祝!改編
沖縄所在の第1混成団が15旅団に格上げ改編されました。
「沖縄の陸自、第15旅団に昇格 北方から南西重視で部隊改編」(琉球新報10年3月26日)
平屋だった1混団本部がこんな立派な司令部庁舎になり、ちょっと感慨深いものがあります。
15旅団HPより
関連リンク 15旅団HP
しかし部隊規模は1800人から2100人に増強されただけで、戦力が飛躍的に向上したわけではありません。
西部方面普通科連隊が直ぐ後に控えているとは言え、南西方面の陸自戦力はまだまだ足りていないように思えます。
特に、今回の改編でも戦車やIFVは配備されておらず、島嶼防衛における装甲戦力の位置づけを陸自がどのように考えているのか疑問も沸きます。
15旅団の状況を見ると、軽装甲機動車を別とすれば、装甲を有している車両は、偵察隊の87式偵察警戒車と化学防護隊の化学防護車という、なんだか?な状況になってます。
ただし、陸自の現行装備を考えた場合、96式装輪装甲車を持ってくるくらいなら小回りのきく軽装甲機動車で良いというのは納得できるものでもあります。
しかし、それでもやはり最低でも89式装甲戦闘車やそれこそ新戦車を持ってきても良いんじゃないかと思いますが、陸の考えは違うみたいですね。
訓練用地の問題もあるでしょうが、有事に持ってくるつもりであっても訓練していないといきなり協同できるモノではありません。
慣れておくためにも少数で良いから配備すべきだと思うのですが……
私はどちらかというと戦車には拘泥しない立場ですが、それでも島嶼防衛における装甲戦力の活用をもう少し考えた方が良いのでは?なんて思えてしまいます。
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外国に近い離島に基地が無いのは、なぜなのでしょうか?
警察だけでは、島民の方々も心もとないと思うのですが。。。
投稿: やん | 2010年4月 4日 (日) 21時51分
戦車やIFVがあっても沖縄本島の防衛にしか使えないからではないですか?
離島防衛を考えた場合、それこそ機動戦闘車が待ち遠しいと言う状況ではないでしょうか。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年4月 7日 (水) 18時17分
やん 様
北沢防衛大臣も最近になって与那国に行ったりしてますから、また動き出すかもしれません。
どうせ腰は重いのでしょうが、そういう世論を盛り上げてゆくしかないんでしょうね。現地の方は要望している状態なんですから、あとは政治家のけつを叩くだけです。
藤宮 直樹 様
宮古・下地や石垣では十分使えますよ。
必要なときまでに持ってゆければの話ですが……
それに、そういう認識なら新戦車の調達を決めたこと自体が疑問です。今の情勢で島嶼防衛に使えないモノに予算を投下するなんて馬鹿げてますから、使うつもりはあるのでしょう。
しかし、そうすると15旅団の編成はちぐはぐにみえるんです。
投稿: 数多久遠 | 2010年4月 7日 (水) 21時57分
数多様
現状陸海空自衛隊の配備状況では戦車やIFVを「沖縄本島から、迅速に」持って行くことができないように思えます。
輸送艦等が沖縄県外からやってくるのであれば、積まれる装甲車両も同様でも良いのではないでしょうか?
逆に離島防衛を重視し、装甲戦力を沖縄本島から離島に展開させることを考えるのであれば空海も含めた大きな配置転換が必要で陸自独力では不可能かと。
特に戦車は空輸できませんから、おおすみ型を沖縄に持ってくる等とセットでなければ意味がないように思います。
そう考えると今の編成が割と精一杯な気がします。
有事の時には戦車はやはり第8師団辺りから引っ張ってくるしかないんでしょうね。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年4月 8日 (木) 11時28分
藤宮 直樹 様
離島に「持ってゆく」ために必要だと言っているわけではありません。
本土から持ってこられた時に「協同して動けるように」今のうちに配備して訓練しておく必要があるのではないか、という考えからです。
もちろん15旅団が本土に移動しての訓練は行うのでしょうが、やはり普段から慣れていることは重要だと思います。
後、これは「知っている」わけでは無いから言えるのですが、XC-2に新戦車は積めると思います。(知ってたら守秘義務で書けません)
過重を分散させる工夫は必要かもしれませんが、総重量にしても容積にしてもキャパ内でしょう。
もちろん搭載する燃料を減らさないといけないので航続距離は減りますが、那覇で給油するとかすれば先島への空輸は可能ではないでしょうか。(計算までしてませんが)
もっとも、それが妥当かはまた別の問題ですけど。
以前の記事に書きましたが、那覇への機動訓練は今年行うことになっているはずです。(ホントに必要なのはその先なんですが)
迅速に、と言うことだと同じ西方内の4師団か8師団からとなるのでしょうね。
戦車を、と言うことであれば第4戦車大隊か第8戦車大隊ですが、共に玖珠駐屯地なので南ではなく北担当の第4の方が濃厚な気もします。
ただ、西方ってIFVは(APCもですが)無いんですよね。着上陸されない限りは戦車よりIFVの方が良いですが、北方から空輸か……
やっぱり機動戦闘車待ちか
投稿: 数多久遠 | 2010年4月10日 (土) 20時45分
なるほど、そうでしたか。
(どちらかと言えば)普通科に対して歩戦共同の訓練を行うために、15旅団でも戦車が必要ではないか、と言う理解で良いのでしょうか?
