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2010年5月

2010年5月31日 (月)

与那国島上空のADIZ再設定は大したニュースじゃない

予てから一部では問題視されていた与那国島上空にADIZ(防空識別圏)が設定されていた件ですが、この度改善されました。
与那国島沖に拡大 防空識別圏、台湾に説明」(産経新聞10年5月26日)
防空識別圏:与那国の設定変更 台湾寄り洋上に…政府方針」(毎日新聞10年5月26日)

勿論、これは良いニュースです。
自国の領土上にADIZが設定されていると言うことは、一部領土はADIZ外ということですから、これが異状であることは間違いありません。それが改善されるのですから、当然良いニュースです。
ですが、大したニュースじゃありません。

詳しい解説は、私が書かなくともその道のプロ、元要撃管制官で参議院議員選挙出馬予定の宇都隆史氏がブログに書いているので、詳細は割愛しますが、ADIZに入ってなかったからと言って自衛隊が識別の動きを取ってない訳でも、対領侵措置のためにスクランブルしない訳でもありません。
防空識別圏って?【決戦まで、残り46日!】」(宇都隆史氏公式ブログ)
(ただし、宇都氏のブログにも一カ所だけ誤りがあります。知らないということではなく、実態で話されているのだろうと思いますが)

この件で今まで自衛隊が怠慢だったというような事を書いているブログなども見受けられますが、実体上大した問題があった訳ではないのです。

むしろ、ADIZよりもFIRが引っ込んでいる事の方が問題です。
もっとも、それでさえ通報が遅れることでスクランブルする必要のない民間機にまでスクランブルしてしまう可能性があるだけで、防衛上問題とするほどのことでもないと言えます。

それよりも更に問題なのは、与那国だけでなく、尖閣上空なども含めて「見えないし、間に合わない」と言う事です。
言うまでもなく、これは与那国に一番近いレーダーサイトが宮古島であり、スクランブル発進する飛行場が那覇だということです。
レーダーサイトが遠すぎるため、高高度でも近くに来てからでなければ見えないし、低高度であれば全く見えません。
レーダーサイトの情報を元にスクランブル発進させる基地は、宮古島よりも更に更に遠い那覇です。

対比の例としては北方領土を挙げる事ができます。
北方領土では、千歳は遠いものの、レーダーサイトは根室と網走にあり、上空は非常に良く見えてます。

ADIZ再設定よりもサイトの建設を考える方がより重要です。
もっとも、ADIZの再設定は1円もかけずにできるので、やらないに超したことはありません。
歴代自民党政権が放置してきた事項ですから、ちょっとは鳩山政権を評価しても良いでしょう。

また、この件に関して台湾が反発してます。
日本の防空識別圏「引き直し」に台湾が反発」(読売新聞10年5月29日)
台湾:日本による防空識別圏変更、外交部が受け入れ拒否」(毎日新聞10年5月29日)

ふざけんな!
って感じですね。
「ホントに沖縄から海兵隊を追い出すぞ!」ぐらい言ってやってもいいでしょう。

それにしても、冒頭にリンクを張った記事は、産経にしても毎日にしてもウソを書きすぎです。
産経の方は、宇都氏が指摘している通りですし、毎日に至っては「ADIZは防衛上の観点から領空の外側2~3カイリを囲む形で設定された空域」って、ちょっと調べればそんな範囲じゃないことは直ぐに分かるし、頭で考えただけでも、そんなんじゃ間に合う訳ないって分かりそうなものですが……

2010年5月29日 (土)

書評「レディイーグル」

「レディイーグル」は、コミックチャージ誌に2007年の第2号から2009年の3号まで掲載され、同誌廃刊のため書き下ろしを加えた全5巻が発売されている漫画です。


原作は、航空アクション物の著作がある鳴海章氏。作画は、ミリタリー物を書いた事もある千葉きよかず氏です。

内容としては、304飛行隊長になった女性イーグルドライバーを主軸に展開する航空アクション物です。

空幕広報室を始め、各地の自衛隊基地が協力しており、おそらく相当の写真提供を受けて作画されていると思われます。
そのため、基地内や官舎、隊内生活の描写は非常にリアルです。

フランカー的改造を施されたF-15改など秘密兵器も登場しますが、突拍子もないものは少なく、リアルなものを描こうという意志を感じます。

突っ込みどころは山ほどあるのですが、リアルに描こうという姿勢が見えるからこそ、気になってしまうのかもしれません。

空戦については、少しでも中距離戦を描こうとしている(逆に言えば格闘戦メインだということ)だけでも評価して良いように思います。
特に漫画では近距離戦になってしまうのは仕方ないでしょう。

