レッド・フラッグ参加、今年は大所帯
米空軍の演習レッド・フラッグ・アラスカへの空自部隊の参加が発表されています。
「米空軍演習への参加について」(22.5.25)
レッド・フラッグ・アラスカに対しては、毎年部隊が派遣されて訓練されていますが、今年は大所帯です。
昨年、一昨年と約210人規模の参加でしたが、今年は330人も参加します。
従来から参加している6機のF-15、1機のAWACS、基地防空隊に加えて、今年は2機のKC-767と3機のC-130も参加するからです。
レッド・フラッグ演習は、訓練上で初めてF-22が撃墜された訓練でもあり、メインは制空戦闘です。
F-15やAWACSは当然これらの訓練に参加します。広い訓練エリアと日本周辺の訓練空域とは違う陸地上空での戦闘訓練を行える、他では得難い機会です。
あまり練度の高くないパイロットも多数参加する訓練ですが、その分米空軍の基本的な考え方を吸収するには良い機会です。
参加者も多く、ブリーフィングは賑やかです。
基地防空隊は、レッド・フラッグ演習参加の戦闘機部隊だけでなく、アイルソン所在のA-10などを目標として訓練します。
国内の基地や演習場では、基地対策上航空機が低高度を飛行して訓練を行う事が出来ませんが、レッド・フラッグでは時として自分より下を飛ぶ目標を迎撃する(気分はアフガンゲリラ)訓練なども可能な、これまた得難い機会です。
(国内で低高度目標を対象とした訓練が可能なのは硫黄島くらいですが、それでも洋上の目標が多い)
今回参加するC-130とKC-767は戦術空輸訓練や空中給油訓練を予定しているようです。
日本からアラスカへの移動支援だけなのかとも思いましたが、移動のための空中給油はKC-767ではなく米軍から支援を受けるようです。
一部はKC-767が行うのかもしれませんが、もしかするとKC-767部隊はまだ十分な能力がないのかもしれません。
戦闘機の護衛を受けながら、地上からの脅威もある環境下での空輸なんかを訓練するのでしょう。
もしかすると、KC-767が米軍機に給油する訓練なんかも行われるのかもしれません。そうであれば、北朝鮮情勢もあり、結構意義深い訓練かもしれません。
何にしても、一ヶ月にも及ぶ大変な訓練です。
気をつけてがんばって下さい。
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なんかもう空自機が空中給油できなかった時代が嘘のようですね。
ほんの10年くらい前までそうだったと思うんですが。
いずれは移動中の空中給油もKC-767でできるようになると良いですね。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年6月 9日 (水) 14時46分
藤宮 直樹 様
全く同感です。
10年一昔ということなんでしょうが、これが10年前だったら、社民党や共産党が鬼の首とったように騒いだでしょう。
あまりにも騒がれないのは、それはそれで寂しいですが……
来年あたりは、移動も自前でやるのではないでしょうか。
投稿: 数多久遠 | 2010年6月12日 (土) 01時57分