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2009年11月15日 (日)

友愛ボート構想を歓迎します

鳩山首相が、海外での災害救援などのため、自衛艦に外国人や民間人を乗せて災害地や紛争地に派遣する「友愛ボート」構想を明らかにしたそうです。
友愛ボートで日本びいきに? 鳩山首相が構想」(産経新聞09年11月15日)

JSF氏の週刊オブイェクトさんを始め、ネット論客は総じて否定的なようです。
鳩山首相の頭がお花畑なことは間違いないでしょうが、「結果として」日本の防衛にとってプラスになるなら歓迎すべきです。
という訳で、私は友愛ボート構想を歓迎します。

友愛ボートに対して、最も効果的な装備は来年度の概算要求に盛り込まれている22DDHでしょう。DDHという事になってますが、この艦は諸外国でいう所の多目的艦、あるいは多目的ヘリ空母です。
多目的艦は、海外での災害救援や自国民保護に使う事を意図しており、この辺りは友愛ボート構想にも被って来る部分です。
その一方、戦時には着上陸作戦能力を担保する揚陸艦として使用できますし、DDHな訳ですから、対潜能力も高まります。
友愛ボート構想を推し進めるために22DDHを追加建造できれば、着上陸や対潜能力を向上させられると言う事です。

現在、防衛費の削減圧力はかつてないほど高くなってます。
にもかかわらず、政治の側から予算要求ロジック、別の言い方をすれば「建前」を作ってくれることなどそうそうあるものではありません。
防衛省にとって、友愛ボート構想は寝耳に水かもしれませんが、同時に渡りに舟でもあります。
「友愛ボート構想を是非実現しましょう。そして、そのためには22DDHがあと3隻必要です。」などと言えるのです。

ちなみに、今では考えられないことかもしれませんが、昔は自衛隊の中に「災害派遣なんて国防を任ずる我々自衛隊のやることではない!」なんて意見もありました。
しかし、それを利用して予算確保ができるため、今では災害派遣に反対する自衛官は皆無でしょう。
友愛ボート構想も、コレと同じだと思います。

外国人を護衛艦に乗せることで、保全を懸念する方もいらっしゃいますが、今でも艦艇内部を公開していますし、その際には民間人に化けた情報収集要員が入っていることは間違いありません。
友愛ボートが実現しても、保全上重要なエリアに立ち入らせなければ良いだけで、さほど大きな問題にはならないでしょう。

他にも、様々な問題はあるでしょうが、どう処置するにしても立法は必要でしょうから、その中で解決できるはずです。


もし中国が友愛ボートに否定的なら、コレが中国の海洋戦略に対して効果的な抑止力になることの証左でもあります。

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安全保障・外交」カテゴリの記事

コメント

念のために言うと、現時点においてはDDHはそれに宛がわれることはないです。軍艦はC/Pが異常に低すぎるという事らしいので。政府専用機のような感じで、商船構造の船を用い(建造中もしくは建造途中の船(非国産…まぁ、お隣の国の船でしょうが)を購入し)、艦船運用は自衛隊という線で、今頃になって調整が回ってきているようです。まだ打診の段階っぽいので、まだどうなるかはわかりませんが。

横山信義氏の旧作「国際旅団シリーズ」の2巻めに病院船派遣がありましたね。
元祖のTB1号は機関砲で武装していたと思います。

どの艦を使うか以前の問題に、武装と乗艦要件が問題になるべきかと思います。
武装がなければ、自衛隊が運用して民間人を乗せる意味が変わってくると思います。

非武装なら、外国人を乗艦させることはもっと重い問題となりそうです。
さらに、避難民や亡命者を乗艦させた場合、もっとややこしくなりますね。

さむざむ様
貴重な情報を頂き、ありがとうございます。
C/Pが低いのは、ミリタリースペックだから当たり前と言えると思いますが、だからと言って専用船を作るなんて・・・
よく言われる話ですが、鳩山首相は本当に自衛隊をサンダーバードにしたいのかもしれませんね。

否丸様
どのような形で行われるにせよ、法的には立法が必要ですね。
自衛隊がいわれのない非難を受けないためにも。

横山信義氏作品は読んだ事がなかったんですが、こんど古本屋を覗く時にでも探してみます。

友愛ボートが如何なるものか、イマイチわかりかねる面はありますが、現有自衛艦をバンバン国緊隊などで派遣し、日本は世界の消防官として国際社会でプレゼンスを発揮するのだ!!ってことならば、大変結構なことだと私は思います。

それこそ鳩山ドクトリンと銘打って国家戦略局で検討してもらいたいですね。
とりあえず、国緊隊の常設司令部や訓練センターが必要ですかね。
既存施設、組織の改編で十分可能なことでもあるし、期待したいところです。

? 様
同感です。
少なくとも趣旨に反対するべき話ではないでしょうから、各論をしっかり詰めて、前向きにやって欲しいと思います。

でもコレをやれと言う割りに、国際平和協力センターが廃止なのが・・・・

すいません。名前入れ忘れてました。

先の名無しは私です。
レスありがとうございます。


JICA槍玉に上がってましたね~
国際貢献をいうのであれば、国際平和協力センターは必要不可欠なはずですが…

それにしても、今回の事業仕分け、各省庁の準備や説明に随分差がありますね。
あくまで報道で仄聞する範囲ですが、個人的に好印象だったのは農水省ですね。
真摯な説明で政治家に堂々と渡り合っていました。


捕鯨問題その他とってみても、農水省には熱い方が多いようで、私も見習いたいです。

アルフォンス 様
他省庁の事業仕分けまではチェックしていないのですが、農水は頑張ってますか。
彼らには日本の食を守ってきたという自負があるのかもしれないですね。食糧確保は安全保障以上に重要な問題でしょうし、水産なんかは危険も伴いますから。

防衛省ももう少し頑張ってもらわねば

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