そう言えば陸自の師団・旅団で戦車を持ってないのは空中機動の12旅団とここだけですものね。
XC-2で新戦車が運べる、と言う話は聞いたことはありませんが(むしろ運べない、と言う話が多い)、様々な情報を積み上げると確かに積めそうですね。
最大積載量40tのトレーラーで運べるんですから、XC-2の最大積載量なら運べそうですよね。
1機で1両、運んだところでどうにかなるかはともかくとして(笑)
機動訓練に関する記事は先ほど読んできました。リンク先の平成22年度概算要求資料はリンク切れになっていたので読めませんでしたが。
確かに沖縄本島までやってきておしまいなのは変ですね。
IFVは…西方に回す余裕はないんでしょうね。
ロシアがミストラル級を極東に配備しないでくれたら、もう少し北方の戦力減らしたりできるのでしょうか。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年4月12日 (月) 20時06分
藤宮 直樹 様
そのとおりです。
1両でもあれば、相当違うはずだと思います。百聞は一見にしかずですから。
>そう言えば陸自の師団・旅団で戦車を持ってないのは空中機動の12旅団とここだけですものね。
これを見ると陸自は離島侵攻対処には装甲戦力は不要と考えているのかな?、なんて思えてしまうわけです。
確かに敵が空挺だけであれば、同じ輸送力で持ってこれる戦力として普通科の数が欲しいというのも理解できるんですが、「だったら新戦車買わなくてもいいじゃん」とも思えるわけで……
>1機で1両、運んだところでどうにかなるかはともかくとして(笑)
エイブラムズでも側面はRPGに抜かれる程度だって話ですから、ある程度数をそろえないと虎の子をやられるって事になりかねませんよね。
あ、リンク切れてましたか。
概算要求やり直したせいかな。
IFVは、西方に回して欲しいですね。
ロシアは能力はあっても、当面の間侵略をする意志はないと思われますから、意志があって能力を急拡大している中国対処用に思い切って転換して欲しいと思います。
ミストラル級は……
フランスに抗議したいところですが、日本も22DDHに予算付けたので、文句言えないですね。
投稿: 数多久遠 | 2010年4月13日 (火) 23時31分
離島侵攻対処と言うより、離島急襲対処のような気はしますよね。
それにしても空挺戦闘車とか持ち出されるとかなり厳しいと思いますが。
戦車やIFVが無理ならせめて対舟艇対戦車隊くらい置けないものかと思ってしまいます。
色々調べていくと、特に陸自の西方シフトはまだまだな感じを受けますよね。
ロシアは北海道に攻めてくることはないと思いますが、ミストラル級を真っ先に極東に持ってくると言うことは侵攻の意志ありとも受け取れますから、そう思い切って北方縮小・西方シフトが出来なくなるように思います。ロシアのミストラル級導入は、自前で揚陸艦建造が出来ないことでもありますから、歓迎すべき点でもあるのですが、最初の配備が極東と言うのが問題だと思います。ですのでフランスに抗議は筋違いかと。
ロシア側から見ると、陸自が離島防衛や逆上陸の能力を向上させると、北方領土の武力奪還を警戒せざるを得ず、それは極東の戦力増強に繋がりますから、そうすると北方の戦力を思うように削減できず西方シフトが進まない…と言う悪い循環に入らないか、少々心配しています。
普通の国ならどうみても防衛費増額になる局面なのですが、政治的にそれができないのが日本という国なのですよねぇ。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年4月15日 (木) 12時20分
海はいくらでも動けるので構いませんが、西方シフトは空も不十分ですね。
那覇の配備機が15になりましたが、その程度です。
やはり恒常配備はしなくとも、下地島をいつでも使える態勢にして欲しいモノです。
ちょうどオブイェクトさんが記事を書いてますが、ロシアとすれば日本がミストラル級を懸念する以上におおすみや22DDHを警戒しているようにも思えます。
当然防衛に理解があるつもりですが、防衛費の増額はなかなか難しいでしょうね。
国自体がもはや借金まみれですから……
投稿: 数多久遠 | 2010年4月17日 (土) 21時42分
下地島基地が出てくるアニメがありましたね。
実際問題来て欲しい人も結構いるでしょう。あそこの訓練設備は段々使用率が下がってると聞きますし。
屋良覚書等があるので、せめて地元が諸手を挙げて来てくださいと言わないと無理でしょうね。
オブイェクトの記事は見ました。それで気づいたのですが、当然日本が先に北方領土に手を出せばロシアが北海道に攻めてくる可能性はあるんですよね。
それがないと思ってるのは今の日本人だけだと思います。
