無抵抗?
44普連連隊長による「『信頼してくれ』という言葉だけで(日米同盟は)維持されるものではない」との発言問題に関して、件の連隊長に注意処分(文書)が課せられたそうです。
「不適切発言で陸自幹部を文書注意 「『信頼してくれ』では日米同盟維持できぬ」発言で防衛省」(産経新聞10年2月12日)
上官である最高指揮官の発言を貶めるような発言は、確かに褒められたものではありません。
ですが、「言葉だけで」はダメだとする発言自体、実の部分を体現する自衛官であれば当然の発言でもあります。
日米同盟が言葉だけで担保されるのであれば、防衛省など不要で外務省だけでOKです。
件の発言は、実の部分を担う自衛官としての自負でもあるでしょう。
そう考えれば、この件での処分について、制服組は反発しなければなりません。
しかし、報道を聞く限りでは制服組が反発したという内容は聞こえてきません。
「注意」に落ち着いたことが反発があっての結果かもしれませんが、たとえ「注意」に過ぎないものでもご本人の経歴に残るものですし、自衛隊としても処分したという結果の残るものです。
政治的には、この件はこの程度で済む問題かもしれませんが、自衛隊内のことを想像するにつけ、こんな姿勢は末端の上層部に対する不審に繋がります。
結果的には押し切られる結果となったとしても、統幕長なり陸幕長なりが職を辞す覚悟を示すなどして反発しなければ、末端からすれば上層部が腑抜けに見えるでしょう。
この程度の事ですぐに処分と言い出す防衛大臣や内局が問題なのは当然ですが、それに無抵抗な制服組上層部も問題です。
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田母神さんの時にもそうでしたが、制服組の幹部の方々は、いざという時に頼りに
なりませんネ。。。。
しかし、制服組の幹部の方々が本気で反論したら、「クーデターだ!」とか言われる
のでしょうが。。。 本当に困った状態です。
投稿: やん | 2010年2月14日 (日) 23時49分
頼りになりませんか……
田母神さんの事件は、制服組の姿勢(あくまで現役の方)に対しては良くない影響を与えてしまったかもしれませんね。
内心忸怩たる思いがあっても、しゃべり難いでしょうね。
投稿: 数多久遠 | 2010年2月16日 (火) 00時14分
いざ自分がその立場になったら、しゃべり難いと思います。
関係無いからこそ、安易に批判できたりするのでしょうが。。。
投稿: やん | 2010年2月17日 (水) 01時05分
立場というものがあるので、仕方が無い部分も当然にあります。
自分自身ありがたいとも思いますが、安易に批判できる立場も貴重ですから、最大限活用しましょう。
投稿: 数多久遠 | 2010年2月18日 (木) 23時02分
そうですネ。 安易に批判できる存在を意識してこそ、人は暴走を
止めることができると思います。 最大限活用したいと思います。
投稿: やん | 2010年2月18日 (木) 23時59分