と、ここまで褒めてきましたが、ストーリー全体として見るとあまり評価できません。
私自身人様の著作を評価できるような立場ではないのですが、そこを敢えて語らせてもらうと、いわゆる中だるみになっている作品で、序盤から中盤までがそれ以降の展開を期待させない作品と言えます。
ですので、面白いかと言われると……と言うところです。

しかし、後半については、兵器オタクを脱皮して防衛問題に興味を持っていると言える方には興味深い展開になっています。
昨今の中国軍の活動と領土的野心について、漫画という人の目に触れやすいメディアで描いている事は評価できます。

ネットで評価を探しても見つからないくらいですので、おそらく中古を探すことは困難だと思います。新刊でも軍事関係の書籍を積極的に置いている店でないと見つからないでしょう。(私も書泉で買いました)

以下、詳細を書きますのでネタバレあり、注意です。









クライマックスになっている尖閣を巡る軍事的衝突では空海戦力、特に時間的占有効果の得られる海の重要性が高いと思われますが、この作品でも同様に描かれてます。
主人公は制空戦闘機であるF-15のパイロットという設定ですが、クライマックスの作戦目的は日中双方とも対艦攻撃であり、主人公はそのミニストライクパッケージのエスコートファイターという脇役的役回りに徹している点は好感が持てます。
どうせ空対空しか描かないんだろうな、と思っていたのですが、良い意味で裏切られました。
(しかし、こう言う描き方をするならば、主役は艦艇乗りの方が良かったような気もします)

空幕の協力を得たことが弊害になったと思われる部分もありました。
作品中、どこに航空基地を置くかということが重要だということが描かれているのですが、下地という単語は一語も出てきません。
その代わり、宮古島と多良間島の間に、架空の島が存在し、そこに飛行場もあるという設定になっています。
この飛行場は民間航空の訓練飛行場として使われており、モデルはどう見ても下地島です。
下地島空港の軍事利用などについて発言した那覇基地司令を口頭とは言え空幕長が注意までした空自としては、協力している作品が下地島の軍事的利用を描くのはマズイと言うことで口を出したに違いありません。
参考:「航空幕僚長、司令呼び厳重注意 下地島空港発言

掲載誌が廃刊となり、事実上の途中打ち切りとなったため、最後が非常に慌ただしくなったのは残念でした。
中盤で描かれた訓練での米空母攻撃なんかは、本来のクライマックスが中国の空母攻撃だったと思わせられる布石の打ち方でしたが、話がそこまで行かず、クライマックスでの標的が駆逐艦になってました。

こう言う作品がもっと増えて欲しいと思うのですが、商業的に成功するためにはリアルさを犠牲にして、もっと突飛なものを描かないと難しいんでしょうね。
沈黙の艦隊とか

2010年5月25日 (火)

21年度災害派遣等実績

防衛省が21年度の災害派遣等の実績を公開しています。
http://www.mod.go.jp/jso/press2010/press_pdf/p20100520_2.pdf

この中に、ここ5年間の災害派遣推移が載っていました。
Ws000012
防衛省資料より

ここ5年間、災害派遣件数はコンスタントに減少し続けています。
21年度は17年度比マイナス37%にもなっています。

内訳を見ると、減少は急患輸送の件数減少によるものだと分かります。21年度は17年度の約半数の実施実績です。

防衛省の資料は原因に言及していません。
推測してみるに、ドクターヘリの整備などもあるでしょうが、離島など急患輸送を必要とする地域の過疎化進行がえいきょうしているんじゃないかなと思います。
そう考えると、グッドニュースとは言いかねますね。

のべ派遣人数は、新潟県中越沖地震があった19年に跳ね上がっています。
やはり、大災害には人手が重要だってことでしょうね。
当然と言えば当然ですが、災害派遣の主力は陸自だってことでしょう。

2010年5月22日 (土)

新宿御苑へPAC-3が機動展開訓練

去る4月25日から26日にかけて、PAC-3部隊である第1高射群が新宿御苑で機動展開訓練を実施しました。
PAC3:自衛隊施設外で初の訓練 東京・新宿御苑で空自」(毎日新聞10年4月26日)
疑似ミサイルなど初展開 夜の新宿御苑 PAC3訓練」(東京新聞10年4月26日)
(読売も記事を書いたようですが、既にリンク切れ)

