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2010年6月

2010年6月 3日 (木)

普天間移設に関する日米共同声明

ビッグニュースですし、こうなることは予想できた話だったため、新たにコメントする必要はあまりないのですが、一応の区切りなので取り上げておきます。(鳩山さんが辞任したことで話題はすっかりそっちに移ってしまいましたが……)

普天間基地移設問題について、日米の共同声明が発表されました。
結局、工法は保留のまま、普天間基地はほぼ原案どおり辺野古に移設されることが発表されています。
米軍普天間飛行場移設に関する共同声明(全文)

代替施設は、「オーバーランを含み、護岸を除いて1800メートルの長さの滑走路を持つ」となっており、C-130を含む海兵隊航空機が問題なく運用できるだけの施設を作ることになっています。

工法は8月末までに検討するということになっていますが、日本政府がなんとかアメリカに飲ませようとしたくい打ち方式は事実上なくなりました。
ただ、民主党政権としてはメンツもあるでしょうし、今後オーバーラン部分(通常の離着陸には使用しない滑走路のマージン部分)だけでもくい打ち方式にして環境に配慮したと強弁するつもりのようにも思います。

しかし、日米両政府が合意したとは言え、声明の中にも「移転は、代替施設の完成に向けての具体的な進展にかかっていることを再確認した」と謳われているとおり、主に地元の反対により移転が進展せず、普天間が固定化する可能性も確認されています。

また、移転に付随して県外に訓練移転を行う事、及びシュワブを自衛隊が共用する可能性に言及した点などが注目点です。

一応これで5月末の決着を図った、ということなんでしょうが、まだまだ紆余曲折がありそうです。

2010年6月 5日 (土)

再びUS-2の民間転用について

防衛省から防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会関連の資料が公開されています。

その中に、US-2の民間転用に関して興味深い資料が何点か出ていますので、ちょっとまとめます。

現在までに、防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会は2回ほど開催されました。
もちろん、私が書こうとしているUS-2だけでなく、XC-2の事も検討されています。
ですが、私は近い将来に売れるとしたらUS-2消防飛行艇だけだろうと思うので、勝手ながらUS-2についてのみ取り上げてみます。

第1回の検討会において、US-2の機体価格について、現時点では約100億円であるものの、量産効果が得られれば、消防飛行艇として市場においてライバルとなるであろうボンバルディアCL415と互すことができる価格になるだろうと報告されています。
防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会(第1回)議事要旨

CL415はUS-2よりも二回りも小型の機体なので、CL415と同等の約30億まで引き下げられるという意味ではないでしょう。
第1回の検討会に新明和が提出した資料「救難飛行艇US-2の民間転用について」に対抗機との比較表が載っていました。
非常に興味深い表なので、その部分だけ転載します。
Ws000000
資料「救難飛行艇US-2の民間転用について」より

CL415は搭載水量6tで、US-2はその2.5倍にもなる15tを搭載できます。
搭載水量だけで価格が決まることはありませんが、単純に水量で考えれば、US-2の価格が75億円程度になれば同等程度の価値と言えることになります。
現在価格が約100億ですから、75億円という金額は不可能ではないでしょう。

比較表にはCL415以外にもライバル機が載っていますが、陸上機だったりジェットだったりと、コストを含めた性能的に互角の戦いを演じるのはやはりCL415以外にはなさそうです。

新明和提出資料にある需要予測も机上の空論ではなく、妥当性がありそうです。
Ws000001
資料「救難飛行艇US-2の民間転用について」より

実際に民間転用するにあたっては、いろいろと課題はあるようですが、何とか実現して欲しいものです。

第2回検討会に新明和が提出した資料「救難飛行艇US-2民間転用事業体制(案)と課題について」の中に、「官民共同での広報活動やトップセールス、(中略)通常の旅客機とは異なるアプローチが必要です。」とあります。
まさにその通りでしょう。

何より、世界各地に販売サポート網を展開し、ブランドネームを確立したボンバルディア製品と対抗するには、まず自衛隊が1機でも装備した上、国内での運用だけでなく、海外で災害があれば派遣して実績を作って見せなければなりません。
その上で、首相や防衛大臣、それに国土交通大臣あたりがトップセールスを行うつもりでもなければ、例え製品が良くても売れるものではないでしょう。

参考対抗機
CL-415

Be-200

検討会関連資料の一覧はコチラ
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/kaihatsukokuki/sonota/sonota.html

