普天間移設に関する日米共同声明
ビッグニュースですし、こうなることは予想できた話だったため、新たにコメントする必要はあまりないのですが、一応の区切りなので取り上げておきます。(鳩山さんが辞任したことで話題はすっかりそっちに移ってしまいましたが……)
普天間基地移設問題について、日米の共同声明が発表されました。
結局、工法は保留のまま、普天間基地はほぼ原案どおり辺野古に移設されることが発表されています。
米軍普天間飛行場移設に関する共同声明(全文)
代替施設は、「オーバーランを含み、護岸を除いて1800メートルの長さの滑走路を持つ」となっており、C-130を含む海兵隊航空機が問題なく運用できるだけの施設を作ることになっています。
工法は8月末までに検討するということになっていますが、日本政府がなんとかアメリカに飲ませようとしたくい打ち方式は事実上なくなりました。
ただ、民主党政権としてはメンツもあるでしょうし、今後オーバーラン部分(通常の離着陸には使用しない滑走路のマージン部分)だけでもくい打ち方式にして環境に配慮したと強弁するつもりのようにも思います。
しかし、日米両政府が合意したとは言え、声明の中にも「移転は、代替施設の完成に向けての具体的な進展にかかっていることを再確認した」と謳われているとおり、主に地元の反対により移転が進展せず、普天間が固定化する可能性も確認されています。
また、移転に付随して県外に訓練移転を行う事、及びシュワブを自衛隊が共用する可能性に言及した点などが注目点です。
一応これで5月末の決着を図った、ということなんでしょうが、まだまだ紆余曲折がありそうです。
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