防衛省発表による訓練概要は次の通りです。
1 目的
 機動展開候補地においてペトリオットPAC-3の機動展開訓練を実施し、BMD任務遂行能力の向上を図る。
2 期間
 22.4.25(日)~4.26(月)
3 場所
 新宿御苑
4 訓練部隊等
(1)訓練部隊:第1高射群
(2)訓練規模:ア 人員 約55名
         イ 車両 約15両
5 訓練概要
 ペトリオットPAC-3の布置・撤去及び通信訓練

昨年4月の弾道ミサイル騒ぎの時は防衛省本省のある市ヶ谷や駐屯地等にしか展開しなかったので、今回が自衛隊施設外への機動展開としては初となります。(新宿御苑では、2008年にも通信状況などの調査は実施済)

部隊は防衛省発表では第1高射群というだけでしたが、東京新聞の記事によると入間の第4高射隊だったようです。

PAC-3の展開となると、場所が重要ですが、新宿御苑と言うだけで詳細は公表されていません。
しかし、新聞記事の写真では舗装されている場所ですし、航空総隊HPに載っている総隊司令官視察時の写真に写っている指揮車内の配置図を見ると、展開場所は新宿御苑南東端のイギリス風景式庭園手前の広場だったことが分かります。
展開場所
Ws000008
航空写真
Ws000009

ここなら、北朝鮮からの弾道ミサイル飛来方位である北西方向に芝生が広がっており、レーダーの遮蔽物が少ないため展開地として適当だと判断したのでしょう。
毎日新聞の写真を見ると、樹木は新宿の高層ビル群と同程度の障害にしかなっていません。それにイザ有事となれば、邪魔な樹木の数は少ないですから切り倒すつもりかと思われます。
(発射時にブラストを発生させるランチャーが近すぎる気がしますが、多分訓練だからでしょう。)

さて、問題はこの位置に展開した場合の防護範囲ですが、弾道ミサイル騒ぎの時に載せた図と同様に、フットプリント(防護される範囲)を描いてみました。(毎度汚い図で申し訳ありません)
Ws000010

市ヶ谷にリモートランチでランチャーファームを形成した場合のフットプリントを重ね合わせると、ほとんど同じと言えます。
Ws000011

と言うことで、新宿御苑に高射隊を展開させる理由は、市ヶ谷のランチャーファームだけでは不安で、都心の防護を2重にしたい、あるいはランチャーファームのフットプリントが図示したものよりも小さく、市ヶ谷だけでは不十分なのかもしれません。

しかし、今回の訓練はそう言った軍事的な観点よりも、イザとなったら防衛省の管理地以外にも展開しますよ、という政治的なアピール配慮が大きいような気がしますね。

各紙の扱いもそれほどヒステリックなモノではありませんでしたので、国民の軍事アレルギーも直ってきたのかもしれません。

それでも、毎日新聞の「迎撃態勢を取ったが、発射はしなかった。」なんて言う、ほとんど笑えるコメントもありました。

2010年5月20日 (木)

法制化しなさいよ

首相官邸の周辺に建設される高層ビルが官邸の安全確保上問題であるとして、官邸側が建築主に「お願い」をしていることが記事になっています。
官邸丸見え? 周囲に建設のビルに「窓の向き配慮を」」(朝日新聞10年5月14日)

官邸に限らず、重要施設には周辺の建築制限をかける等の配慮が必要です。
「普通」の国はやってます。
現時点で「お願い」せざるを得ないことは仕方ありませんが、ちゃんと法制化の動きをとらないといけません。

防衛省が六本木から市ヶ谷に移った時、「折角新設するのに、こんな脆弱そうな施設で良いんですか?」、と言う趣旨の発言をして白い目で見られた記憶があります。

当時からコストの問題だけでなく、法整備がないことも問題でしたが、官邸が問題になるくらいなのですから、やはり法制化の動きをとるべきです。

それとも、国会議事堂や議員会館が問題にならないとだめですか?

2010年5月18日 (火)

頭腐ってんじゃないのか?