2010年6月 8日 (火)

レッド・フラッグ参加、今年は大所帯

米空軍の演習レッド・フラッグ・アラスカへの空自部隊の参加が発表されています。
米空軍演習への参加について」(22.5.25)

レッド・フラッグ・アラスカに対しては、毎年部隊が派遣されて訓練されていますが、今年は大所帯です。

昨年、一昨年と約210人規模の参加でしたが、今年は330人も参加します。

従来から参加している6機のF-15、1機のAWACS、基地防空隊に加えて、今年は2機のKC-767と3機のC-130も参加するからです。

レッド・フラッグ演習は、訓練上で初めてF-22が撃墜された訓練でもあり、メインは制空戦闘です。
F-15やAWACSは当然これらの訓練に参加します。広い訓練エリアと日本周辺の訓練空域とは違う陸地上空での戦闘訓練を行える、他では得難い機会です。
あまり練度の高くないパイロットも多数参加する訓練ですが、その分米空軍の基本的な考え方を吸収するには良い機会です。
参加者も多く、ブリーフィングは賑やかです。

基地防空隊は、レッド・フラッグ演習参加の戦闘機部隊だけでなく、アイルソン所在のA-10などを目標として訓練します。
国内の基地や演習場では、基地対策上航空機が低高度を飛行して訓練を行う事が出来ませんが、レッド・フラッグでは時として自分より下を飛ぶ目標を迎撃する(気分はアフガンゲリラ)訓練なども可能な、これまた得難い機会です。
(国内で低高度目標を対象とした訓練が可能なのは硫黄島くらいですが、それでも洋上の目標が多い)

今回参加するC-130とKC-767は戦術空輸訓練や空中給油訓練を予定しているようです。
日本からアラスカへの移動支援だけなのかとも思いましたが、移動のための空中給油はKC-767ではなく米軍から支援を受けるようです。
一部はKC-767が行うのかもしれませんが、もしかするとKC-767部隊はまだ十分な能力がないのかもしれません。
戦闘機の護衛を受けながら、地上からの脅威もある環境下での空輸なんかを訓練するのでしょう。
もしかすると、KC-767が米軍機に給油する訓練なんかも行われるのかもしれません。そうであれば、北朝鮮情勢もあり、結構意義深い訓練かもしれません。

何にしても、一ヶ月にも及ぶ大変な訓練です。
気をつけてがんばって下さい。

2010年6月12日 (土)

書評「Twelve Y.O.」

多分、このブログを読んで下さっている方ならば映画化作品を含めて、まず間違いなく見知っているだろう福井晴敏氏のデビュー作です。


「亡国のイージス」や「終戦のローレライ」といった福井氏の作品が面白いと思ったからこそ読んだのですが、本作は最後まで読むことがつらかった、というのが正直な感想です。

だったら、いちいち書評なんて書くなよ、と思われるかもしれませんが、今回取り上げたのは、沖縄からの海兵隊撤退という、今であればタイムリー?な内容が含まれているからです。

(以下、多少のネタバレあり。)

ただし、作中では海兵隊の撤退は米軍も海兵隊の撤退を望んでいる事になっていますが、普天間問題のおかげでアメリカはそれを望まないことがハッキリしてしまいました。
その意味で、ちょっと古い作品になってしまったと言えるかもしれません。

本作に限らず、福井氏の作品は、ものすご~く乱暴な言い方をすると、反米右翼的なテイストがありますので、同じような考えの方はシンパシーを感じられるかもしれません。

私の場合は、心情的には似たようなモノを感じないではないですが、この作品ほど明確だとちょっと受け付けません。
アメリカはそんなに悪意の塊だと思っていないので……独善ではありますが、必ずしも偽善ではないでしょうから。

ミリタリー的な描写という点では、日本人作家の中ではリアルに描こうとしている部類に入るでしょう。
ご本人はそれに拘っているわけではないようですが、何せ他の方の作品にトンデモなモノが多いので。

ただし、ネットワーク中心の戦いが盛んに言われている現在でも、コンピュータウイルスは描かれているほど万能ではありません。
「ナイナイ」と言う描写が結構多かったです。

この作品を読んで、改めて思ったことは、アメリカ海兵隊に対する日本人の認識が、この作品に描かれているようなモノ(海兵隊を無用とする考え方)だろうからこそ、今回の普天間問題迷走が生じたんだろうな、という点です。

