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2010年1月 1日 (金)

違法となる行為の解説 その1

あけましておめでとうございます。

年末にも更新するつもりだったのですが、インフルではないものの、カゼでダウンしておりました。

みなさんもお気をつけください。

さて、先日の記事「自衛隊による殺人の根拠」で書いた、違法行為として訴追を受けそうな行動の例として挙げた3点について、解説をして欲しいというコメントがあったので、今回はこれを書いてみようと思います。

まず以前に挙げた3つの例です。
例1:自衛隊施設にテロ行為で損害を与えた犯人が基地外を逃走中に、背後から銃撃し死傷させた場合
例2:治安出動中の隊員が、手配中のテロリストを発見し、警告を与える余裕があるにも関わらず、即座に射撃し死傷させた場合
例3:防衛出動中の隊員が、降服の意思を示した敵兵を射撃し死傷させた場合

この3つは、行動命令の発出状況で場合分けをした例となっています。
つまり、例1はなんら行動命令が発出されていない状況ですし、例2は治安出動命令下、例3は防衛出動命令下となっています。

例1から見てみます。
例1:自衛隊施設にテロ行為で損害を与えた犯人が基地外を逃走中に、背後から銃撃し死傷させた場合

これは、なんら行動命令を受けていない状況ですから、自衛隊法第6章の「自衛隊の行動」には、関係する条文がありません。そして、権限としては出動命令を受けていないわけですから、自衛隊に常に与えられている権限だけが使えます。条文としては、同法第7章の「自衛隊の権限等」の内、次の3点が関連条文となります。なお第九十六条条も行動任務とは関係有りませんが、この条文は警務隊にしか関係しません。
・第八十七条(武器の保有)
・第九十五条(武器等の防護のための武器の使用)
・第九十五条の二(自衛隊の施設の警護のための武器の使用)
この例の場合、自衛隊施設にテロ攻撃で被害を与えたわけですから、権限に関する条文で実際に適用されるのは九十五条の二、いわゆる施設警護のための武器使用になります。
そして、この例に関して、この条文の中で関係する部分は、危害許容要件である刑法第三十六条又は第三十七条に該当するか、つまり正当防衛か緊急避難に該当するか、そして「事態に応じ合理的に必要と判断される限度」内かという点になります。
例の場合では、既にテロ攻撃は完了して逃走中なわけですから、自衛隊が武器使用によってテロリストを死傷させても、テロ攻撃自体を防ぐことはできません。
そのため、逃走中のテロリストに対する攻撃を正当防衛(
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛)や緊急避難(自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避ける)とすることは出来ません。事態に応じていると言うのも無理があります。
おまけに、条文には「当該施設内において」という記述もあり、攻撃対象が既に基地外の場合ちょっとグレーでもあります。(自衛隊員も基地外に出ていれば完全にアウト)
自衛隊は武器を持って警備しているのだから、それ相応の事はできるハズ、と思っている一般の方にはちょっとショックかもしれませんが、実際にはこの程度でも違法になります。

その2へ続く

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