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2009年9月14日 (月)

スバルの反乱

富士重工業がアパッチの発注中止に伴い、防衛省にライセンス料などの支払いを求めるそうです。
戦闘ヘリ発注中止「500億円払え」 富士重工、請求へ」(朝日新聞09年9月2日)記事内容は末尾に転載

先日、関連する記事「朝日に心配してもらうとは・・・
を書いたばかりですが、中小下請けではなく、大手企業が防衛省にたて突く事態が生じるとは驚きです。

正直アパッチの発注中止経緯について十分に承知している訳でもないので、その点についてのコメントは差し控えますが、どうも富士重工のビジネスの進め方が間違っていたようなお話もあるようで、構造的な問題ではないようです。
ですが、富士重工が民事訴訟まで視野に入れて支払いを求めるということは、最悪のケースでは、防衛省から干されて防衛装備の生産から撤退することも覚悟しての事でしょう。

ヘリに関しては、最近は防衛省も欧州機の輸入が広がっているため、富士重工としては市場が圧迫されるという認識もあっての事だとは思いますが、他にもT-7なども製造している訳ですし、防衛装備生産の大手(富士重工のサイトには、防衛装備についての言及がほとんどないくらいなので大手とは言いかねるかも知れませんが、少なくとも有名企業です。)にまでこんな決心をさせてしまうと言うことは、防衛省の対応にも問題があったのでしょう。

以下、朝日の記事内容の全文転載
********************
戦闘ヘリ発注中止「500億円払え」 富士重工、請求へ
2009年9月2日3時0分
 富士重工業は1日、戦闘ヘリコプターを発注した防衛省に対し、500億円弱の支払いを求める文書を提出する方針を固めた。米国企業に払った生産ライセンス料を発注機数で割って国から回収しようとしたが、同省が当初計画数に達しないまま発注を中止。回収できなかったライセンス料などは、本来国が負担すべきものだと主張する。

 文書は月内に防衛相あてに出し、2~3カ月間で支払いの意向が得られなければ、民事訴訟を起こす構えだ。機密管理の必要性などから、国と少数の企業が「蜜月」関係を保ってきた防衛業界で、企業側が国に「反乱」を起こすのは極めて異例だ。

 防衛省は01年、戦闘ヘリ「AH64D(愛称アパッチ・ロングボウ)」を62機導入することを決定。生産を担う富士重と関連部品メーカーは、米ボーイング社へのライセンス料など四百数十億円を払った。富士重は、これを62分割して1機ごとの代金に上乗せし、国から回収する予定だったが、防衛省は02~07年度に計10機を発注した後、発注を打ち切った。1機約80億円という購入費に対し、政府内で高額だとの批判が上がるなどしたためという。

 富士重はその後、防衛省に「ライセンス料などの初期費用は本来、国が支払うべき経費。業界の慣行上も国が支払ってきた」と主張。一方、防衛省側は「国会の承認に基づいて単年度ごとに契約しており、富士重に何らの債務も負っていない」と反論。話し合いは平行線をたどってきた。

 10年度の概算要求でも防衛省がアパッチの予算計上を見送ったため、富士重は「今後の受注が復活することはない」と判断。未回収のライセンス料約400億円に加え、すでにボーイング社から購入した3機分の部品代金100億円弱も請求する。(大日向寛文)
********************

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防衛政策」カテゴリの記事

コメント

数多久遠様
たしかにスバルの反乱には驚きました。
○田洋行のように、断末魔の意趣返しでもないでしょうに・・・

スバルの無人機の技術は日本でもトップクラスで、他に対抗できるメーカーが無いという話を聞いたことがあります。
(MHIも、無人機の技術は高いものがあるとも聞いていますが。。。。)
この無人機の技術を担保にして、反乱を起こしたのかと個人的に邪推
しています。 

無人機研究システムは富士重工製だし、ファイア・ビー標的機なんかも作ってますから、技術力はありますね。
そうだと良いとは思いますが、防衛省に揺さぶりをかけられるほどかというと、どうでしょうか。

また逆に、撤退する場合も事業部毎売れるという算段もできているのかもしれません。

数多久遠様

事業部丸ごと売却とは、すごい発想ですネ。。

言えねえ。実は滅茶苦茶プレッシャーになってるなんて、おもいきし揺さぶられてるなんて、言えねえ。
犯人捜しはじまりました♪誰かの首(中の人)を取ったところでどうしようも無いのだけどねえ。
犯人捜しするその人こそがそんな事あるわけ無いとタカをくくってたんだし。

やん様

M&Aではよく見られるケースなので、もし撤退となれば、ホントに出てくる話だと思いますよ。

さむざむ。 様

おおっと。
まさか500億払うなんてこともある?
ということはないですよね。払えないからこその犯人探しでしょうし。

しかし、おっしゃるように首を取ったところで富士重の経営にプラスになるはずもなく、建前上500億を払うなんてことも出来ないことを考えれば、無人機大量発注なんてバーターもありえるかもしれませんね。
要注目!

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