その点で、この作品はもしかすると現在の政治情勢に悪い影響を与えた作品だったのかもしれません。

2010年6月15日 (火)

北澤防衛大臣留任

鳩山政権が倒れ、新たに菅内閣が発足しましたが、防衛大臣ポストは北澤防衛大臣が留任となりました。

鳩山内閣が倒れた直接の契機は普天間問題でした。そのため、担当大臣である防衛大臣は引責もあって再任されることはないだろうな、と思っていたのですが、些か意外な人事でした。

ただし、首相を始め官房長官や関係大臣が現実を見ない迂闊な発言を連発する中、北澤防衛大臣は慎重な言い回しで問題となるような発言はして来ませんでした。
北澤大臣自身がもともと見識を持っておられたのか、あるいは官僚を無視する内閣にあっても官僚の助言を聞く知恵を持っていたのか、この辺りはは正直分かりません。

6月2日の防衛大臣記者会見において、北澤防衛大臣は「総理になった段階で本来ならば中長期的な理想の約束と、それから現実的に普天間の危険性の除去という観点で処理しなければならん問題と、この二つを早く整理して国民に語りかけておくべきだったと思っています。」と言っていますが、本当にその二つを弁別して考えることが出来ていたなら、今回の騒動自体が発生してないでしょう。
この「中長期的な理想の追求「と「現実的な普天間の危険性除去」は、今後の普天間問題のキーワードとなって行くかもしれません。

また、6月4日の会見では「日米関係をしっかり再構築しなければいけない」と発言してますが、民主政権として自分のケツは自分で拭いてもらわなければならないでしょう。

なにせ、6月5日の会見では「日米の共同発表が次の内閣でも間違いなく、国と国との約束として、引き継いでいく」と仰っているように、普天間の移設は本来ひっくり返してはいけないモノだったのですから。

それにしても、北澤防衛大臣の留任はまだ良いとしても、普天間の嘉手納統合案とかを言い出して掻き回した犯人の一人、岡田外相が留任になったのは、なんとも頂けません……

2010年6月17日 (木)

総火演応募受付開始

今年の総合火力演習の観覧受付が始まっています。
富士総合火力演習・そうかえんの応募方法について

今年から(多分)29歳以下の観覧者がいる場合は、一般券とは別に青少年券という券が出来ています。
おそらく隊員の募集にも役立てようというつもりなのでしょう。

入手困難なチケットですが、子供を出しに使えば少しは入手確率が高くなるのかもしれません。(ただし、当日29歳以下の方が来場されない場合、券が無効となり、入場できないそうなので、ご注意下さい。)

去年は外れたので、今年は当たって欲しい……

2010年6月19日 (土)

状況おわり

創作作品を見ていて、どうにも気になる点があります。
それは、自衛隊が登場する創作作品(小説や映画など)で結構頻繁に「状況おわり(状況終わり、状況終り)」というセリフがあることです。

それらの作品中、このセリフは作戦の終了を命じる指揮官のセリフとして描かれているのですが、これはオカシイのです。
大抵の場合、それらは「作戦終了」と言い換えられるべきものです。
どういう訳か、自衛隊が協力した作品でさえこのセリフが入っていることがあります。
(確か「ガメラ」にもありました)

自衛隊用語として確かに「状況おわり」という用語はあります。
作戦が終了した時点で指揮官が言う言葉であることも確かです。

おそらく、自衛隊の訓練を見る機会のあった人が聞きつけて、何かで使い始めたことが広がってしまったのだと思いますが、創作作品でこれを見ると一気に興ざめしてしまうのです。

用語としての「状況おわり」は、演習用語、つまり訓練時のみに使用される用語であり、実戦で使われることのない言葉です。
演習用語としては警報を現す言葉などが有名(今更ではありますが、書くと支障があるので書きません)ですが、「状況おわり」は、そう言った、ある意味違和感のない演習用語ではないのです。
これが「作戦終了」を意味する演習用語ならまだ良いのですが、実際には全く違う意味の演習用語なのです。

訓練や演習は、ある意味ロールプレイングゲームのようなもので、想定された状況の中で、それぞれの役割を演じて訓練します。
訓練では、「状況下に入れ」とか「状況の人になれ」と言われるのですが、これは役者に対して、役に成りきれと言うのと同じことです。