米実弾訓練を沖縄県外移転…政府が負担軽減策」(読売新聞10年5月15日)

米軍普天間飛行場移設問題に関連して、政府が沖縄の負担軽減策として、沖縄で行われている実弾射撃訓練などの県外移転を検討しているとのことです。

記事を読み出してみて、「どこまで受け入れられるかは分からないけど、話してみるのはいいんじゃないかな」と思ったのですが、後半まで読み進んで絶句しました。

以下、問題部分をそのまま抜き出します。
**************
政府内で浮上している案は、沖縄に駐留する海兵隊陸上部隊が、複数の陸自演習場をローテーションで回り、数週間単位で訓練を行うという内容だ。
**************

複数の部隊がそれぞれ違う演習場に訓練に行くという話だとしたら、現状と大差ありません。
とすると、数週間日出生台で訓練したら別の演習場に移動して訓練、そしてまた移動して訓練……ということでしょうか?
移動すること自体を状況下で訓練できるとしたら良いかもしれませんが、そういう話ではないでしょう。

誰が言い出したんだろう?
訓練効率とか考えてるんだろうか?

頭腐ってんじゃないのか?

2010年5月15日 (土)

GUN派が息を吹き返すか?

ちょっと日が経ってしまいましたが、週間オブイェクト様が将来装輪戦闘車(対空型)について記事を書いてます。
将来装輪戦闘車(対空型)はきっと格好良くリファインされて出て来る筈だと思います

やっと待ち望んでいたモノの形が見えてきたので、今回はこの将来装輪戦闘車(対空型)を空自が配備する可能性について書いてみます。

「空自にそんな可能性あるのか?」と思う向きもあるかと思いますが、ゼロではありません。

現在の空自の基地防空火器は、短SAM、携SAM、VADSの3本立てです。
SAMとGUNを組み合わせ、双方の長所を生かし短所を補うガン・サム・コンプレックスと呼ばれる防空火網の構成を続けてきました。

しかし携SAMについてはSAM-2に置き換わりつつあるので問題ないのですが、短SAMとVADSは現在の脅威について行けているかとなるとどうしても疑問が出てきます。
短SAMについては、空自がSAM-1Cを採用しなかったため未だにSAM-1Aです。
VADSについては、M163を含め米陸軍では完全に退役してしまっています。
(ちなみにwikipediaの81式短距離地対空誘導弾のページに「航空自衛隊は短SAM改(SAM-1C)が対巡航ミサイル能力に劣っているとして導入していない。」と載っておりSAM-1Cを買わなかった理由を対巡航ミサイル対処能力だと書いています(出もとは恐らくkeenedge氏のMissle&Arms)が、あれは間違いです。ホントの所は×××(自主規制))

短SAM改Ⅱが出来上がると、改Ⅱで1Aを更新する可能性が高いですが、VADS後継の話は聞こえてきません。

しかし、VADS後継用として、メーカーによるセールスはありました。
具体的にはエリコンのAHEAD弾を使用するスカイシールドとボフォースの3P弾を使用する40mmガンシステムです。
共に調停時限信管を利用したシステムです。

Skyshield 35 Ahead Anti Aircraft Artillery System

Bofors 40mm 3P - All Target Round


砲システムのFCSも高度なものが採用されており、巡航ミサイルをはじめとした対地ミサイルの迎撃が可能です。

結局空自はこれらの調達には動いていない訳ですが、関心を持つ人(GUN派)も少なからずいました。(私もその一人でした)

短SAMが改ⅡになりECCMやIRCM能力が高くなったとしても、ミサイルシステムはチャフやフレアなどで無力化されてしまう可能性がどうしてもありますし、ミサイルでの低高度目標の迎撃にはどうしても運用上の制限も多く発生します。
メーカーや技本は低高度目標対処能力も高いと言いますし、事実その通りなのでしょうが、現場ではカタログデータ通りの性能は出ないことは嫌というほど思い知らされてますし、打ちっ放し性の高いミサイルほど、オンボードの貧弱な誘導装置で誘導されるため、現場での運用は制限を見越した注意をする必要があります。

一方、ガンの怖さを理解している人も多く、FS乗りには結構好評?でした。

そして、短SAM改Ⅱの開発やGUNのセールスがされる中、基地防空火器の更新が検討されれば、当然ながらその中で開発中の将来装輪戦闘車(対空型)の話も出てくる訳です。
なにせ、現在公開されている将来装輪戦闘車(対空型)はスカイシールドのコピーじゃないのか?と思うようなスタイルです。
実際には、砲自体がCTAとして開発中なのでコピーではないのですが、コンセプトが意識されていることは明白です。

