのは、情報セキュリティに対する意識の高まりによるものではないでしょうか。
私もいくつか見たことがありますが、日記感覚で正直脇が甘いと感じました。

また、幹部の方が政府と異なる意見を表明するのは危険だと思います。
軍隊の性質上、下の方々が付いてきてしまう可能性が高く、それが常態化していけば行き着く先はクーデターでしょう。

個人としての発言を制限するのであれば、広報予算を増やすなりして公の情報公開を増やすべきと思うのですが、その辺を欠いている辺りバランスの悪い施策になっているように思います。

私は44連隊長のような発言はあって当然だと思います。隊員の士気を鼓舞するためにも、正しいことは言わなければなりません。それが政府の見解と違っていても言うべきであると思います。
自衛隊は国民の皆様が思っているほどクーデターに興味はありません。なぜなら皆が先制攻撃が出来ない軍隊とわかって入隊していますから、肝が据わってます。

また隊員のブログ等に関しては、特に若い隊員(海士)から確実に情報漏洩しているので規制すべきだと思います。私が見た中では、某ブログにてソマリア派遣予定の艦の派遣前の訓練スケジュールや派遣中の予定寄港地(どちらも詳細な日にちまでは載っていない)が公開されてました。

やん 様
機密保持は当然必要ですが、田母神元空将にしていも44普連連隊長にしても、それにマクリスタル司令官にしても保全上で問題のある事を言ったわけではないんですよ。
それなのに、というところが問題だと思います。

藤宮 直樹 様
確かにHPが軒並み消えたのは漏洩問題などでの締め付けのためでしょうね。

日本を含めてですが、民主的な先進国でクーデターなんてありえないと思います。
少なくとも、私が現役の時にはそんな考えを持っている方には出会いませんでした。
国防ではなく、安全保障という考えが敷衍化していますし、軍事だけで国を運営していけるなんて考えているバカな自衛官はおりませんでした。

そう思っているからこそですが、政府見解と異なる考えを表明しても構わないと思っています。
従ってさえいればOKだと思います。
大体、自民政権から民主政権に変っただけで自衛官の考えが変る訳はではないんですから。

広報は昔と比べると非常に活発になってますね。
硬さもとれて良い感じではないでしょうか。

ワキ 様
自衛官の発言については全く同感です。
ただ、ゼロの証明は難しいですから、クーデターの懸念なんかは今期強く払拭していかないといけないでしょうね。

若い隊員は何を語ってはいけないか判断しきらないんでしょうね。
一律に規制するのはどうかと思いますが、何が秘にあたるのかという教育はかなり難しいのも事実ですから、「兎に角書くな」も仕方ないかなとも思います。

私も都度悩みながら書いています。

数多様
田母神さんの論文は全く問題ありません。 なぜあの論文が問題になるのかが、
今でも全く分かりません。
田母神論文を全く読みもせず、マスコミの論調に同調することが正しいことだと
判断する頭の悪い人間が多い為でしょう。 これだけ大学・短大卒が多いのに、
論理的に判断できる人間が増えないということは、問題だと思います。

田母神元空将の論文が問題になったのは政治問題になりそうだと踏んだからでしょうね。
実際には、諸外国で話題になったとはトンと聞きませんが……

数多様
なぜ田母神論文に、中国・韓国は騒がなかったのか不思議です。
日本人が騒ぎ過ぎたのでしょうが・・・
中国・韓国が日本の歴史等どうでもよいということの証左ですネ。

やん 様
軍人が愛国的な発言をすることが当たり前だと思っているからではないでしょうか。
自衛官なら当然と思ったのだと考えています。

数多様
愛国者でなければ、命を掛けて国を守ろうとは思いませんネ。
中韓が、同じように考えているならば、ある意味安心してしまいます。

「愛国正義」で何言ってもいいかっていうと、それはどうかと思いますが。

義忠 様
「愛国正義」で何言ってもいい、などとは言ってないつもりです。

「愛国」という言葉に過剰反応する方もいらっしゃいますネ。

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