「状況おわり」は、この想定した状況を終了する、つまり隊員に対して状況下に入ることを終了せよ、という意味なのです。

ちょっとややこしい話になるのですが、このセリフは、正確に言うと、冒頭で書いたように指揮官が口にする言葉ではありません。
訓練を実施する場合、訓練の状況に入らず、訓練をコントロールする立場になる人々が居ます。統裁部と言うのですが、その統裁部の長として、訓練を統制する者の代表者たる統裁官が発する言葉が、この「状況おわり」なのです。
訓練をコントロールする者として、想定した状況を終了し、役者であることを終わってよい、という言葉が「状況おわり」なのです。

ただし、多くの場合、統裁官は部隊の指揮官が兼ねてます。(兼ねない場合は、本来の指揮官が統裁官となり、副指揮官などが想定上の指揮官の役を演じるケースが多いです)
ですので、演習などを見た人が、統裁官として喋った「状況おわり」の言葉を、指揮官として喋った「作戦終了」の意味に捉えてしまったとしても、無理なからぬことでもあります。

ですが、激しく違和感を感じるので止めて欲しいです。
創作する立場の方は、素直に「作戦終了」と言わせて下さい。
お願いします。

2010年6月22日 (火)

長島防衛政務官がインド洋での給油活動再開に言及

長島防衛政務官がインド洋での給油活動再開に言及しました。
「長島防衛政務官、インド洋での給油再開に意欲」(読売新聞10年6月18日)

それも、ワシントンでの講演での中でです。
政府の防衛関係の役職を持つ人間が国外で発言したわけですから、これはそれなりに意味のある発言になってきます。
聞いた側としては、日本政府の動きに期待するでしょう。

ただし、長島政務官は民主党所属議員とは思えないほど保守的な立場を取っている方なので、実際には本人の持論を述べたに過ぎないかもしれません。

それでも、この発言を北澤防衛大臣や菅首相に咎められたという話しは聞きませんから、実際に政府内に何らかの動きがあるのかもしれません。
アフガンに人員を派遣するとなればリスキーな行動です。
給油活動というローリスクな活動の再開で、日米関係を修復できる可能性があるのですから、実際に是非再開して欲しいものです。

2010年6月24日 (木)

ホンネがポロリ

在沖米四軍調整官事務所長が普天間飛行場について「周辺には最初(住宅など)何もなかったが、みんなが住むようになった」と述べて批判を受けてます。
「周辺に何もなかった」 四軍調整官事務所長、普天間批判に反論」(琉球新報10年6月18日)

こういうことは、例え事実であっても口にしてはいけません。
空自の基地でも似たような状況の基地はいくつもありますが、基地対策担当者は言いたいところをグッと堪えてます。
心の声「お前らが(騒音を承知で)後から移り住んできたのに、ウルサイとか言うな」
実際の声「部隊としては、近隣住民の方にご迷惑にならないよう、最大限の配慮をはらっております。なにとぞご容赦下さい」

四軍調整官事務所長ともなれば、日本のメンタリティについても良く知っていなければなりませんが、今回発言したケビン・ビショップ大佐は、着任して日が浅かったりしたのでしょうか。
アメリカでは、こういった事実をハッキリ示して反論することが必要なんでしょうが、日本では余計な反感を買うだけです。

ホントはメディアがこう言った事実を代弁して欲しいところです。
まあ、在沖メディアには無理でしょうけど。

2010年6月27日 (日)

意味不明なADIZ拡大

先日「与那国島上空のADIZ再設定は大したニュースじゃない」として、記事を書いた与那国島上空のADIZ問題ですが、6月25日付で新たな訓令が施行されて処置が完了しました。
与那国防空圏見直し 防衛省がきょうから 台湾側洋上へ拡大」(沖縄タイムス10年6月25日)
防衛省、防空識別圏を拡大 与那国上空のみ西方26キロ」(琉球新報10年6月25日)

なお、先日の記事で与那国島の西側がADIZ外であることに関して、大した問題じゃないと書きましたが、琉球新報の記事中でも防衛省は「領空を守る観点から実運用上問題がなかった」とアナウンスしていることが報じられています。

現時点ではまだ改正された訓令は公開されていないようです。
防空識別圏における飛行要領に関する訓令
改正された訓令が公開されれば、上記はリンク切れになると思われます。その際はコチラで全機関から検索を選び、「防空識別」と言ったキーワードで検索すればすぐに見つかるでしょう。