空自が将来装輪戦闘車(対空型)を配備することはオーバースペックだという意見はあるでしょう。
装輪とは言え、装甲車両が必要なのかという疑念はもっともだと思います。
ですが、私は必要な装備だと思っています。

自走能力のある対空GUNシステムとして、急遽FPS-5の防護が必要になった、なんて時にも迅速に機動できるなどのメリットもありますが、必要な理由は、必ずしも対空用にと言うわけではありません。大きな理由としては基地警備にも共用できるからです。
貼り付けた動画を見て頂けると分かりやすいですが、スカイシールドの方は対地用には向かないものの、ボフォースの3P弾の方は遮蔽された窪地に潜む敵兵やビルの室内にいる敵兵など、地上目標にも効果的です。
CTAの方はまだ開発中なので、同様の機能を具備するかどうかは不透明ですが、技術的には十分可能なはずです。

基地警備に対する認識を改めた空自は軽装甲機動車を調達中ですが、基地に対するスタンドオフを含めた攻撃に対処するには十分とは思えません。
公開している小説中でも描きましたが、受動的にならざるを得ない基地警備では軽装甲機動車だけでは防御力も攻撃力も不足ですし、VADSはコラテラルダメージなどを考慮すると使い難すぎます。(湾岸戦争でも対歩兵用としてM163が活躍したので、火力的に不足する訳ではありません)
もちろん、要事には陸自が展開すれば良いという考え方はできますが、基地の直ぐ横まで市街地が広がっているような基地が多いなかでは周辺環境を熟知していないと、コラテラルダメージばかりが増えます。それに陸自もそんなに暇じゃありません。空自基地の警備が必要な事態には原発等の警備もしなければならないでしょう。
空自基地攻撃を意図するゲリコマでも、対空型とは言え装輪戦闘車が1両でも居れば、攻撃を躊躇する可能性は相当高くなるでしょう。

予算的には苦しいので、もし将来装輪戦闘車(対空型)を導入するとすれば短SAM改Ⅱの調達は苦しくなるでしょう。
ですが、予算が削られ中途半端になってしまったこと(新短SAMではなく改になってしまたこと)も含めて考えると、短SAMの更新は諦めて、空自の基地防空火器をSAM-2と将来装輪戦闘車(対空型)の2本立てとすることを考えても良いと思っています。

少なくとも、戦闘機の3機種態勢や戦車の更新以上に、基地防空火器の3火器態勢は先に諦めざるを得ない部分だと思います。

将来装輪戦闘車(対空型)がもっと具体化すれば、空自内のGUN派が息を吹き返すかもしれません。
というかして欲しい。

2010年5月12日 (水)

ピースボートがまたしても良い教育

前回は海自による護衛を受け、参加者に世界の現実と防衛力の必要性を知らしめたピースボートですが、今回も現実の恐怖と共にしっかりと教育をしてくれたようです。
ピースボートを海賊が追尾 アデン湾」(産経新聞10年5月7日)

ギリシャ海軍艦艇が対処してくれた事で事なきを得たそうですが、海自のようにベッタリと張り付いて護衛してくれたわけではなく、ギリシャ海軍艦艇の到着まで、ピースボートは速度を上げてジグザグ走行で乗り移られないようにしたそうです。
参加者は肝を冷やしたことでしょう。

今頃、設立者である社民党の辻元清美衆院議員は、その政治的意図と逆の教育効果を上げていることに歯噛みしているかもしれません。

なお、前回の海自護衛時の記事はコチラ
笑えるニュース
ツーショット写真

2010年5月10日 (月)

南西諸島への自衛隊配備に前進の兆し

23年度の予算に南西諸島への自衛隊配備に向けた調査費を計上すると北沢防衛相が発言しています。
与那国などへの自衛隊配備、来年度に本格検討」(読売新聞10年5月1日)

先日の中国艦隊の通過に対して、結構騒ぎ立ててるな、と思っていましたが、こう言う伏線があっての発表だったんですね。

今年度末に防衛計画の大綱の修正が予定され、調査がその翌年に実施されるという流れですから、検討結果が実際に反映されるのはその次の大綱が修正された後になりそうな気がします。
となると、早くとも26年くらいからでしょうか。

なんとも腰が重いと思えますが、防衛省も役所なので仕方ないとも言えるでしょう。

検討される内容としては、以前から噂が出ている与那国島への監視部隊や宮古島への普通科部隊配備の他に、どんなものが検討されるのかが注目です。

実現するかはともかくとして、下地島空港の活用が俎上に載ることは間違いないでしょう。
そして、もし下地島が活用されるとなれば、付随的にSAMやSSMの配備も検討されるかもしれません。