にしても大陸側の国家の視点で見ると、日本列島てホント邪魔ですよね。
それだけ目を付けられやすい、と言うことをもう少し国民全部が理解すると良いのですが。
防衛費の増額がままならないのは財政難より、国民の無理解の方が大きいと思います。
いつまでも防衛費増=悪、と言う認識ではいずれ国防が破綻して戦争になる気がしてなりません。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年4月20日 (火) 18時21分
下地島が出てくるアニメなんてあるんですか。
まあ、アニオタとミリオタは被っている比率も高いでしょうから、スタッフもそうなのかもしれませんね。
今はシミュレータで相当のことが訓練できてしまいますからね。
大枚叩いて実機で訓練したい航空会社が少なくなることは仕方のないところでしょう。
地元も中途半端なんですよね。
以前も書きましたが「訓練」誘致なんかしても自衛隊も乗ってこないのに。
宮古島に陸自誘致という噂もありましたが、産業振興という点では空自の方が地元メリット多いはずなんですよ。下地での離発着なんて宮古島からは聞こえもしないんですから、もっと誘致に動いてくれればいいんですが……
日本人にホントに考えて欲しい点は、北方領土は実力で奪還できる可能性があるっていう所です。
ホントにやることがベターだと思っているわけではないですが、ブラフぐらいはかけてもいいと思います。
日本はホントに絶妙な位置にあります。
沖縄なんて尚更です。
それが不幸も元とも言えるかもしれませんが……
投稿: 数多久遠 | 2010年4月22日 (木) 22時25分
下地島基地が出てくるのは「ストラトスフォー」と言うアニメです。
TSR.2で彗星の破片を迎撃する、と言う話で主な舞台となるのが下地島基地です。現地に何度もロケハンに行ったらしく、かなり正確に描かれてました。
岡部いさく氏も出てますよ。本人役で(笑)
アニメーターもメカ分野の人は大抵兵器に詳しいですから、結構そう言う作品は出てきます。
さすがに自衛隊を舞台として描いているのは「よみがえる空」と「青空少女隊」のくらいしかなかったと思いますが。
こういった作品が増えることも軍事に関して考えるとっかかりとしては良いと思います。
今のシミュレータは本当に良くできていますよね。
F-22やF-35で複座型が作られなかったのも、最初は驚きましたけど。
実機を下地島で訓練するとなると、人員も機材も現地に持って行かなくてはなりませんから、それも考えるとそこそこの土地があれば設置できてしまうシミュレータの方がずっと安上がりですよね。
地元もさすがに今後「訓練誘致」はないのではないでしょうか。
それで自衛隊が乗ってこないことはもうわかっているのですし。
与那国と違って宮古市辺りは危機感少ないのでしょうか?
今回の中国艦隊騒ぎで少しは目が覚めると良いのですけど。
北方領土は奪還可能ですよね。自国領土なのですから、そうしても9条には違反しませんし。
その辺もう少し広く国民に知らせる必要があるように思います。
世論の後押しがないと政治家も強気な発言はしにくいでしょうし。
沖縄は歴史的にもずっと大陸の脅威に晒されてきた土地ですもんね。
いくら基地負担が重いと言っても、そうそう動かすわけにもいかないですし。
住民から見れば侵略者たる米軍がいつまでも居座っているのは快く思えないでしょうが、下手をすれば琉球時代のように中国の勢力圏下ですから。
沖縄の在日米軍は最小限にして、その分自衛隊の戦力を増強した方が良いのかな、と思うときはあります。
その為には予算増、その為には国民の理解、その為には教育現場で外交と軍事の必要性を教える…と考えていくと果てしない道のりですが、
今からでもそういうことはやったほうが良いと考えています。
投稿: 藤宮 直樹 | 2010年4月23日 (金) 13時23分
藤宮 直樹 様
ご紹介頂いた作品はレンタル店にでもあれば見てみます。
自分でも小説など書いているので、そう言った作品は増えて欲しいと思いますね。
地元は結構危機感あるみたいですね。
2chの先島諸島防衛スレにも地元の方が結構書いてたりします。
原潜が石垣を領海侵犯した時も結構話題になってましたし。
wikiにも次のような記述が残ってます。
「稲嶺惠一沖縄県知事を始め、沖縄県内の首長による中国政府への抗議声明は特になく、下地島空港の地元である旧伊良部町(現宮古島市)の一部住民を憤慨させた。」
沖縄の在日米軍は、必ずしも日本防衛用ではないので、自衛隊で代替は難しいでしょうね。
アメリカも懐が苦しいので削減される可能性はあるでしょうが、そのためにも日本政府がしっかりしない。
しかし現実は……
投稿: 数多久遠 | 2010年4月24日 (土) 22時13分