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2009年9月20日 (日)

新防衛大臣に北澤氏

新防衛大臣に、北澤俊美氏が就任しました。

一時は、防衛問題に理解があるのかないのか訳が分からない亀井静香氏が就任するというお話もあったようですが、防衛大臣の重要性から、民主党とすれば連立しているとは言え他党となる国民新党の人間を防衛大臣にすえるのはマズいという判断がされたようです。

北澤氏は、元長野県議会議員の参議院議員で、自民党、新生党、新進党、太陽党、民政党と渡り歩き、現在は民主党所属となっています。
この辺の経緯としては、選挙区が同じ長野県にあるという繋がりから、羽田孜氏について行ったという所のようです。
羽田氏同様に、一貫して選挙による政権交代を目指して来たという姿勢が、北澤氏のHPトップにもある「信念を貫き政権交代を!!」という言葉にも表れています。
北澤
俊美公式HP

もともと自民党出身であり、左翼という訳ではなさそうですが、父親は社会党、民社党を経て無所属となった長野県議会議員のようですし、地盤である長野県が左寄りであることから、保守系左派というところでしょう。
まあ、民主党自体がそうであるとも言えるので、取り立てて問題視しても仕方のない範囲かと思われます。

防衛関係の知見としては、平成19年9月から現在に至るまで参議院の外交防衛委員長をつとめており、それなりの識見はあると思われます。
ただし、それ以前の経歴では、めぼしいものとして羽田政権での農林水産政務次官があるだけで、防衛関係につながるモノは有りません。

防衛大臣として問題かもと思われる点として、民主党の日中経済交流促進議員連盟に加盟している外、北京オリンピックを支援する議員の会幹事をつとめており、若干中国寄りの思想を持っている可能性があります。
ただし、これらに付いても国会議員であれば多かれ少なかれこう言うものはあるので、さほど大したことはないかもしれません。

個人の経歴以外から、多少なりとも推察できる点は、議論好きと言われる長野県民であり、所属する党が少数であっても一貫して選挙により政権交代を目指したと言った所から、教条主義的、あるいは原理主義的な発想を持っており、大臣として必要な現実的な判断が出来ないのではないか、という危惧もあります。

実際、米国から継続を強く求められているインド洋での海上自衛隊の給油活動について、代替案を明示しないまま活動を延長しない方針を明らかにしています。
北沢防衛相、給油活動を延長しない方針明言」(読売新聞09年9月17日)
これは、民主党として主張してきた点なので、北澤防衛大臣一人に帰すべきものではありませんが、とにかく打ち切り、という方針はやはり教条的という印象を受けます。

しかし、一方で、良識があると思える点もあります。
鳩山政権は官僚による記者会見を禁止する方針ですが、北澤防衛大臣は、自衛隊トップの統合幕僚長と陸海空各自衛隊の幕僚長の会見は継続させる方針を明確にしています。
官僚の記者会見、原則禁止…官邸が省庁に通知」(読売新聞09年9月17日)
自衛隊トップの会見は存続 防衛相「実務的」理由に」(西日本新聞09年9月17日)

なんにせよ、過去に防衛関係で目立った発言もないようですので、評価はこれからという所です。

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コメント

会見に関しては個別承認で原稿の事前査読が原則です。ほぼ形式的なものですね。
当然当人の組織の長としての個別の信条、認識は会見では言えません。

定例記者会見もQ&Aはありじゃなかったですか?

Q&Aについてはレジュメで対応するというのが有力です。
少なくとも最初はそれで行くのだと思います。

レジュメで対応ですか、ちっともQ&Aじゃありませんね。
適切に権限委譲できない組織は弱体化して行くんですが、民主党は政府を機能不全にしたいんですかね。

政治主導と言う名の専制政治に見える。

彼らにとっての政治主導という意味でのシビリアンコントロールの姿そのものがそれだと。今度は手足だけではなく口まで糸で操るという、今までのそれをもう一歩進めたものがそれに当たるのでしょう。

でも良い点もありますよ。

今度は政治家が全ての行いをコントロールするのですから、現地指揮官はそれによって生じた全ての責任から免責され、政治家のみに運用責任の全てが集約されます。少なくとも災害時において、飛行訓練と苦しい言い訳をしてまで先行視察等をする必要はなくなります。やれば確実に何らかの処分をするでしょうし。

本当に運用全てに政治家が責任を取る気があれば。の話ですが。

個人的な官職では絶対に末端指揮官に責任を全て負わせて逃げまくると思いますが、
今度は手足口まで操るのですから、責任を取らない方がおかしいですよね?:D

北澤防衛大臣に関する限りでは、とても2年も参議院の外交防衛委員長を務めていたとは思えない状態みたいなので、早晩「そのような意味ではなかった」とか言い出して、逃げそうな気がしますね。

もっとも「責任は俺が取る」と言いそうな方が居るわけでもないですが、メール問題での身の引き方を見ると、前原大臣は多少よさそうな気もします。

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