そのため、以下では琉球新報の記事が正しいものとして書いてみます。

ADIZの拡大範囲は、領海の12マイルに加えて外側にもう2マイル拡大して設定するとのことです。
となると、台湾ADIZと被ってくることになります。
領海の12マイル分は、台湾側が未だにADIZに入れているものの、運用上は外されているとされる範囲です。ですが、その先2マイル分も拡大されるため、この部分は完全に被ります。

しかし、ADIZは各国が勝手に設定できるものなので、国際法上は問題ありません。
防衛省も「国内法で措置するもので、各国と協議して設置するものではない」とアナウンスしたようです。

実体上は、双方が強行に出れば緊張する可能性はありますが、空自も台湾の空軍もそこまでしないでしょう。

実際には大した問題の無かったこのニュースですが、こうして記事を書いている理由は、一つにはADIZが非常に誤解をされて認識されているからです。

ADIZ内にアンノウンと識別された飛行物体が侵入すると、(自動的に)スクランブルがかかるというような情報がそこかしこに見られますが、ADIZに入らなくてもスクランブルすることはありますし、逆にADIZに入っていてもスクランブルしないことだっていくらでもあります。
今回のADIZ拡大につながった与那国町長の不安も、そう言った認識がベースにあるのでしょう。

ADIZは、平たく言えば、防衛大臣が自衛隊に対して「この範囲に入った航空機はしっかりと識別しなさい」と示したものです。
まあ、逆に言えばこの外はしっかりやらなくても良いわけですから、その意味で言えば与那国町長の懸念もさもありなんでもあります。

さて、今回記事を書いているもう一つの理由は、琉球新報の記事が間違っていないとすれば、拡大されるADIZの範囲が意味不明だからです。

私は、前回の記事を書いた時に、てっきり拡大される範囲は、台湾側がADIZから外して運用している与那国周辺の領空に合わせるのだろうと思っていました。
それでも、その先2マイルを拡大したことは、領空に入る前に対処を始めるという観点からすれば、理解できるものです。

ですが、与那国島の真西側「だけ」拡大するというのは意味不明です。(琉球新報記事のリンクにある画像参照のこと)
未だに、与那国島に北西や南西側から接近する航空機は、ADIZに入っていないにも関わらず領空に入っている、という事態がありうるのです。

離着陸機を考慮し、与那国島の滑走路に合せたのかとも思いましたが、だとしてもADIZ内だけで離発着することは無理ですし、そもそも与那国空港のランウェイは08/26であって、正確に東西方向を向いている訳ではありません。(東西方向ならランウェイは09/27になる)

正直、防衛省がそこまで意味不明なことをするとは思えません。
多分、琉球新報の誤報だと思うのですが……

2010年6月30日 (水)

防衛省、天敵に逆らう

防衛省に限らず、各官庁にとって怖~い天敵がいます。
それは、予算の執行に無駄がないか監視する会計検査院です。

検査院との対決の場は、各基地数年おきに実施される会計検査です。
流石に偽の情報を与えることはしませんが、情報を小出しにしたり、時間稼ぎをしたりと、あらゆる方法を使って検査の乗り切りを図ります。

私はこれに関して苦い思い出が一つあります。
時間稼ぎのために、検査官のアテンドを任されたのですが、この際に検査官に余分な情報を与えたと言うことでしこたま怒られたことがあるのです。もちろん予算の執行に直接関わるような情報ではありません。
部隊の説明をしてやれということでアテンドを任された訳ですが、それで情報を与えるなと言われても無理があるぞ、基地外の史跡研修にでも連れて行け(実際そういうケースもある)とでも言うのか、と思ったのですが、検査対応部署としては無用な情報を与えやがって、ということだったようです。

と、長い前置きはこれくらいにして本題に入ります。
防衛省が、その天敵である会計検査院に逆らったようです。
防衛省、検査院の懲戒処分要求を拒否…移設調査費で」(読売新聞10年6月24日)

検査院が、普天間基地の移設関連で不適切な支出があったとして、担当者2名の懲戒処分を求めていたのですが、防衛省がそれを突っぱねたと言うのです。

米軍基地関連なので、昔で言えば防衛施設庁マターになります。そのため、純粋な防衛省とは少し違うかもしれません。

ともあれ、内情が分からないのでこれ以上のコメントはできませんが、結構驚きなニュースでした。

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