調査費の予算計上自体がこれからなので鬼が大笑いしそうですが、注目して行きたいと思います。

2010年5月 8日 (土)

10周年記念市ヶ谷台ツアー土曜に開催

平日しか行われていなかった市ヶ谷台ツアーが10周年を記念して6月5日の土曜日に開催されるそうです。
防衛省「市ケ谷台ツアー」が10周年-自衛隊ミニコンサートや体験試乗も」(市ヶ谷経済新聞10年5月6日)

結構人気のこのツアーですが、平日しか行われていませんでした。
今回初めて休日開催となるそうです。特別開催のため、装備品搭乗や音楽隊のミニコンサートもあります。
行ってみたいけど、平日は休みが取れないという方、チャンスです。

定員100人の先着順だそうです。
要項はコチラ
「市ヶ谷台ツアー10周年記念」休日特別開催のご案内

2010年5月 6日 (木)

事実上空自基地化

空自小牧基地と滑走路を共用する名古屋飛行場に乗り入れる定期便が消滅します。そのため名古屋飛行場は事実上空自基地化します。
日本航空:中部2空港、15路線撤退へ 県営名古屋、定期便ゼロに」(毎日新聞10年4月23日)

日本航空が転けた影響です。
喜んで良いニュースとは言えません。

地元の事を考えてということではなく、空自機しかいないとなると騒音問題などから飛行場の存在自体に反対が強くなる事態も想像できてしまうからです。

小牧基地は航空機を運用する部隊として輸送航空隊と救難教育隊しか配置されていないため、スクランブルなど緊急性の高い離発着は多くありません。

そのため、軍民共用でもそれほど支障はなく、周辺理解の得やすい共用飛行場の方が都合が良いとも言えたのです。

小牧飛行場は南からアプローチする場合、思いっきり市街地の上を飛行します。
T-4など視界の良い航空機で飛ぶと、眼下にビッシリと市街地が広がっており、これは基地対策が大変だろうなと思った事を覚えています。

空中給油機も配備され、アイラン機も利用する重要度は高い基地です。周辺感情が悪化しないか心配です。

2010年5月 4日 (火)

コピーは中国だけにあらず!

面白いモノを見つけました。
兵器のコピーでは中国が有名ですが、イランもこういうことするんですね。

写真を見てビックリしました。
Imgnews20100416_185646
どう見てもホークだろ!
(写真の出もとはMardomsalari紙)

イランってもっと矜恃のある国だと思ってたんですが、パーレビ時代に供与されたホークをリバースエンジニアリングして、それをどうどうと設計したと称する厚顔無恥ぶりは中国そっくりです。

ちなみにこのコピーホークはメルサードという名前だそうです。
ソース記事はこちら
最新鋭対空防衛ミサイル・システム「メルサード」の運用が開始:国防相が発表

2010年5月 1日 (土)

ロシアの原潜が事故?

防衛省がロシア原潜の動向について公表しています。
ロシア海軍艦艇の動向について

防衛省の資料では言及されておらず、全くの推測なのですが、これは原潜の事故の可能性があるのではないでしょうか。
資料では浮上航行していたとは書かれていませんが、公開されている写真はこの時のものでしょうし、潜行中のものを音紋で判別しただけでしたらこちらの解析能力を公開したことになるためアクラ級だと明示はしないでしょう。

原潜が浮上航行していること自体が異例で、事故の可能性を示唆しています。
おまけにこの時随伴したグリシャⅤ級小型フリゲートは、前日に宗谷岬を東航したもので、状況を見る限り慌てて合流したように見えます。
ロシア海軍艦艇の動向について

何か情報がないかと思いググってみたり、ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課様なんかも見てみましたが、この件への言及は見当たりませんでした。

ロシアの原潜は2008年にも日本海で火災事故を起こしています。この時は乗員に死者も出たためかなり騒がれてます。

自力航行していますし、今回は軽微な事故なのかもしれませんが、仮にも原潜なのですから、もし事故があったのだとしたらロシアには公表してもらいたいものですし、防衛省もその可能性についてはアナウンスして欲しいものです。

防衛省がT-4で集塵飛行を行ったのかも気になります。やってしかるべきだと思いますが、この点も情報はありません。

何か続報があれば、UPします。

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