ライダーは対ステルスセンサーになる?
宇宙航空研究開発機構が、晴天乱流を検知するシステムの開発を、米ボーイング社と共同で行うことが発表されました。
「晴天時の乱気流検知、米と共同開発へ」(読売新聞10年2月3日)
どうやってやるつもりなんだ?
と思ったのですが、電波の代わりにレーザーを使用するレーザーレーダー、「ライダー(LIDAR)」を利用するシステムだということです。
このシステムは、空中の水滴やちりなどに当たって反射してくる光をとらえて、晴天乱流を検知するとのことですが、ライダーはレーダーに比べ波長が短いため、こういった事に向いているものです。
学術用途以外は、どこまで実用になるのかと思っていましたが、ここまで話が進んでいるとなると大分実用的なものになりそうです。
晴天乱流の検知ができるとなれば、航空安全上すばらしい事なのですが、今回の記事を見て思った一つことがあります。
それは、晴天乱流を検知できるレベルであれば、航空機の飛行によって乱される空気の動きも検知できるのではないか。
とすれば、ライダーを使ってステルス機の検知もできそうな気がします。
ライダーによってステルス機を直接捜索することに関しては、レーザーが電波と同じ電磁波であり、機体表面で正規反射されれば、機体表面の工夫だけで電波用の4ローブのRCSパターンを活用されてしまうでしょうが、エアロゾル利用の技術なら、簡単には回避できるとは思えません。
もっとも、アクティブ捜索をする時点で逆にこちらが見つかりそうですが……
今のところ、15km程度の捜索範囲しかないようですし。
まだまだ発展途上の技術なので、ライダーでの対ステルスを語るのは鬼でなくても笑いそうな話ですが、可能性としては面白そうな気がします。
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