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2009年11月17日 (火)

想定外のお花畑

前回の記事「友愛ボート構想を歓迎します」に対して、コメントでさむざむ。氏より友愛ボートにはDDH、というより既存自衛隊艦艇を使用せず、商用船を購入改造する方向だという情報を頂きました。
しかし、一方でおおすみ型輸送艦を使用するという話も出ており、まだ流動的のようです。
防衛省:友愛ボートに海自輸送艦「おおすみ」検討」(毎日新聞09年11月17日)

今や、私企業でさえCSRとして社会貢献を行う時代ですから、国として長期的な安全保障という視野に立ってこういった活動をすることは、必ずしも悪くはないかもしれません。実際、実施すれば感謝もされるでしょう。

実行可能性という点では、艦艇の購入改造費等、予算さえ確保して頂けるのなら、それほど問題もないように思います。
友愛ボートは米軍が主体となっているパシフィックパートナーシップに参加する形で行われるそうなので、平素から米海軍と緊密に連携している海上自衛隊としては、実際の運用面では、それほど困難ではないでしょう。
あくまで非戦闘地域にしか派遣されないとのことなので、専用艦を建造する場合でも、法的には政府専用機や南極観測船などと同様の整理がなされれば大丈夫だろうと思われます。
また、統幕や海幕も、給油活動や海賊対処で海外展開のノウハウを積み上げています。

しかし、やはり防衛省自衛隊としては、専用艦艇を建造するよりも、DDHや輸送艦を使用する方向で「強力に」プッシュすべきです。
自国の国土に対する直接の脅威が極めて低いと考えられるヨーロッパ諸国ならいざ知らず、日本は世界でも唯一といえるほど大軍拡を続けている中国と領土問題を抱えていますし、何をしでかすか分からない北朝鮮に近く、韓国との間にも係争があります。
慈善活動は、防衛に使用する装備を利用して、方手間にやるなら構いませんが、専用艦を建造するなんて馬鹿げてます。パシフィックパートナーシップに参加している米国艦艇でも、こうした活動のために建造された艦艇ではなく、軍事目的で建造された艦艇を利用しているだけです。

それにしても、有事に活用しようのない商用船ベースの専用艦を建造するなんて、鳩山首相は、私の想像を超えたお花畑でした。

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安全保障・外交」カテゴリの記事

コメント

たぶん、既存自衛隊艦艇を使用せず、商用船を購入改造する方向で落ち着かせるとしても、流石に来年度からの参加には間に合わない可能性が高そうですし、改造が終わるまでの間においてはおおすみを利用する、と言う事なのでしょう。

個人的には私も次期輸送艦を作る為のテストヘッドじゃあないですけど、病院船という名目で(もちろん病院船としての機能を第一としますが)輸送艦としても運用可能な船舶の新造のほうが良い、と思いますけれども。

仮称「災害救援艦」として考えると、その機能は、①大量輸送、②大型貨物揚陸、③現地に飛行場がなくても対応可能、でしょうか。すべて商用船(の改造)でも可能ですが、ポイントは、③民間ヘリが離着艦できるか、と思います。悪天候、悪条件での出動に対する敷居は海自のほうが低い、ということで海自運用なのですかね。
これって、まんま上陸(島嶼逆上陸)戦ですよね(笑

数多さんは既存艦艇での対応を強く押しておられますが、数少ない輸送艦やDDHをそちらに回すと、国内の艦隊編制・運用に支障をきたさないでしょうか?
むしろ、専用艦を作り、重機や人員(陸自の施設部隊?)も専任・専用としたほうが、予算はとりやすいのでは?

お花畑でいくと、通常時は、国内の離島や僻地でのニーズも高いでしょうから、常時クルーズ体制から4隻装備に持ち込めるかも。第2輸送隊、実は第5(強襲)護衛隊群です(笑

そうでなくとも充足率が不十分で近年の「任務拡大」でてんやわんやの海自に対して、また任務を増やすのはどうかと思いますね

僕は自衛艦を派遣ではなく、民間フェリーの利用を提案します。
高速道路無料化で業績は悪化し、せっかく保有している船舶が使われないのはもったいないと思います。それに民間船舶の戦時徴収の‘現場研修’となり意義のあることだと考えます。

ほくと様
もし来年度に実施するとなれば、当然既存艦ですね。

自衛隊の規模で専用の病院船を持つのはちょっと無理があると思います。
おおすみやDDHの病院機能+甲板上に野外手術システムの展開でOKでも十分ではないでしょうか。


否丸様
ヘリの艦上運用には詳しくないですが、商用船改造で通常のヘリがまともに運用できるのかはちと疑問です。
自衛艦でも、可能なのはおおすみ型輸送艦とひゅうが型護衛艦だけですから。

輸送艦やDDHを使用した時に、従来と同じ事をさせようとしたら、当然できるはずはありません。訓練等を減らすしかないでしょう。
コストパフォーマンスは、当然専用艦の方が高いと思います。
私の視点としては、専用艦を作ったらそれらにかかわる人員を有事にどう使えるかということです。

常時友愛ボートをやらせるのは反対です。
災害派遣のように、ニーズのある時だけ(パシフィックパートナーシップに参加となるとある程度拘束されるでしょうが)というのが良いのではと思ってます。


番犬様
常時友愛ボートをやらせるなら、民間フェリーの利用は良いアイデアかもしれないと思います。
ただ、ヘリの運用能力や病院機能は非常に限られたものになるでしょうから、どこまで実効性を発揮できるのか良く検討しないといけないでしょうね。

海自の人員を食ってしまうことに関しては、やはり常時行うのか、という点に尽きるのではないでしょうか。

皆さんの意見を参考に対応案を考えてみました

表向きの目的
友愛ボードに必要な装備の獲得
真の目的
離島奪還のために完全な上陸作戦遂行能力の獲得

短期的対応
①医療コンテナを必要数装備
②民間フェリーの徴用
③民間と共同運用


長期的対応
④海自(プラス自衛隊全体)の増員
⑤強襲揚陸艦の建造


①…病院船を建造するより効率的で早い
②…無料化不況のフェリー会社救済も兼ねて
③…新入隊員の実施研修として利用
④…海自の増員は必須ですが、陸自に海兵能力を付加させるためにも、空自に基地警備能力を付加させるためにも全体の増員の方が望ましいと
⑤…僕には多目的空母との区別ができませんので、空母導入の口実としても


以上です長々失礼

番犬様
目的については、その通り進んでくれると良いなと思います。

医療コンテナは、野外手術システムを採用することにすれば、既存装備の追加で済むと思います。
民主党が高速無料化をホントに実施するなら、海上輸送力維持のためにも何らかの施策が不可欠になるでしょうから、フェリー会社の救済は必要でしょうね。環境にも良いですし。
離島での作戦を考えると、強襲揚陸艦よりも多目的艦の方が良いでしょう。尖閣なんかですと、小型船以外は接岸できませんから、ヘリに頼る部分が大きくなります。
空自の基地警備能力増強は、ホントにそのとおりだと思いますが、難しいでしょうね。そう言ってくれる方がいるとうれしいです。
私も詳しくないですが、海自の人員は、予算を付ければどうにかなるという問題でもないかもしれません。

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